ふたりにニコニコとお辞儀をしている耀司。
そしてその隣でもお辞儀をしている芙美花。
そしてひとりの女性を見て汐梨、車の運転席から、
「えっ…???…もしかして、宮前…師長…???…で、何、あの人…???…って、お義姉さん…???…まさか。」
瞬きながらも汐梨、ガレージの前まで。
そんな車の音に気付いた耀司と芙美花、ふたり同時に車の方を見て、
「あ。」
宮前と麻友も、そっちの方を。
汐梨はガレージの方に車を。少し慌てながらも…。
宮前、
「あの人って…。確か、運転しているのって、女性。」
耀司、
「麻沙美の母親です。妹の。仕事が終わってウチに。」
芙美花、ニコニコしながら、
「それこそ、おばちゃんです。」
宮前、頷きながらも、
「あ~~。うんうんうん。汐梨さん。木守さん。」
耀司、ニコリと、
「えぇ。」
宮前、コクリと。
「じゃあね。また。」
麻友、丁寧にお辞儀をして。
耀司、
「あ、はい。いつでも。」
芙美花も、
「ありがとうござました。」
ペコリと。
宮前と麻友が歩き出し、そして遠ざかって行く。
バッグを肩に掛けてコンビニの袋を両手に汐梨、息を吐きながら、
「ねね、今の人って。」
耀司と芙美花、
「あぁ。」
「おばちゃん、おかえり。」
芙美花に汐梨、
「うん。ただいま。ねね、今の人。」
芙美花、叔母に抱き着きながら、
「もぅ~~~、ビックリしたよ~~。」
いきなり芙美花に抱き着かれて汐梨、目をパチクリとさせながら、
「え…???…え…???」
芙美花、また目に涙を溜めて、
「おかあさん、そっくり~~~~。」
汐梨、瞬きしながらも、
「え…???…え…???」
そして、耀司を見て、
「に、兄さん…???」
耀司、口をグンニャリと。そして僅かに顔を傾げて、
「ん~~~。」
そして、
「あ、ほら。前に言ったじゃん。俺がスーパーにマヨネーズを買いに行った時の話し。」
芙美花、ようやく叔母から離れて…。
汐梨、耀司を見て、
「マヨネーズ…???…スーパー…???」
汐梨、目をキョロキョロと、そして、また瞬き。顔を傾げて記憶を…。
「あ、あ~~。うんうんうん。睦美さんが来て。」
耀司、
「あぁ。あの時、スーパーでバッタリと師長に会ったんだよ。」
汐梨、コクリと。
「あぁ、うんうんうん。確かに。マヨネーズひとつ買うのに何時間って…。」
耀司、
「そん時に、師長と一緒にいた人。いやいやいや。俺だってビックリ。祐里子と瓜二つ。そっくりだったから。」
汐梨も、
「うんうんうん。運転席から見たけど、うそって。」
そして耀司、既に数十メートル離れたふたりの女性の後ろ姿を見ながら、
「師長の従妹。麻友さんって言ったかな…。苗字が…。え…と~~。…確か、坂下さん。うんうんうん。」
頷きながら、
「坂下麻友さん。麻の麻に、友達の友。おっと。」
耀司、汐梨の持っているコンビニの袋を持って。
汐梨、
「あん。うん。」
そして、
「あ、いや。チラリと見ただけだけど、いや。正にお義姉さん。」
耀司、
「うん。ありゃ、ほんと、祐里子だわ~~。」
芙美花もコンビニの袋を持って、
「とにかく、そっくり。」
汐梨、
「あん。ありがと。」
そして、
「で、何々、どういう事…???」
玄関に3人。
汐梨、
「麻沙美~~。帰ったよ~~。」
その声に麻沙美、バセットからバンと起き上がり、
「ママ~~~~。」
バセットも玄関の方に顔を。そして、
「ワン。」
ノッソリと起き上がり玄関に、麻沙美の後を。
汐梨、耀司から話を聞きながら、
「へぇ~~。あん。麻沙美~~。ただいま~~。」
麻沙美から体に纏わり付かれながらも。
「はははは。」
「ママ、おかえり~~。」
汐梨、バセットにも、
「バセット、ただいま。」
バセットも、
「ワン。」
「で、何々、お義姉さんに、お線香。…しかも、ふたりで。」
耀司、コクリと、
「そう。」
芙美花も、
「玄関に来てビックリ。おかあさんって、私、思わず声に出てた。」
汐梨、
「へぇ~~~。」
リビングに入って。
「うんうんうん。確かに、違う匂い。」
耀司、その声に、汐梨に、
「はい…???」
汐梨、耀司に、
「え…???…って、馬鹿ね~~。」
そこまで言って耀司に、顔を傾げて、
「あん。兄さんには分かんないか。匂いだよ、あのふたりの。」
耀司、思わず、
「あ、あ~~。」
汐梨、
「睦美さんのとは全く違う。」
耀司、その声に、両眉を上に。
「そうなんだ。」
汐梨、右目を歪ませて、
「たく。」
けれども、また顔を傾げて、
「あん。でも、分かんないか、1年も大人の女性がいないから。まっ。芙美花はまだ若いから、香水なんて。石鹸の匂いだもんね~~。」
芙美花、その声に椅子に座って、
「あはははははは。」
汐梨、
「睦美さんの匂いは柔らかい感じの匂いで、まだまだ若いって感じがあったけど。今は全然違う。何か落ち着いてる。僅かに病院の匂い…???」
耀司、汐梨を見て、
「…って。凄ぇな。」
間髪入れずに汐梨、耀司に、
「当たり前でしょ。…んなもん、普通~~。」

ママでいい…。 vol,216. 「兄さんには分かんないか。匂いだよ、あのふたりの。」
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