「…あの。…もう一度…。…お邪魔しても。」 | THMIS mama “お洒落の小部屋”

ドキドキ 誓、
「へぇ~~~。こういうワンちゃんなんだ~~。めっちゃくちゃ可愛い~~。耳がおっきくって長~~い。しかも、垂れてるのがまた可愛い~~。ほんと、大人しそうで、人懐っこそう~~。」

暁美、
「ははははは。睦美の腕を噛んだ犬とは大違い。」

ソファから睦美、
「だから~~。その話はやめて~~。」

その声に暁美、鼻の下を伸ばして舌をチロリと、
「怒られた~~。」






夜の9時を過ぎようとしている。

耀司のスマホにライン通話の電子音。左手はまだ使えないが、右手で仕事の最中。
「ふん…???」
そして画面を見ると、
「えへ…???…うそ。」
3回のコールで通話に。そして右手で持って右耳に、
「はい。高井戸です。睦美さん…???」

スマホから、
「もしもし。高井戸さん…???…睦美です。」

睦美、鼓動が高鳴る。部屋着でベッドに腰掛けたままで。

耀司、
「あ。はい。高井戸です。」

睦美、心臓はバックンパックン状態。
「あの。…今日は…。申し訳ありませんでした。」
スマホを耳に、深く頭を下げる睦美。

スマホから高井戸の声、
「あ、あ~~~。あ、いや…。…と、言うか。…あの…。僕も、申し訳ありませんでした。」

睦美、一瞬、
「えっ…???」

耀司、パソコンの画面を見ながら。
「あ、いや…。家に、犬を飼っているなんて、一言も言わないで。しかも…。中型犬で、ちょっと、大きいので。」

その声に睦美、
「あ、あ、あ~~。はい。」

スマホから、
「ごめんね。いきなりだったから、ビックリしちゃったよね。はは。」

睦美、
「あ、あ~~。はい。」

高井戸の声、
「あ、いや。ビックリなんてもんじゃないよね~~。僕の方こそ、申し訳なかった。はは。反省してます。」
そして、
「はは。…だから、汐梨にも怒られる。」

睦美、スマホを耳に、
「怒られる。…反省してるって…。」
目をパチクリと。

耀司、思わず顔を上に、
「あ、いやいやいや。ははは。…こっちの話しで…。」

「あの。」
いきなり睦美。ハッキリとした口調で。

耀司、その声に瞬きして、
「あ。はい。」

睦美、目を閉じて、ゆっくりと息を吐いて。吸って。

今度はふたり同時に。
「あ、あの…。」
「あの。高井戸さん。」

耀司、その声にまた、
「あ。はい。」

「明後日。」

耀司、僅かに顔を傾げて、
「あ、明後日。」

睦美、
「あ、はい。…あさって…。…あの。…もう一度…。…お邪魔しても。」

耀司、その声に、
「え…???…はっ…???」

睦美、まだまだ鼓動は高鳴っている。そして、今度は、
「明後日、またお邪魔しても…。」

「あ、あぁ~~。」
耀司。
「あ、あ、はい。」
部屋のカーテンを見て。
「え、え~~~。べ、別に…、構いませんけど…。…でも…。」

睦美、口の中の物を飲み込んで、
「あ、ありがとうございます。」

耀司、
「あ、あの…。…でも…。ウチには…、犬が…。」

睦美、
「えぇ。…分かってます。」

少し間を置いて…。

耀司、スマホに、
「だ、大丈夫…、ですか…???…晄史さんから睦美さん。…犬の事を…。」

「えぇ。…でも。…このままじゃ…。」
最後の語尾は小さく。

耀司、僅かに眉間に皺を。
「…このままじゃ…???」

睦美、スマホに、

「あ。いえ…。明後日。…お邪魔します。」

「あ、はい。」
耀司。
「わ…かりました。お待ち…、しております。」







汐梨、麻沙美を連れてヨシカワ音楽教室に。
ママ友たちとも鉢合わせ。

そんなママ友たちから汐梨、
「ねね、木守さん。麻沙美ちゃんのおじさま。…って…???」

その声に汐梨、思わず。…けれども、
「はは。あん。えぇ~~。実は、足をちょっと、怪我しちゃってて。」

その声にママ友、
「あらまぁ~~。…道理で~~。…顔を見せないから心配しちゃって~~。」

汐梨、何とか作り笑顔を。
「はははは。ご心配頂き。」

事務局員にも、
「こんにちは~~。」

講師のスケジュールで、遅い時間で始まった今日。

睦美、事務局員たちに挨拶をして、
「お先に失礼します。」

事務局員たち、
「おつかれさま~~。」





睦美、フラワーショップに寄り…。


高井戸家の玄関のチャイムを。

学校から帰って来ている芙美花、
「あ、来た。」

捻挫は殆ど回復。けれども用心で松葉杖を。耀司、芙美花に、
「あ、おとうさん出るよ。」

芙美花、
「うん。」

足取りは軽くなっている。

芙美花、モニターに、
「は~~い。」

モニターから睦美の声。
「眞鍋です。」

芙美花、
「空いてます。どうぞ~~。」

耀司も玄関で、
「空いてますよ。どうぞ。」


ドアが開く。そして…。

睦美、高井戸の前でお辞儀をして、
「こんにちは。先日は…。」

耀司、ニッコリと。
「まま。どうぞ。」

睦美、花束を持ったままで靴を…。そしてゆっくりとリビングに。
鼓動は高鳴っている。リビングに入るや否や、
「高井戸さん、これ…。」
花束を…。

耀司、振り返って、
「ああ。はは。うん。ありがとう。芙美花~~。」

キッチンから芙美花。
「あ、は~~い。」
花束を受け取って、
「ありがとうございます。」


そして、睦美。リビングの定位置の犬を。








ママでいい…。   vol,124.   「…あの。…もう一度…。…お邪魔しても。」

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