睦美、晄史に、
「そんな、いきなり家に呼ぶだなんて。」
晄史、そんな姉に、
「…って言うか、姉さん、ウチに高井戸さん呼ぶの反対なの…???」
「いや。…反対って言うか。…そんなんじゃないけど…。ただ、いきなりって…。…その…、何も話しもなく。…いきなりって…。」
「いや。…だから、姉さんにラインしたじゃない…???…高井戸さん、家に呼ぶよって。」
「そうじゃなくって~~。前以て~~。」
そしていきなりトーンを低くして睦美、
「話してくれたって。」
両腕で何かしらのゼスチャーを淡々と。小さな声で、
「ここはこうで、あぁなって、こうですよ。…そんな感じでやってくれないかな~~。」
晄史、そんな姉を見て、
「姉さん、何やってんの…???」
「あ。いや。…だから~~~。前以て~~。」
「あ。そっか。つまりは、高井戸さんと話す前に姉さんに一言って。それの事。」
間髪入れずに睦美、
「そうです。そういう事です。」
晄史、その声に、
「そっか~~~。うんうんうん。そうかもね~~。ごめんね、姉さん。僕、勝手な事して。ごめんなさい。」
姉にコクリと。
そんな晄史を見て睦美、いきなり口を尖らせて、
「あ、いや…。…そんな…、謝ってもらうって程の…。そんな…。」
晄史、首を振り、
「んや。謝る。ごめんなさい。」
睦美、
「あ、いや…。だから…。そんな…。」
晄史、空を見て、
「あ。そうなると~~。姉さん。」
晄史も部屋着で。
睦美、
「何よ。」
「…と、言う事は~~。僕が高井戸さんに~~。何か話すという時は~~。必ず~~。姉さんに一言、前以て~~、話しておかなきゃいけない。…つまりは、姉さんの許可が必要になる。…と、言う事になるけど…。」
瞬間、睦美、
「はぁ~ぁ~~あ…???」
大きな口を開けて、また眉間に皺を。
「いやいやいや。何でそうなるのよ~~。何で私に許可~~~???」
「いやいやいや。だって、今、姉さん。前以てって言ったから。僕が高井戸さんに何か話さなきゃいけないときは…。」
「いやいや。」
睦美、何かしらムキになったような…。
「べ、別にそういう意味じゃ。」
「じゃ、どういう…???」
口を尖らせての晄史。
「だってさ。高井戸さん、僕にとっては友達って。高井戸さんも喜んで友達になってくれるって言ってくれてるけど。」
睦美、
「いやいや。だから。まま、確かに。友達って。それは、それで構わない。けど…。…でも、そんな…。いきなり家にって。」
「誓は喜んでくれたけど…。」
玄関から、
「ただいま~~~。」
晄史、玄関に、
「おかえり~~~。」
リビングに誓、
「お義母さんは…???」
すぐさま、
「あぁ~~~。翻訳。」
「何かしら、長編の翻訳だって~~。新しい仕事、頼まれちゃったみたい。」
睦美。
誓、
「へぇ~~ぇえ~~。凄いやお義母さん。とにかくコンスタンスに仕事~~。さすがはトリリンガル。」
晄史、
「姉さん高井戸さんに話すときは前以て姉さんに一言。そして、許可を取るべしって~~。」
誓、その声に、
「へっ…???」
瞬間、睦美、両手をヒラヒラと、
「ややややや。そんな。」
慌てながら。
誓、
「うそ。」
義姉を見て、目をパチクリと。
睦美、
「いやいやいや。そんな…許可って。」
誓、義姉の隣に座って、
「なんで、なんで???…いいじゃん、高井戸さん。ウチに呼ぶの、何で許可…???」
睦美、誓に、
「いやいやいや。許可って。何も。」
誓、
「私は大賛成~~。高井戸さん、いいも~~ん。気さくだし、楽しいし。いろんな話出来そう~~。」
晄史、
「ほら。」
睦美、思わず顔を下に、
「んもぅ~~~~。」
誓、そんな義姉を見て、
「お義姉さん、何か…、問題でも…???」
「問題って…。…別に、そんな…。」
「…って言うかさぁ~~。」
晄史。
「まさか…。高井戸さんをウチに呼んで~~。その時に、姉さんがいない。な~~んてなったら、それこそ、不自然じゃない…???…折角4人で知り合って…。」
そこまで言って晄史。
「…って言うか、元々、姉さんの音楽教室の、レッスン生のおじさんって。だから、僕も~~。親しみやすいなって。高井戸さんも快く、受けてくれたし~~。…で、今じゃない。…って言うか~~。高井戸さん、僕の友達でもあるんですけど。」
誓、
「私の、友達でもある。しね。」
晄史、ニッコリと、
「うんうんうん。」
睦美、思わず両肘をテーブルに。そして両手で両頬を唇をムニュッと丸く。
「芙美花~~。じゃ~~。行ってくる~~。」
玄関で。
芙美花、2階から、
「は~~い。行ってらっしゃ~~い。私ももうぐ出掛けるから~~。」
玄関まで見送りのバセットに耀司、
「バセット~~。では、行って参ります。留守番、頼む。」
そんな耀司にバセット、
「ワン。」
ドアから耀司、チラリとバセットに、
「じゃね~~。」
バセット、顔を傾げて、
「クゥ~~ン。」
ドアが閉まるとバセット、リビングのまた自分の定位置に。
耀司、ガレージから、
「さてと。」

ママでいい…。 vol,080. 睦美、晄史に。「そんな、いきなり家に呼ぶだなんて。」
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