以前はフル稼働していた茶屋人の茶工場も今はさびれている。
この集落には工場が3カ所あったが、もう一つの個人の工場と組合の工場は動いていない。
専業茶農家は茶屋人一人になり、後は勤めに出ながら細々と茶を作り、茶葉だけ他の地域の工場に売っている。
この工場の生産量はピークの3分の1以下になり、茶園も半分は放置状態だ。
何十年も農薬は使わず、最近は肥料もやってないから茶葉の成長は遅いが、茶園は広いので有り余っている。
茶には春の一番茶、初夏の二番茶、秋の三番茶、四番茶とあるが、今は、緑茶は新茶の一番茶しか収穫していない。
随分贅沢な話だが流通して行かなければどうしようもないのだ。
比べて見たが、無茶人にもはっきりわかるくらい一番と三番では味も香りもまったく違う。
その一番茶にも幾つかランクがあるようだが、茶屋人は最高のものを使っている。
宝物のように大切にしているのだが売れないことには生計が立てられない。
紅茶も緑茶も密閉して冷凍保管すれば一年程度は品質も変らないようだ。
むしろ紅茶は熟成した二年物のほうが味わい深く、まるでワインみたいだ。
無茶人はその貴重な茶葉を、紅茶と緑茶を各10キロ引き受け買い取った。
この工場では加工出来ない茶の開発の為で、試作品が出来てからまたあれこれ思考錯誤することになる。
茶屋人には負担が大きいから無茶人がやることにした。
茶畑だけでなく、数年後にはこの工場も以前のようにフル稼働させると約束もした。
約束は・・・守りましょうね。




