順平と寿永流、ふたりで小埜瀬を両脇から…。
佐津香と菜帆子は道路に出てタクシーを…。
愛結美、理江子に、
「あん、もぅ~~。ここ2回は倒れてないから大丈夫って思ってたのに~~。」
理江子も、
「うんうん。確かに。」
寿永流、小埜瀬の腕を掴みながら順平に、
「順平さん、前も2回って…???」
順平、
「あ、えぇ。課長の歓迎会の時に。…それと…。」
顔を傾げて、思い出すように、
「確か…。…あ、うん。初めてのラスカでの食事の時。…ですね。」
「その時も…。こんな風に…???」
順平、コクリと。
寿永流、
「…でも、小埜瀬課長、そんな…。飲んでませんよね。…むしろ、話す事ばかりで、僕たちよりも少ない…。」
順平も小埜瀬の腕を握りながら、
「えぇ。飲んでません。…なんですけど…。結局…。」
ようやく、タクシーが反対路線から、交差点を曲がって道路に出ているふたりの女性の前で。
後部席のドアが開く。
ゆっくりと順平と寿永流。完璧に自然体の小埜瀬。全く目を開かない。
寿永流、
「それにしても…。何故目を覚まさない…???」
菜帆子、タクシーのドアに、
「順平。」
佐津香、小埜瀬の背中に回り、手を添えるように。
順平、
「あ、僕、向こうのドア。」
佐津香、
「うん。お願い。」
寿永流、小埜瀬の左側で、佐津香、
「ちょっと待ってね。体を…。」
運転手、見兼ねて、
「お客さん、手伝いましょうか…???」
佐津香、その声に、
「あ。ははは。…大丈夫です。えぇ。ありがとうございます。」
小埜瀬の尻をシートに。
順平、
「OKすよ。こっちに…。」
両脇から順平、両腕を差し込んで小埜瀬を引く。
寿永流が小埜瀬の両大腿を抱き抱えるように、
「1、2、3。」
順平、後部席で、
「ふぅ~~~。」
そしてシートに収まり、小埜瀬の右側で。
小埜瀬、眠っている顔をそのまま順平の左肩に。
ゆっくりと寿永流、タクシーの外に。そして佐津香に、
「さすがに、重いっすね。」
佐津香、寿永流に深々とお辞儀をして、
「どうもありがとうございました。」
そしてすぐさまタクシーに乗り込む。
菜帆子、
「おっと。」
前のドアの窓をトントンと。ドアが開く。菜帆子が助手席に乗り込む。
佐津香、愛結美、
「愛結美~~。ごめん、私たち、また…。」
愛結美、ニッコリと、
「うん。OK、お願い。」
理江子も、
「お願いします。」
ペコリと。
佐津香、運転手に、
「すみません。芝公園の…、…………、お願いします。」
運転手、
「分かりました。」
順平、
「ふぅ~~~。」
菜帆子、後ろに顔を。
「何とかね~~。」
佐津香、小埜瀬を見て、
「まさか…。また…とは。」
順平、
「前回と、前々回は何ともなかったんすけどね。」
菜帆子も、
「うんうんうん。今日に限ってまた…。」
小埜瀬、今度はタクシーが動いたからか、顔を前にダラリと。
佐津香、
「どうして…、いつも…、こんな風に…。…それほど、飲んでもいないのに。今日だって、初顔の励にあんなに話てあげてたような。」
順平、
「うんうんうん。励も懸命に聞いていたような。」
菜帆子、
「だったよね~~。」
佐津香、口を窄めて、
「飲んでたって言うか、話してた。隣の吉竹の方がよっぽど飲んでたような。」
菜帆子、
「確かに。」
「りほ~~~。」
瞬間、順平と佐津香、
「えっ…???」
佐津香、
「今…、何か言った。」
すると、
「さつかさん…、おなじだ。」
いきなり3人、ビクン。
順平、目を見開いて、
「今の…???」
佐津香、
「!!!」
菜帆子、後ろに体を斜めに、
「今、確か…。さつかさん、おなじ…って。」
順平、
「うんうんうん。」
佐津香、小埜瀬を見つめて…。そして、
「一体…、何…???」
そして佐津香、小埜瀬の二の腕を、
「課長。課長~???」
撫でて、は、見るが、全く…。
「有り得ないでしょ、そんなに、飲んでもいないのに、いきなり倒れて、そして、眠ったように…。それよりも、眠ったままで、起きないなんて。」
順平、
「なんなんすかね。さつかさん、おなじって…。」
菜帆子、
「分かんないよ。……。…でも…。」
佐津香、腕組みして、
「ふん。とにかく。行こ。」
駅まで歩きながらの愛結美と理江子、そして寿永流。
理江子、愛結美に、
「匂い…???」
愛結美、
「あ、うん。課長、こっち来てから、全く環境が変わったせいか、特に、匂いに…拘っているって言うか、敏感になっているって言うか…。何の事やらさっぱりだったけど…。そんな風に言ってるの。」
理江子も寿永流も、
「匂い。」
顔を見せ合って。
理江子、愛結美に、
「もしかして…、香水の事…???…確かに、私たち…、香水は…。」
愛結美、
「あ、うん。まっ。でも…、化粧品の会社で、香水って…。」
理江子、その声に、
「あ、うんうんうん。」
タクシーが右折。その時、体が大きく左に揺れて、
真ん中の小埜瀬の体が、そのまま佐津香に凭れるように…。
小埜瀬の顔がそのまま佐津香の胸元に。けれども腕はダラリと。

好きになれない。 vol,221. 「ここ2回は倒れてないから大丈夫って思ってたのに~~。」
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