晄史、スマホの画像を。木守に、
「こんな感じの人です」
汐梨、晄史が差し出したスマホの画像を見て、いきなり目を真ん丸に、
「奇麗~~~。」
画像を見て、耀司を見て。
耀司、そんな汐梨を見てニッコリと。そして晄史と眞鍋に、
「うんうんうん。」
すると晄史、
「あ、そうだ。」
その声に耀司、
「うん…???」
「おふたりの、写真。」
自分のスマホをふたりにかざして、
「撮らせてもらって良いですか…???…誓にも見せたいし、今日、来れなかったから。」
汐梨、目を見開いて耀司を見て。
耀司、ニッコリと、
「いいですよ~~。」
睦美、ニコニコと。
「ありがとうございます。」
汐梨、
「はははは。」
耀司、頷きながら、
「はい。」
晄史、
「では、失礼して。」
木守と高井戸のツーショットと。麻沙美の寝顔を。そして、
「うんうんうん。」
晄史、ふたりに、お辞儀をして、
「ありがとうございます。」
睦美、晄史の撮った画像を見て、
「うんうんうん。」
あらためてふたりにコクリと。
「ありがとうございます。」
耀司、
「それじゃあ、僕らは…。」
汐梨に、
「行こうか。」
汐梨、
「うん。」
ファミレスの駐車場に。
汐梨、車のロック解除、そして耀司の背中から麻沙美を。
耀司、麻沙美をシートに。
「ヨイショッと。」
麻沙美は眠ったまま。そして耀司もシートに。
汐梨、運転席に。ゆっくりと駐車場から車が…。
汐梨、窓を開けて、
「それじゃあ、おやすみなさい。」
晄史も睦美もお辞儀をして、
「おやすみなさい。」
耀司、後部座席からシートベルトを締めたままで、
麻沙美を自分の体に寄り添わせながら晄史と睦美に右手をかざして。
そんな高井戸に晄史も睦美もまたお辞儀を。
車は車道に。走り去る。
晄史、
「あ~~、はははははは。美味しかったし、楽しかった。」
睦美も、
「うんうんうん。」
いきなり晄史、
「姉さん…???」
睦美、晄史に、
「うん…???」
「高井戸さん、いい人だね。」
その声に睦美、ニコリと、
「うん。ふふふふ。」
晄史、
「とってもいい人だね。」
睦美、
「だ~~ねぇ~~。」
「日本に来て、初めてかも知れない。あんな風に、僕らを見てくれた人。姉さんには、会社や身近にあぁいう人、いる…???」
睦美、少し考えながらも、
「う~~~ん。…もしかしたら…、いないかも…。」
晄史、そんな姉の声に、
「そうかぁ~~。いないか~~。」
晄史も何かしら、考える風に、
「僕の会社にも、あぁいう感じの人、いないなぁ~~。…もしかしたら、二人目…かな~~。」
その声に睦美、晄史を見て、
「二人目…???」
晄史、顔をコクリと。
「うん。二人目。」
「…って…???…あと、ひとりは…???」
「眞鍋の、お義父さん。」
瞬間、睦美、頷きながら、
「あぁ~~~。…うんうんうん。確かに~~。…そぅかも~~。」
晄史、
「いい人だよ、高井戸さん。」
そんな晄史の声に睦美、思わず可笑しくなり、
「何よ~~。」
晄史、姉に僅かに頭を落として、
「うん…???…いや。いい人だね~~って。」
睦美、可笑しがりながら、
「うんうん。はいはい。いい人です。」
するといきなり晄史、
「でしょ、でしょ。」
睦美、
「だから、何よ~~~。」
「う~~ん~~~???…いい出会いじゃ、ないかな~~って。…思ってさ。」
瞬間、睦美、晄史を見て、
「えへ…???」
晄史、チラリと姉を見て、
「姉さん、今、ひとりだしさ。…あれから…。」
睦美、思わず眉間に皺を寄せて、顔を僅かに傾げて、
「はっ…???」
晄史、
「姉さん、今、ひとりでしょって。」
「いやいやいや。ひとりでしょって。まま。うん。私は、ひとりですよ。」
「だから~~。」
晄史。チラリと姉を見て、
「高井戸さん、いい人だねぇ~~って。」
睦美、再び、
「えへ…???」
晄史を見て。そして、
「何、それ…???…どういう意味よ。」
「うん…???…ふん。いや。…単純に、高井戸さん、いい人だね~~って。」
「いやいや。…だから~~。」
「…パク・ソンウ。阪部洵(さかべじゅん)は、もぅ…いないんだよって。」
その声を聞いた瞬間に睦美、ドキン。
僅かに沈黙。
睦美、晄史に、
「それって…。どういう意味…???」
少し、声を荒げて。
晄史、
「怒った…???」
睦美、少し不貞腐れた顔で、
「…いや。…怒りはしないけど…。…でも。」
晄史、再び、
「パク・ソンウ。阪部洵は、もぅいない。この世にいない。姉さんは、リセットするしかない。」
睦美、
「……。」
ほんの数分、ふたり、共に黙ったままで…。
駅に向かっている。
晄史、
「なんか、凄い確率での出会いって感じ。ジャズフェスの…。あの日から…。…でぇ~~。高井戸さんの亡くなった奥さん。」
睦美、
「……。」
「看護婦さん。…これって…???」
睦美、晄史をチラリと。そして、小さな声で、
「何よ。」
「阪部さん。ソンウのいた病院も確か。」
睦美、晄史に、
「何が言いたいの。」
語気を荒げて。
瞬間、晄史、
「あ。やっぱり怒ってる。」
汐梨、運転しながら、
「それにしても、素敵な姉弟。」
その声に後部座席で耀司、
「うん…???」

ママでいい…。 vol,072. 「高井戸さん、いい人だね。」
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