悲喜こもごも(前編)
昨日ふと頭をよぎりLINEしたのが
私より9歳年上の友人
そもそも20年ほど前
神戸のブティックに
PTA仲間とランチの帰りに
立ち寄ったのが知り合ったきっかけ
そこで私は濃紺の革ジャンを
買うか迷い その場は見送り
翌日再び1人で出直した
その際その女性オーナーと私は
何と無く意気投合し
交流が始まった
彼女に紹介されたマダム宅で
わちゃわちゃと女子会したり
某ブランドのオープニングパーティや
ホテルでの社交ダンスの会を
見に出掛けたり楽しんだ
そして今回ご様子を伺ったら
彼女は昨年の12月から抗がん剤を
打っていると言われ驚いた
変わらず声にハリがあり
とてもお元気そうなのに
お店も随分前に閉店し
ご本人も毎年キッチリ定期的に
検査を受け 私の知る限り
病気らしい病気もした事が無く
いつもオシャレし人生を楽しんでいた
昨年血便が出て診て貰っても
最初医者からは痔だと言われたそうな
でもどうも様子が違う気がして
調べたら癌が見つかった
もうオペも出来ないとまで
言われたそうだ
医者と言うのは
其々の専門分野以外は診れないのか
最近良く耳にする総合診療科に
受診していれば
もっと様々な見解から
当人に合った科を紹介し
回してくれていたのだろうか
血便以外全く自覚症状は
無かったそうだ
来週5回目の抗がん剤治療があるが
正直抗がん剤というものを
私はお薦めしたく無いと
その副作用地獄を痛いほど
味わっているからだ
その苦しみを聞いて
胸が苦しくなるのだが
その本当の辛さは
経験していない私には分からない
彼女 見た目は女らしい容貌
けれど中身は強く逞しく
優しく男前![]()
彼女のお店に
服を買いに行くと言うより
私の様に彼女と話したくて
来るお客様が多数居た気がする
そこで
淡路島出身の宝塚スターの
お姉様にも会ったし
有名製薬会社の御曹司や
芦屋の元やんちゃ坊主の
イケオジ達にも出会った
皆 時には彼女に
人生相談や愚痴を吐露していた
いつでも彼女は誰でも受け入れていた
かの様に思っていたが 彼女
友人達と遊びに出掛けた海外で
快く思っていなかった知り合いに
偶然出会い
「まぁ〜 こんな所で出会うなんて
奇遇ね〜」と声掛けられた瞬間
「どちら様でしょう?
私貴女を存じ上げませんが」と
言い放ち 素知らぬ顔して
仲間とその場を立ち去った
と言うエピソードを聞いて
「格好いいぃ〜〜
」と
私は心を掴まれた
中々出来ることでは無いよね〜
大層なお嬢様で育たれたのに
芦屋 神戸のセレブにも興味無く
「セレブ?それって何か
美味しいものなの?」な〜んて
フフと笑い澄ましてお答えになる
そのくせ私よりずっと年上でも
説教じみた事は余程の事が無い限り
言わないし 人の話をきちんと聞いて
受け止めてくれる
その上で押し付けがましく無い
適切なアドバイスをくれる
「mieちゃん、良く頑張ったね〜
偉かったね〜」なんて
大の大人になった私にでも
サラリと言って褒めてくれる
えてして歳を重ねて来ると
「人の話を聞かない」
「相手の話がいつの間にか
すり替わってご自身の話ばかりになる」
そう言う方が多い中で
彼女は別格
だから私は何年も逢わなくても
何年もお声を聞かなくても
彼女が大好き
抵抗力がかなり落ちているご様子
気候が良くなり
調子が良さげな時に
もしご友人達と逢う事があれば
末席から一目だけでも
御目文字したい旨を告げ
電話を切った
電話は全く苦痛では無いとのこと
これからもお電話をして
ご様子を伺いたい
私は年上の友人達が多いので
去年辺りから少しずつ体調に
不安を抱える友人が増えて来た
かく言う私も去年色々あったが
当たり前のことが当たり前では無い
何は無くても健康が1番だと言うことが
身に染みて感じられるようになって来た
そして3年振りに彼女に電話したのは
もしかしたら虫の知らせの様なもの
だったのかもとも思った
そして電話を切ってスマホを見たら
料理の先生からの着信がいくつも…
続く
