にこやかに敬嗣、
「分かりました。まずは、柿崎さん。冴島さん。あなたたち、ふたりから榎本さんにはお話、お願いします。今回の話。伊玖伊那の方向なら、僕と城戸は手を引くと。城戸には私から説明させていただきます。…そういう事なら、致し方ない。…と、彼も同じ考えだと思います。同じ会社を立ち上げた投資仲間のひとりですから。」
優維香、悠里、顔を合わせてホッとした表情で。
敬嗣、
「ま、ある意味、脅迫まがいみたいにもなってしまうんですが、伊玖伊那では、今後の展開は望めそうもありません。自信を持って、柿崎さん、冴島さん。榎本さんに、お伝え願います。」
優維香、悠里、ふたり同時に、顔をコクリと、
「はい。」
「その後に。」
敬嗣、
「私に連絡頂ければ、私からも榎本さんには話をさせていただきます。」
そして敬嗣、
「必ずや、成長株となる。そう自信を持って臨めるネイルサロンですから。しかも、今後のジョエルの貢献に関わる事になります。そして。お約束致します。私も、今のジョエル、かなり楽しみにさせて頂いている企業ですから。」
ニッコリと。
悠里、そんな敬嗣を見て優維香に手を。そして握りながら笑顔で。
優維香も、悠里の手を握りながら、
「うんうんうんうん。」
敬嗣、スマホを耳に、
「麗子おばさん、彼ら、帰ったよ。」
麗子、椅子に座ったままで、
「う~~ん。ありがとうね~~。…で…???」
「まっ。何とかなるでしょ。こっちにしか、分はないもん。」
麗子、
「はは。そっか~~。敬嗣、ありがとうね~~。」
「…で…???…例の…、賀寿恵さんと小埜瀬さん、どうなったのよ。」
麗子、その声に、
「さ~~てね~~。賀寿恵は賀寿恵で、今はのほほんとしてるけど…。隆英にはいい人がいるって…、振られたみたいだけど…。」
「えっ…???…そうなの…???…って事は…、小埜瀬さん、他に誰か…。」
「まっ。多分…、トラディショナル事業部の~~。ははは。予想は…つくけど。」
敬嗣、麗子の声に、
「トラディショナル事業部の…。ふ~~ん。麗子おばさんの…、その…、予想は…つくけど…かぁ~~。…じゃあ~~。…もしかして…。あの人…かな…???」
すぐさま麗子、
「はは。敬嗣の想像に任せるわ。」
「いや。だってさぁ~~。まっ。賀寿恵さん、僕は実際に会った事はないけど、おばさんに写真見せられて。」
スマホから麗子の声、
「うんうんうん。」
「何とも、奇麗な人じゃない~~。あんな奇麗な人を…。振るってかぁ~~。」
「まぁね~~。」
麗子。
「これだけは…、どうしようもないんだけど…。かかかかか。とにかく賀寿恵、全く男っ毛、ないからね~~。まず浮いた話なんてさ~~っぱり~~。」
「…って言うか、それはおばさんのせいじゃない…???」
麗子、いきなり不貞腐れたような声で、
「どうしてよ~~。」
「簡単な事でしょ。おばさん、賀寿恵さんを放さないから。」
その声に麗子、
「あっ!!!…確かに。かかかかかかか。確かに、それはあるかも~~。」
「でしょう~~~???」
敬嗣。
「…んなの、男っ気がない。男っ気がないって分かっていながら~~。いっつも自分の傍に置いちゃってたら、それこそ、誰も世の男性なんか、寄り付かないって~~。…まっ。土台、男っ気がないなら。」
そこまで言って敬嗣。
「…って言うか、賀寿恵さん。そんなに…男性との…。」
間髪入れずに、
「全くないね。…と、言うか、私の知るところ、朝から晩まで、会社に行って、帰って来て。その繰り返し。…まぁ…。あの子の仕事自体が…。他の人と、関わる事でもないから。…それに…、会社で自分の部屋を持っているからねぇ~~。」
「まるで、籠の鳥じゃないよ、それじゃ~~。」
「私にどうしろって言うのよ~~。そんな、あぁだのこぅだの言われてもさぁ~~。私の大事な存在のひとりでもあるんだからね~~。」
「はいはいはいはい。分かりました~~。…と、まぁ~~。そっちの話はまま。何とかなればね~~。…で、ネイルサロンの方は、話は、進むかと。3人には、言っておいたから。」
「サンキュ~~。恩に着る。みんなによろしくね~~。お兄ちゃんに、またご飯食べよ~~って~~。」
「はい了解。…と。」
敬嗣、
「おっと~~~。」
ビジョンを見ながら、
「来ましたね~~。うひょ~~。じゃね。切るよ。」
「あいよ。」
車の中で悠里、
「な~~んともね~~。とにかく、凄い繋がり。榊神埜進。何…???…日本経済団体連合会…???…で、その…。え…と。何だっけ。」
小埜瀬、
「専務理事…ですよね~~。」
「けど…。」
優維香、
「社長も社長で、凄いよ。横井土さん。…って、言うか、横井土先生。」
運転しながらの小埜瀬、
「えぇ。…確かに。一度だけ、お会いした事はあるんですが…。そのたった一度だけで…。経済産業省、製造産業局、局長です。ま。社長の家には、毎日、いろんな人、来てましたから。」

好きになれない。 vol,306. 「麗子おばさん、彼ら、帰ったよ。」
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
《PR》
庄司紗千ハッピーストライド
※ご本人の承認の下、紹介させて頂いております。
