佐津香、
「だ~~って、この人、私の言う事なら何でも聞くし~~。」
菜帆子、
「まっ。その辺は…。愛する妻になる人ですから。」
小埜瀬、背筋を伸ばして、
「いやいやいや。…って言うか、僕に佐津香さんみたいな人…、僕の方からすればもぅ~~、とにかく、とんでもない人ですから。」
愛結美、ニコニコと、
「はいはい。分かってます。」
佐津香、
「…で、ラスカで、完璧、丸投げ。ねっ。」
小埜瀬、クシャリとした顔をして顔を下に、
「あ、いや…。まぁ~~。」
「…で。…結局は優維香も…。私の事だから、私が決めたんなら、それで決め通す母親だと思ってるから~~。」
菜帆子、頷きながら、
「あ~~~ん、なるほど。…そういう事ね~~。…で、優維香ちゃん、それでビックリして~~。自分も自分で…。…って言うか~~。」
菜帆子、合点したように、
「あ。」
いきなりフィンガースナップ。
「そういえば、優維香ちゃん、フランスのコンペで、課長が一緒に働いている、その、リーダーさんの父親って事、初めて知った~~。…で、その人が佐津香さんの結婚相手って。」
愛結美も、
「はいはいはい。」
順平、
「あ、そっか~~。」
菜帆子、
「そりゃ、優維香ちゃんも驚くわ~~。しかも…、前触れなしで…。予期せぬ出来事って、優維香ちゃん、なるわ~~。」
愛結美、
「…と、なれば~~。優維香ちゃん、課長の息子が今、自分の付き合っている人が、おかあさんと結婚する人って思えば…。」
愛結美、目を真ん丸に、
「そりゃあ~~女心に、ひとりで悩んで、どうするよ~~。…に、なっちゃうよね~~。」
そして愛結美、順平を見て、
「順平、女心~~。」
その声に順平、
「あ~~。はいはいはいい。承知しております。」
菜帆子、
「…ってか、順平はいつ頃よ、結婚予定~~。」
順平、
「へっ…???…俺っすか…???」
いきなり照れながらも、
「いや…。え~~っと~~。」
愛結美、
「佐津香さんと課長は。」
順平、
「あ~~。はいはい。分かってます~~。3か月後。と…、言う事で。はい。」
「どっちみち。」
佐津香。
「お互いに、この歳だから、そんな…、ズルズルと…。やる事は、やっちゃえって。」
僅かな沈黙。
いきなり小埜瀬、
「いや。…申し訳ない。今日、倅に電話しますわ。…って言うか、お互いの今住んでいる家すら…。」
菜帆子、
「あ~~。うんうんうん。課長の住まい~~。それに…、シェアハウス。」
小埜瀬、コクリと。
「えぇ~~~。…まっ。お互いに、仕事、忙しい訳ですけど…。」
4人を見て、
「同じ東京にいる訳ですから。」
愛結美、真剣な顔で、
「当然です。」
麗子にスケジュールの報告をして賀寿恵。
麗子、賀寿恵に、
「賀寿恵、あんた、大丈夫なの…???」
その声に振り返るように賀寿恵。目をパチクリと。麗子に、
「えっ…???」
麗子、
「えっ…???…って、隆英の事に決まってるでしょう~~。」
その声に賀寿恵、
「あ、あ、あ~~~。はい。」
すると賀寿恵、ニッコリと。
「はい。大丈夫です。心配ございません。」
平然と。
そんな賀寿恵に麗子、思わず予想外に、
「あら、そぅ…。」
目をパチクリと。
「ふんふんふん。そっ。」
賀寿恵、麗子に一礼をして、
「ご心配。お掛けしました。」
あの日…。賀寿恵から誘っての隆英との食事。
けれども…。結局は賀寿恵、隆英に振られて、内心、完璧に落ち込んでいたのだった。
笑顔で隆英と駅で別れたのでは、あったのだが…。
駅のホームでは、ベンチに座って、腰を曲げて…。
顔を両手で。閉じた目からは次から次へと涙が…。
その前を何本か電車は通過…、していた。
帰宅した賀寿恵。麗子には隆英には別に好きな人がいる。
「私…、振られちゃいました。」
瞬間、麗子、賀寿恵を見て、
「へっ…???…うそ…。そんな…。」
そんな賀寿恵。…けれども麗子に笑顔で、
「大~~ぃ丈夫ですぅ~~。こう見えて空手で鍛えていますから。マインドもね。」
そう言いながら部屋に。
そして麗子に、
「先にシャワーいただきます。」
麗子、賀寿恵に、
「あ、うんうんうん。どうぞ~~。」
そして、賀寿恵。シャワーを浴びながら……。涙。
ただ、麗子の目の前では、果敢に振舞ってはいたが。
賀寿恵に、隆英には、トラディショナル事業部の柿崎優維香と言う女性がいる。
割って入ろうとは出来ない。ましてや男性と付き合った事のない自分なら尚更。
それから数日、麗子は賀寿恵の自分への振舞に、自分が賀寿恵にした事に、
申し訳ないとも感じ、そういう意味でも接していたのだった。
ところが…、数日後、賀寿恵のスマホに、
ある男性から隆英から紹介されて電話してみました。と言う人物からの電話。
いきなりの電話で賀寿恵、思わず焦ったのだった…。
「えっ…???…あの…。私…。」

好きになれない。 vol,296. 「だ~~って、この人、私の言う事なら何でも聞くし~~。」
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庄司紗千 「雫音〜shizukune〜」
※ご本人の承認の下、紹介させて戴いております。
