敬嗣、「まま。どうぞ。…と、言っても、椅子が2つしかない…。」 | THMIS mama “お洒落の小部屋”

ドキドキ  「あ~~。はいはい。敬嗣さんからお話。どうぞ、どうぞ。」
絢美、3人を玄関から招いて。

悠里、靴を揃えて。

優維香、女性に、
「あのぉ~~。七瀬麗子社長から…。」

その声に絢美、
「はいはい。存じております。」

小埜瀬、優維香と悠里の後ろから、
「お邪魔します。」




そして…。2階の部屋に…。

ノックして、
「敬嗣さん。」

すると、部屋の中から、
「どうぞ。」

ドアを開けて…。

…すると…。10畳はあるだろうか。その半分がパソコン数台で占められている。
データーからデジタル数字から…。

優維香と悠里、いきなり目を見開いて、
「凄~~~~~。」

絢美、
「インテリアショップ、ジョエルの皆様。」

敬嗣、椅子を回して立ち上がり、
「ようこそ。おばさんの。はい。ども。」

絢美、一礼して、
「それでは私は…。」

敬嗣、
「うん。ありがとうね。」

絢美、振り返って、ドアの外に。そして、ドアが閉まる。

敬嗣、
「今の人。」
3人に。
「柿崎さんって、どちら…???」

いきなり優維香、ドキンとして、
「あ、あ。あ、はい。私です。」

敬嗣、ニッコリと。
「あ、そう。うん。初めまして。横井土敬嗣と言います。今の人、ウチの家政婦さん。柿崎佐津香さんと大学同期。」

いきなり3人、
「う~~~っそっ。」

敬嗣、
「はは。ほんと。…で、佐津香さんから麗子おばさんを通してここに。」

3人、今度は、
「へぇ~~~~。」
頷きながら。

優維香、
「へぇ~~。おかあさんの大学同期。何とも。」

敬嗣、
「まま。どうぞ。…と、言っても、椅子が2つしかない…ん、だよね。」

小埜瀬、
「あ、私は、どうぞ、お構いなく。」
優維香と悠里に椅子を勧める。

敬嗣、
「もしかして…。道玄坂ネイルハウス・YLK(ワイエルケー)の事。」

いきなりの本題に、優維香も悠里も、
「え。え~~~。」

敬嗣、椅子に座って、
「そっか~~~。うん。あそこは凄い、開店したら、たちまちだね。今でさえ、ネットで予約が…。まだまだ開店が3か月以上ってのに。…でも、凄いよ。さすがに、計算されてる。事業計画も完璧。そして、それが可能だから尚更。ただ…。」

優維香、悠里、
「ただ…。」

「榎本樹美さんっているでしょう。」

その声に優維香と悠里。
「え、え~~。はい。」

敬嗣、
「あの人が、あの3人の中ではとにかく別格。確かに、ネイルの事は資格もあるから開業は簡単。それに、心理カウンセラーや経済の事についても専門家みたい。…なんだけど~~。とにかく、銀行を嫌ってるんだ。」

優維香、
「銀行を…。」
悠里を見て。

悠里も、
「嫌ってる…???」

敬嗣、
「まま。ネイルサロンだけなら、物件もあるんだし。リフォームすれば500万弱で何とかなる。…と、思うけど…。彼女たちの計画は、ネイルサロンを超えている。女性に人気の美容。そして何より心理面で。カウンセラーに関してまで熟知している3人だから、それなりの資金が必要となる。設備やら何やらで凡そ、2000万は超える。」

優維香、悠里、
「2000万。」
「超える。」

「ただ。肝心の、知名度がない。つまりは、与信がないんだ。だからこそ、中々銀行も渋ってるって話は聞く。…でも、そんなの、やってみなきゃあ分からない。ただ、榎本さんだけは、子どもの頃に、両親が経営していたラーメン屋さん。ちょっとした迷惑なお客のせいで誹謗中傷に遭って、そのまま店は経営破綻。長年取引していた銀行からの融資も、その影響でいきなり白紙状態になりパァ。融資は頓挫。」

小埜瀬、座ったままで腕組みを。
「ん~~。」

優維香と悠里、同時に、
「えっ…???…どうして…???…悪いのはその誹謗中傷のお客の…。」

真剣な眼差しで敬嗣、
「うん。その通り。…けど、何度もおとうさんが銀行に頭を下げたらしいけど、新しく入れ替わった支店長からNOを突き付けられて…。借金が500万以上と膨れていたらしい。返す方法もなく、そのまま両親は自殺。」

優維香、悠里、
「え~~ぇえ~~???」
「それって、酷くない…???…あっ。それで。」

敬嗣、コクリと。
「銀行嫌い。」
一拍置いて、
「まぁ…。その支店長、とにかく回収目的の融資が目標、当然の事ながら伸びない物件の事は眼中にない。…と、言う、考えの人だったらしい。」

小埜瀬、話を聞きながらに腕組みをしたままで、
「ふ~~~ん。」

優維香、
「酷~~~い。じゃあ~~。何の為の銀行よ~~。そういうお店、助けてこその銀行でしょう~~???」

悠里も、頷きながら、
「うんうんうん。」

敬嗣、続ける。
「…でぇ~~、彼女、榎本さん。まぁ…。そういう体験…。…と、言うか、子供の頃と言っても、小学校の頃だからね~~。そのショックは相当なもの。」

優維香、悠里、頷きながら、
「うんうんうん。」
「確かに。分かる、分かる。私だったら、立ち直れない。」






好きになれない。   vol,302.    敬嗣、「まま。どうぞ。…と、言っても、椅子が2つしかない…。」

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
 

 


《PR》
庄司紗千 きっと大丈夫

※ご本人の承認の下、紹介させて戴いております。

アメーバ