「いつまで経っても煮え切らない。まっ。それも仕方ないでしょう~~。鈍感。ズブの鈍感男なんだからね~~。」
一瞬、顔をクシャリとさせての汐梨。
「まっ。このまま、芙美花に迷惑掛け続けなさ~~い。絶対に芙美花、もぅ~~、カンカンに怒りまくるから。ようやく友達と友達らしい事が出来る~~って、感じなのに、この鈍感男のせいで~~。」
耀司、そんな汐梨に思わず体をヘナヘナとさせて、
「お~~~い。汐梨~~。」
「何よ。」
困った顔で耀司、
「いや…。そんな…。いきなり。」
「いきなりも何もな~~い。パパだったら、こういう話をしたら、ガッカリとして、お義兄さん。って、懇願するような顔、するよ~~、絶対~~。…あの人、こういう話には結構~~敏感だから~~。」
耀司、顔を崩して、
「…ったく~~。…って言うか、睦美さんに迷惑でしょ、俺なんか~~。」
瞬間、汐梨、
「どの口が言う…???…何度も晄史さんや誓さん、睦美さんに会っておいて。しかもよ。ちゃっかりと眞鍋家に食事に招待までされて~~。」
また椅子に座って汐梨、
「あのね、兄さん。もし仮によ、迷惑なんて思ってる人が、家に招待する~~???…しかも、食事なんて頂いちゃったりして~~。それも、初めてお邪魔するお宅に~~。」
口をグンニャリとさせている耀司。
「そ、それは…。…って、それは~~。晄史さんから~~。」
「つべこべ言わない。」
口を尖らせて汐梨、
「迷惑だったらさ。何で、その日、睦美さん、どっかに出掛けても良かったじゃん。迷惑で、兄さんと会いたくなかったら…???」
「いや。そんな事言われても…。」
「それに何…???…芙美花の定期演奏会に。それに、ジャズコンサート~~???…迷惑だって言う人、そこまで一緒に行くかしらね。」
耀司、口をグンニャリと。そして、小さく、ブツブツと。
汐梨、
「何…???…何か言った…???」
声を大にして、
「兄さん…???…兄さんっ!!!」
「はいはい。」
耀司。
「分かりましたよ、分かりました~~。」
そう言って耀司、
「…ってか。…こういう時って、どうすりゃ。」
口を尖らせながら…。
「祐里子の時は…、祐里子の方が…。」
瞬間、汐梨、瞳を動かして、
「あ。そっか…。兄さんと義姉さんって、完璧に義姉さんの方が、兄さん、リード。引っ張られてんのが兄さん。…確かに。…ってか。」
汐梨、思わず空を見て、
「考えてみれば…。兄さん、恋愛経験…。」
耀司、眉間に皺を。汐梨を見て、
「ある訳ねぇだろ。」
再び汐梨。
「確かに。…それに…。睦美さん、は、睦美さんでぇ~~。引っ込み思案。…でぇ~~。兄さんは兄さんで~~。奥手。」
間髪入れずに耀司、
「奥手、言うな~~。」
そう言って耀司、ブスッとした顔で、
「まぁ…。祐里子の時だって、全然。全然。恋愛感情…。…ん~~???」
顔を傾げて、
「はて…。あったかな~~???」
汐梨、いきなり、
「はぁ~~ぁあ…???」
今度は逆に顔を傾げて耀司、
「いや…。…うんうんうん。ないない。全く。そんな…、恋愛感情だなんて。…あん時~~。まぁ。みんな、俺たちの事なんてお構いなく、自分等で勝手にワイワイと盛り上がってて~~。祐里子が俺の名前聞いて~~。名前言って~~。名刺渡して~~。祐里子、名刺持ってないからって、俺にスマホを。みんなが盛り上がっている内に、祐里子のスマホのラインのQRを…。…それからだよな~~。」
記憶を辿るように耀司。
「あの頃は仕事の事で毎日ラインでもやり取りしてから。そんな中で祐里子の方からラインが来て~~。まっ。誘われて、飯なんか食いには行ったな。うん。」
顔をコクリと。
「まっ。祐里子の仕事の話しがメインだったけど。」
「はいはい。」
汐梨。
「義姉さんから聞いてます。凡そ、私の方から誘った~~って。パパ、ずぶの鈍感男だから~~って。」
耀司、その鈍感男と言う言葉に、
「うるさいなぁ。…って言うか。」
顔をコクリと耀司。
「うん。確かに。祐里子の方から誘って来てたよな~~。珍しい人だな、この人。俺なんかって、も、思った。」
そして、にやけた顔をして、
「いや。俺なんかより、もっと、祐里子に似合う男、何処にでも…。」
汐梨、
「まぁ~~。いたで、しょうね~~。義姉さん、その気になってみれば~~。あれだけの美人さんだから~~。まっ。でも、結~~局は、何々~~。射止めた相手は。」
顎で耀司にクィッと、
「兄さんだったって訳。」
「俺なんかの何処が…。」
「それ、今、言う…???」
「いや。」
耀司。
「だから、俺。恋愛って分かんねぇよって。」
その声に汐梨、
「んじゃ。義姉さん、好きになったのっていつよ。」
耀司、
「いつ~~???」
右目を歪めて、
「…って、いつ…???」
また窓の方を見て。
「いつだ…???」
汐梨、そんな耀司に、
「つまりは、そういう事。」
耀司、そのままの姿勢で汐梨を見て、
「ふん…???」

ママでいい…。 vol,147. 「迷惑なんて思ってる人が、家に招待する~~???」
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