会社でも、特に…。菜帆子も順平も愛結美にしても暗黙の了解。
一切、佐津香と小埜瀬が付き合っているという雰囲気は、
他のメンバーには気づかれずに…。いつも通りに。
ただ…、そういう事にはある意味、鈍感とも思うばかりの小埜瀬。
会社内では吉竹同様に全く佐津香には頭が上がらず。
…とは言え、仕事に関しては小埜瀬、あくまでも頑固。
けれどもメンバーに対しての情は厚い。
時には、仕事に関して、佐津香との対立も、ある事は、あるのだが…。
それは、それで、お互いのアイコンタクトで難なく。
逆に佐津香からのラインで、
「ありがとう、あれでいいよ。」
「面目ない。」
「バカ。謝ってばかり。でも。うん。OK。そばにいる。」
「了解。」
そして…。メンバーたちの会食でも…。
時折、小埜瀬を気にしながらの菜帆子に愛結美、そして順平。
こういう時は佐津香、まず動かない。
但し、大概は吉竹、圭衣子と励を連れてまた別の店に。
そして、やはり…。最後には小埜瀬。まるで疲れ果てるように…。
ただ…。確かに、その後は、タクシーの中で、また、あの…、
「さつか…さんと…。んふ…、おなじ、におい。」
そして佐津香、小埜瀬の傍で、
「はいはい。私はここにいます。」
前回同様に、助手席には菜帆子、そして後部座席に佐津香、小埜瀬、順平。
菜帆子、顔を後ろに、
「なんか、奥様と旦那様って感じだね~~。」
そんな菜帆子に佐津香、顔をムニュっとさせて、そして、
「べぇ~~~。」
順平はただクスクスと。
それから凡そ1週間後には…。フランスへと…。
そんなフランスでもコンペの準備は日々。
そこでも夕食ともなれば…。けれども、こと、フランスでは、見事に小埜瀬は菜帆子や愛結美、
そして順平に伴われて部屋に。その後、その度に佐津香にラインで…。
最後には佐津香が小埜瀬と順平の部屋に。そしてその日の小埜瀬の顔を見届けるのである。
ただ、この事に関しては佐津香自身、理江子には予め。
理江子、佐津香からその話を聞いて、思わず目を真ん丸に、そして口に両手を、
「え―――――――っ。や~~っぱり~~???」
気付いては…、いたのだった。
けれども…。
「まっ。多分…、佐津香さんの事だからって…。」
そんな理江子に佐津香、
「さすがは、舞桜の側近。勘が鋭い。」
「…って言うか~~。とにかく、真っ先に佐津香さん、動いてたからね~~。」
そんな理江子に佐津香、思わず、変顔。
「あはははは。うんうん。確かに。」
「あっ。…でも…。」
理江子。
「私の予感が的中って事は…。社長だったら…。」
その声に佐津香、口をへの字にしながら、
「まっ。あの人の事だから、もしかしたら…。とは思うけど…。でも、舞桜は別に、そういうのって…。ご自由にってタイプの人だから、一切の話はなしよ。切り返してもこないはず。」
そして…。
フランスでの最後のディナーも、いよいよ…。最後の最後。
小埜瀬、ワインをまた一口。その時、佐津香が小埜瀬の前の料理を皿に。
小埜瀬の右手が佐津香の左二の腕に。
佐津香、すぐさま、
「うん…???」
そして、
「おっと。」
動きが早かった。
丁度、菜帆子もワインを一口のところ、いきなり、
「う~~ん。」
素早く小埜瀬の左肘に右腕を。
佐津香、自分の体を小埜瀬の前に。
僅かに前のめりになった小埜瀬、目を閉じたままで佐津香の背中に…。
佐津香、左斜め後ろを。
「課長~~。大丈夫ですか~~???」
その声に菜帆子も、
「はいはい。しっかり~~。」
順平、ゆっくりと菜帆子の後ろから周り、
「ド緊張でしたからね~~。」
圭衣子に励、小埜瀬を見て、
「へっ…???課長…???」
吉竹、そんな光景を見て、
「おぃおぃ。大丈夫かぁ~~???」
そんな吉竹を佐津香、右手を出して、
「大丈夫。」
既に佐津香と菜帆子、そして順平一緒に。
吉竹、
「まぁ。それなら、良いんだけど…。」
圭衣子と励、そんな吉竹に、
「部長~~~。」
ムスッとした顔で…。
けれども吉竹、
「佐津香さんたちに任せたらいい。逆に俺が行ったら、佐津香さんに怒られるだけだ。あんたはいいってね。」
そんな吉竹に圭衣子も励も、キョトンとして、
「え…???…うそ。」
「まっ。あのメンバーなら、逆に息も合ってるから。」
その一言で圭衣子も励も変に納得。
「まっ。」
「確かに。」
取締役たちも、
「おやおや、小埜瀬課長~~。」
佐津香、そんな取締役たちに、
「えぇ。かなり、疲れてますから。あんな大舞台で…。」
取締役たち、笑顔で、
「確かに。」
「分かるよ。」
理江子、佐津香の視線に頷いて。
舞桜、海外の同業者たちと寿永流の通訳で笑顔を。その時、佐津香たちを見て、
「???」
けれども、また笑顔で、
「ふふふ。」
寿永流も笑顔で、
「小埜瀬課長、かなり疲れましたね。」
舞桜、そんな寿永流に、
「佐津香たちに任せましょう。」

好きになれない。 vol,249. 暗黙の了解。
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