不死身のナマコが釣れた・・ | 野人エッセイす

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森羅万象から見つめた食の本質とは


昨日のキス釣りでナマコが釣れた。ナマコは1年中いるのだが、春頃から硬くて歯が立たなくなる。海藻を食べて育つナマコは赤ナマコと呼ばれ赤茶がかっているが、泥底に住むナマコは青ナマコと呼ばれ土色っぽい。どちらも同じ「マナマコ」だが、見た目のせいか値段が赤ナマコのほうが少し高い。味はほとんど変わらない。釣れたのは巨大な青ナマコだ。全身まっ黒の「クロナマコ」も同じマナマコだが、美味しく無さそうな色から敬遠されている。たわしで色を落として食べれば何の問題もない。生で食べる日本と違い、中華料理では干してもどして火を通した料理が重宝されている。今では大量に中国へと輸出されているようだ。ナマコは海鼠と書き、最初に食べた人は勇気があると言われるほどグロテスクな形をしている。原生動物に近く、これがまた「不死身」なのだ。敵に襲われると内臓を吐き出し、相手が内臓を食べている隙にスタコラと退散する。内臓は何度も再生、当然体も再生する。何等分かに切って海に放すとすべて生き返る「ゾンビ」みたいな生き物だ。この驚異の生命力から、昔から精がつく食品とされてきた。硬くて飲み込んでもすこぶる消化が良い。昔、この方法でナマコを増やそうとした。1匹を3匹にしようと3等分してやってみた。ところが内臓や体が再生するまで時間がかかるから目方の合計は増えない。1匹のままだと海藻を食べて大きく育つから、結局目方は増える。ナマコは目方で取引されるから失敗に終わった。真冬の2月頃、船の上から箱眼鏡でナマコをよく引っ掛けた。3月までは何とか食べられたが5月のナマコは食べた事がない。今回、女の子が釣ったこのナマコを食べる事になった。まずはスライスして生で食べたがまったく歯が立たず、歯型すらつかない。次に網で焼いたがまったく同じでかじる余地さえなかった。石とまでは行かないがそれに限りなく近い。このナマコを食べようとするなら時間をかけて柔らかくなるまで煮るしかないだろう。あの柔らかいナマコがこれだけ硬くなるのだから、ひょっとしたら・・・バイアグラに負けない「絶倫スープ」が出来るかも知れない。是非誰か試してもらいたい。野人は当然そんなものは必要としない。大自然のパワーが活力源だ。