「…みんな、口々に、マエストロって。」 | THMIS mama “お洒落の小部屋”

ドキドキ 崇江、目をパチクリとさせて、
「いや。そりゃそうでしょ。私だって、この学校に入って来て、待ってましたの吹奏楽部に入って、その初日に、先生の指揮で演奏…、しかも、ベートーヴェンの運命。いきなり感動ものでしたから。高校生で。ここまで出来る…???って。それに、先生、どんな楽器も熟すから、嘘って。…みんな、口々に、マエストロって。」

兼高、照れるように、
「かかかかか。そ~~んな~~~。私がマエストロ~~~。」
何とも困ったように。そして兼高、
「ん~~~。音楽が好きで好きで。けど、それだけでは足りなくって~~。そんな好きな音楽を多くの人にも伝えたいって、そればっかりなんだけどね~~。」

崇江、ニコニコしながら、
「はははは。でも、そんな先生がみんな、好きなんです。とにかくみんな、あぁだのぅだのって言いながら、しっかりと仕上がってますから。指揮している私の方が楽しくなってきますから。みんな、乗ってますから。」

その声に兼高、ニコニコとしながら、
「うんうん。それは私が一番感じてる。一緒に楽しもうって。」

崇江もニッコリと、
「はい。」





レコード会社ダイナムズ、休憩コーナー。
スタッフの牧里竜輝(まきさとりゅうき)と何やら話をしている晄史。

近くの掲示板にひとりの女性が…。

その女性を見ながら晄史、
「へぇ~~。今回は博楼高校の定期演奏会。」

女性、ポスターを貼りながら、
「えぇ。…何かしら、高校の定期演奏会、目白押しですよね~~。でも、この高校は一押。」

その声に晄史、
「へぇ~~~。有名なんですか、その高校、吹奏楽で…。」

「有名というか、名門。と、言っていいくらいのレベル。音大の指定推薦校でもありますから。」

晄史も牧里もビックリして、
「えっ…???…う、う、うそ。」

女性、ポスターを貼りながら、
「嘘ではありません。列記とした事実です。」

晄史、
「へぇ~~。凄いや。…あ。…でも…、レコード会社で高校の定期演奏会のポスターって…。」

その声に女性、
「ははは。仕方ありませんよ~~。広報課長の娘さん、博楼高校の吹奏楽部の部員ですから~~。でぇ~~。1部の高校を贔屓してる~~って、言うのがダメらしくって~~。んじゃ。可能な限り、都内の高校の定期演奏会のポスター、貼っちゃえってなったんです~~。」

間髪入れずに晄史、
「うそ~~~~。そんな事したら、都内の高校、何校、あるんですか。」

女性、顔を傾げて、
「ふん。423校って、言ってたかな…???」

晄史と牧里、コーヒーを飲みながら、
「ぶっ。」

晄史、目を真ん丸にして、
「うそ。その423校の吹奏楽部の定期演奏会、全部…???」

キャッチボールみたいに女性、
「ん~~な訳ない~~。…中には吹奏楽部がかなり弱小ってとこもあるみたいだし~~。それに~~。レコード会社にポスター貼って~~。お客さんが余りにも多かったら、生徒たち、緊張でもぅ~~。…それに~~。高校だって、いろいろな事情があるらしくって~~。…だからって…。一応、こっちから高校にアプローチして~~。もしよければ~~って、話を。…けど、逆に断ってくる高校もあるんですって。」

晄史、
「へぇ~~~。」

「…でぇ~~。」
女性。
「結局、高校からお願いしますってきたのが~~。50校。」

牧里、
「うそ。」

晄史、
「たった…???」

「うん。」
女性、顔をコクリと。
「…で、その50校からシャッフル。まぁ、抽選で。見事、今回が~~博楼高校に決定~~。…と、言うか~~。実際は~~。ポスターがウチに届いた時点で~~。貼る事になっちゃうんだけどね~~。当然だけど、ポスターが届かなきゃ~~。貼りませんから。幾ら、抽選とは言え。こちらからポスターの催促は致しません。」

晄史、
「へぇ~~~。なるほど。…まま。確かに。貼ってもらいたいなら、届けてください。…だよね~~。」

「その通り~~。…しかも…、ウチは、協賛は、してませんから~~。ポスターにダイナムズの名前は載せてませんから~~。」

晄史、貼られたポスターを見て、
「あ、ほんとだ。」

牧里、
「…って言うか、後援の字も協賛の字も。単にチケットの申し込み方法ばっか。」

女性、
「ここの演奏はピカ一です。大学どころか音楽関係、ウチみたいなレコード会社、それにレーベルにも人気があるって噂ですから。聞き逃せませんって話です。」

晄史と牧里。ふたり、顔を見合わせて、
「わお。」
そして、早速ポスターのQRコードを。

晄史、
「おし。」

女性、ふたりに、
「毎度です。」
お辞儀を。




晄史、廊下を歩きながら、
「ふふ~~ん。聞き逃せませんってね~~。うんうんうん。…あ。…でも、高井戸さん、ジャズの方だから、高校の吹奏楽って…。」
顔を傾げて、
「ふん。」

そんな晄史を見て、
「ジュノ…???…何か言った…???」

晄史、牧里を見て、
「あ、いや。はははは。独り言~~。ふふふふ。」








ママでいい…。   vol,049.   「…みんな、口々に、マエストロって。」

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