「さ~~てと~~。」
耀司、家にひとりになって。いつもの定位置のバセットに首を振りながら、
「いやいやいや。これじゃあ、いつものバセットとの散歩も、無理だ~~ねぇ~~。」
そして、右手でコーヒーカップを持って口に。
「あ。」
そして、耀司、
「やべぇ~~~。」
いきなり口をへの字にして顔をクシャリとさせながら、
「…と、言う事は…。」
いきなり右腕に顔を伏せて、
「ぁあ~~~。」
そしてゆっくりと顔を上げて、
「麻沙美の保育園。それと…、ヨシカワ…。あ~~~~。1、2週間という事は…。…って、今日からじゃん。」
今度は下唇をビロンと。
「保育園でもヨシカワでも、絶対に言われる。」
いきなり品を作っての耀司、
「高井戸さん、最近、お顔見せませんでしたけど、何か…。」
そしてまた耀司、顔をクシャリとさせて…。
「あ゛~~~~。」
そして…。1時間後に耀司のスマホに着電。
耀司、
「あ。はい。晄史さん、おはようございます。」
相手は晄史である。
「高井戸さん、おはようございます。昨日は…。あの…、体の具合。」
その声に、
「あ~~。うん。ははは。特に…。変わりは…、ないですね~~。娘には、こってりと。無理しないでって言われて学校に…。」
晄史、会社に歩きながらのスマホ。
「そうですか~~。」
スマホから、高井戸の声、
「いやいやいや。」
晄史、スマホに、
「あのですね、高井戸さん。」
耀司、その声に、
「あ、はい。」
晄史、交差点、横断歩道の赤で止まって、
「今度の日曜日。明後日なんですけど。」
晄史と睦美、スマホを見ながら、
「ここだね。」
「うん。」
晄史、家の前の表札を見て、
「高井戸。」
姉に、
「行こうか。」
睦美、コクリと。
「うん。」
晄史、チャイムを。
耀司、その音に、
「おっ。」
そして、芙美花に、
「芙美花~~。代わりに~~。」
キッチンの中の芙美花、
「あ~~。うん。」
そして耀司、ゆっくりと椅子から。そして松葉杖を使って、
「へへ。3日も経ちゃあね。慣れてくるもんだ。」
確かに。耀司、2日目からは松葉杖も、トントンと。
汐梨も、そんな兄を見て、
「何と。使えるね~~。」
その声に耀司、
「へへ。」
耀司、玄関に、
「はい。どうぞ~~。開いてますよ~~。」
ドアを開けての晄史と睦美、
「こんにちは~~。」
病院での時と変わらない高井戸。けれども服装は普段着。
晄史と睦美に、ペコリと、
「こんにちは。ささ。入って~~。」
リビングから芙美花、
「こんにちは~~~。」
晄史、睦美、目を真ん丸に、
「わあ。」
「はは。こんにちは~~。」
芙美花、ふたりに深く頭を下げて、
「こんにちは。父がいつもお世話になってます。」
晄史、
「こんにちは~~。」
そして高井戸を見て、
「凄い、可愛い~~。」
睦美も、
「うんうんうん。」
ニッコリと。
晄史、女の子に、
「ふみかさん。」
睦美も、
「うんうんうん。」
芙美花、ニッコリと、
「あ、はい。高井戸芙美花と言います。」
睦美、
「可愛い~~。」
芙美花、思わず照れながらも…。
芙美花が先頭。そしてゆっくりと松葉杖を突きながらの耀司。
そして晄史。最後に睦美。
耀司、リビングまで来て、
「どうぞ、どうぞ。あ。でも、誓さん。」
晄史、
「え~~。朝に会社から電話があって。そのまま仕事に。」
耀司、
「大変ですね~~。日曜日も。」
睦美、芙美花にニッコリと。そしてお辞儀を。
「お邪魔しま~~す。」
そして…。
リビングのテーブルまで来た瞬間、いきなり目を真ん丸に。
そして、突然吐き気に襲われて、踵を返して駆け足で玄関の方に。
耀司も芙美花も、一瞬の事だったが、
「えっ!!!」
晄史も、
「姉さん…???」
耀司、何が起きたのか全く。芙美花も瞬きをして、ゆっくりと玄関の方に。
睦美は睦美で、玄関に。そしてそのままドアを。
鼓動は高鳴っていた。そして、恐怖感。ある意味、死に物狂いとでも言っていい程の。
芙美花、玄関に。姿はない。
「あれ…???」
玄関のドアを開けて、あちこちと。芙美花、顔を傾げて、
「あ~~れ~~???」
睦美は小走りで…。とにかく、逃げる事しか考えてなかった。
耀司、晄史に眉間に皺を。
「睦美さん、どうした…。」
ぽか~~んと。
晄史も顔を傾げて。こちらも眉間に皺を。
「分かんない…んですけど…。」
その時、芙美花の後を追い駆けて、バセットが玄関の方に。
瞬間、晄史、犬を見て、
「わあっ!!!」
耀司、
「あ。はははははは。愛犬のバセットです。」
晄史、いきなり体を縮こまらせて、
「わぁ~~。い、犬~~~。…そ、それに…。」
芙美花、リビングにバセットの頭を撫でながら、
「おとうさん。」
顔を傾げて、
「もぅ…、いなかった~~。」
耀司、その声に、
「ぇえ゛~~ぇえ…???」
頭を傾げて、
「おか、しぃな~~。」
晄史、思わず慌てるように、
「あ、あの…。あ、はははははは。…いや。」
顔を傾げて。
耀司、晄史にも、
「どうし…。」
晄史、
「あ、いや~~~。」
困ったように。そして顔を下に、頭を撫でながら…。

ママでいい…。 vol,117. 「今度の日曜日。明後日なんですけど。」
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