愛結美、道路に突っ立ったまんま。 | THMIS mama “お洒落の小部屋”

ドキドキ 愛結美、目をパチクリと。
「何…???え~~~???…どうなってんの~~。」
道路に突っ立ったまんまで、左肘はコンビニ袋。そして左手でスマホを耳に。
そして右手は自分のお凸に。鼓動が高鳴っている。

スマホから聞こえてくる愛結美の声に、静まり返る小埜瀬と佐津香、そして順平と菜帆子。

愛結美の声、
「えっ…???…え…。一体…、どうなっちゃってんの~~???…って、課長~~???」

その声に佐津香はまだ両手を顔に。
順平は菜帆子を見て、菜帆子は小埜瀬に目を見開いて口を真一文字に、顔を傾げて。

小埜瀬、スマホに向かって、
「え、え~~。小埜瀬です。…あ。え…と~~。愛結美さん…???」

愛結美、鼓動は高鳴ったままで、背中には僅かに冷や汗が…。そして、
「あ、あ、はい。」

小埜瀬、
「あ、あの…。…何か…。…何かしら…、ご心配…、掛けたようで…。」
スマホの前で、右手で頭を掻いて、ペコリと頭を下げる小埜瀬。

菜帆子、
「ぷっ。」

「いやいやいやいや。え~~~???…課長~~。…えっ…???…何…???…いつ…、目が…???」

小埜瀬、その声に目の前の3人の顔を見て…。
今度は佐津香、両手で口と鼻を塞ぐように…。

小埜瀬、3人の顔を見ながらも、
「…えっ…と~~。今、さっき。…え…。と~~。…数分前って…。」

菜帆子、頭を2回コクリと。

「そんな…、感じで…。…って、言うか…。」

「あのね、愛結美さん。」
菜帆子。

「あ、菜帆子…???」
愛結美の声。

菜帆子、
「うん。私。あのね。今、この会話、課長はもちろんだけど、佐津香さんも順平も聞いてる。」

スマホからの声、
「聞いてるって…。あ、つまりは、スピーカー…???」

「あ、うん。」
「…って言うか、まだ課長の家。」

「そう。…とにかく、愛結美さんに知らせなきゃって思って。」

「あ、うんうんうん。」
そして愛結美、
「佐津香さん。順平~~。」

佐津香、
「は~~い。」

順平も、
「はい。」

スマホから、
「お疲れ様でした。」
愛結美、スマホを持ちながらもペコリと軽く頭を。

佐津香、順平、
「は~~い。」

「…って言うかさ、課長…、起きたって…。…目を覚ましたって…。」
また歩きながら愛結美。

黙ったままの佐津香、菜帆子と小埜瀬を交互に見ている。そして、チラチラと順平を…。
順平も同じく菜帆子と小埜瀬を見ながら口を噤んで…。

菜帆子、スマホに、
「うん。私たち、課長を寝室まで運んでたの。」

「うんうん。」

「そしたら、課長が珍しく、寝言…???」
チラリと小埜瀬を見る菜帆子。
「本人は、夢を見ていたって…。」

スマホから愛結美の声、
「夢…???」

菜帆子、
「うん。…でぇ~~。」

佐津香、その菜帆子の声に、今度は目を瞑って。

そんな佐津香を見て順平。何とも困ったような優しい顔。小さな声で、
「佐津香さん…。」

小埜瀬は下唇をビロンと。

スピーカーから、
「うん。何…???」

「その…寝言が~~~。」
「うんうんうん。」

今度は佐津香、両手を顔に何度も当てるように。顔一面に。
そんな佐津香を見て順平、顔をクシャリとさせて…。

「課長が~~。」
その瞬間、菜帆子、目をキョロキョロとさせて、
「何て言ったかな…???」
僅か2秒。
「あ、そうだ。…りほ。」

スピーカーから、
「りほ。」

いきなり小埜瀬、
「私の亡くなった妻の名前です。梨穂子って言うんです。」

菜帆子、
「うん。」

愛結美の声、
「りほこさん。」

玄関のドアを開けての愛結美。
「ただいま~~。」

菜帆子、
「あ、愛結美さん、帰った…???」

「あ、うん、今、着いた。」

順平、
「愛結美さんの家…???」

菜帆子、順平に頭をコクリと。

愛結美、
「…で…???」

「いきなり課長がそんな事言うからびっくりして。そしたら、今度は佐津香さんのねって。」

その声に愛結美、
「うそっ。えっ…???」

「その声で私たちびっくりして、いきなりえっ!!!って。そしたら課長が目を覚まして。」
菜帆子。

愛結美、
「わお。」
そして、リビングに、
「ただいま~~っと。」

菜帆子、
「あ、愛結美さん…???」

「あ。今、リビング。」

佐津香も順平も、
「うん…???」

小埜瀬はまた顔をグシャリと。

愛結美、
「旦那は今、出張中~~。息子はもぅ、寝ちゃってる~~。当然、お父さんもお母さんも寝ちゃってる~~。」

菜帆子、
「あ、な~~る。」

小埜瀬、
「愛結美さんって…。」

菜帆子、小埜瀬に顔をコクリと。

佐津香、両手の平を合わせて唇に。
「愛結美さんの旦那さんのおとうさんとおかあさん。一人息子がいるの。今、小学5年生。」

小埜瀬、頷いて。順平も頷く。
「そうなんだ。」

愛結美、
「あん。…で、課長…、いきなり目が覚めた。」

菜帆子、
「うんうんうん。私たち、ビックリだよ~~。いきなり課長‐――――って。…それからはもぅ~~。なんだかんだ。」

いきなり愛結美、顔を傾げて、
「なんだかんだ…???…って、何…???」








好きになれない。   vol,229.   愛結美、道路に突っ立ったまんま。

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