睦美、高井戸と木守を見て、
「私も、晄史も。…それに、誓だって、高井戸さんと。」
瞬間、高井戸を見て、
「あ。」
いきなり鼓動が高鳴る。
「よ、ようじ…、さん。」
瞬間、汐梨、笑顔満面の顔で、
「むふふふふふ。ははははは。かかかかか。言った、言った。うんうんうん。」
いきなり睦美、真っ赤になり…。
芙美花は何とも潰れるような顔をして、
「うんうんうん。」
僅かに涙目に。
耀司は耀司で、何ともこそばゆい表情で、口を尖らせながらも、
「ま、まぁ。ま、うんうん。ねぇ~~。」
汐梨、ニコニコと、
「照~~れちゃってこの~~。」
睦美、口の中の物を飲み込んだような感じで。顔をチョコンと、前に。
「汐梨…さんには。」
汐梨、
「ふふふ。うんうんうん。いいぞぉ~~。」
睦美、耀司と汐梨を見て、
「和歌山の実家の事も話してもらってますから。あの、その…、両親の事も…。うん。え…と、はい。うん。だから…。」
事実、睦美、薄っすらと汗を。
「私の…、父の名前は、ハン・ドファンと言います。あ、母の韓国の名前は、ハン・セヨンです。」
耀司も汐梨も、コクリと。
「父は、韓国のレコード会社で働いていて、それでいて、ミュージシャンでもありましたから、バンドとしての活動も…。その時に母と知り合い、結婚したんです。」
またまた耀司も汐梨もコクリと。
「私は、もちろん、2歳の時の事は記憶にはないので。…でも、小さい頃の記憶ではもうピアノは弾けていた実感はあります。…と、言うか、もぅ、それが日常だったので。そのままピアノの道を。」
芙美花、
「凄~~い。」
耀司も汐梨もそんな芙美花を見て微笑む。
睦美も芙美花を見てニッコリと。
「小学、中学、高校と。…でも、その時に。私が高校、晄史が中学の時です。父が…。」
瞬間、睦美の声が止まる。そして、
「父が、亡くなりました。」
途端に耀司、睦美を見て、
「え…???」
汐梨も僅かに眉間に皺を。
睦美、汐梨を見て、そして耀司を見て、
「自殺、だったんです。ビルの屋上から飛び降りての。」
耀司、すぐさま驚愕の表情で。芙美花も驚きで口に手を、
「うそ。」
汐梨、眉間に皺を寄せたままで、
「そんな…。」
耀司、睦美を見て、
「自殺。」
睦美、コクリと。そして、瞬きをしながら、
「2億円のインサイダー。金融商品取引法違反。」
耀司、またもや、
「うそ。」
汐梨も、
「うそ~~~。」
芙美花は悲しそうな表情で、
「……。」
耀司、睦美を見ながら、
「バカな。そんな…。まさか。」
汐梨もその声に、
「うんうんうん。」
睦美、
「私たちも、信じられなくて、とても怖くて…。家から出る事が出来ずに…。テレビや週刊誌、新聞でも…。…でも…。それから1ヶ月後、父の会社のある役員が逮捕されたんです。」
耀司、いきなり、
「え…???」
睦美、
「つまりは、2億円のインサイダー。金融商品取引法違反の主犯です。」
汐梨、
「うそ。」
耀司、
「…と、言う事は。睦美さんのおとうさん。」
睦美、耀司を見て、コクリと、
「父は、濡れ衣だったんです。相当の圧力で。」
汐梨、顔をグシャリとさせながら、
「そんな~~~。…って、濡れ衣って…。」
耀司、腕組をして、
「ん~~~~。」
そして、睦美に向かって、
「そっか~~。そうだったんだ~~。」
けれども、
「…ってか、ごめん。」
ペコリと。
「そんな話、させちゃって。」
汐梨、思わず耀司を見て、
「あ。」
そして睦美を見て、
「う、うん。ごめん。何故か、そっちの話しになっちゃった。」
芙美花、
「ちょっと…、難しいけど、ドラマでも見るから、何となく。」
耀司、
「まぁ、確かにな~~。刑事ものや金融関係のドラマや医療ドラマでも、取り上げられる話題だから、今の時代。」
汐梨、
「うんうんうん。」
そして、
「でも。…へぇ~~。睦美さん、凄いわ。…って言うか、一家がとにかく、音楽に関する音楽一家。」
その声に睦美、おもわずニッコリと。
「えぇ。…そうなります。」
耀司、まだ腕組みのままで、
「いや。とにかく、凄いや、絶対音感。」
チラリと睦美を見て。
睦美も耀司をチラリと見て、そして、
「えぇ。」
そして…、少し冷めたダージリンティを飲んで、
「ふふ。おいし。」
芙美花、ニコニコとした顔で、
「うんうんうん。私、何とも尊敬しちゃう。」
睦美を見て。
「じゃああ~~。とにかく、聞こえてくる音って、どんな音でもすぐに分かる。」
睦美、その声にコクリと。
「えぇ。」
「…で、どんな曲でも弾ける。」
またまた睦美、コクリと。
「はい。」
いきなり芙美花、体を起こして、
「凄~~い。超尊敬~~~~。」
ニコニコと。
汐梨も、
「確かにね~~。いやいやいや。とにかく驚いたわ。絶対音感。それが故に、あのピアノ演奏。」
そして汐梨、
「ねね、睦美さん。」
睦美、汐梨を見て、
「あ、はい。」
汐梨、
「ほんと。さっきの話し、考えてくれる、専属の。」
いきなり耀司、汐梨に、
「おぃおぃおぃ。本気なのかよ、それって~~。」

ママでいい…。 vol,222. 「父が、亡くなりました。」
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庄司紗千 「雫音〜shizukune〜」
※ご本人の承認の下、紹介させて戴いております。
