「社長のお蔭…???」 | THMIS mama “お洒落の小部屋”

ドキドキ 小埜瀬、そんな4人の声に照れるように、
「いえいえいえ。僕なんて…、名前をすぐに覚えられるのは麗子さんのお蔭です。」

その声に4人がそれぞれ、
「社長のお蔭…???」

小埜瀬、チョコンと顔を頷かせて、
「あ、はい。七瀬家に居候になった時に、麗子さん、僕にこういう事を教えてくれました。ある人が私にこう言ったの。仕事中に、とにかく、出会った人の名前をすぐに覚えるようにしてみなさい。例え、その人とは今後生涯、二度と会う事はない。と、思っても。」

4人はただそのまま聞いている。

小埜瀬、
「私はその方法でこれまでやってきたの。そうしたら、何故かは分からないけど、今は、この会社を立ち上げて、ここまでの会社に成長している。と…。」

優維香、悠里、そして瑛子に阿寿沙、4人共に目を真ん丸にして…。

小埜瀬、過去を懐かしむように、
「麗子さん、しあわせそうな顔で僕にそんな事を言ってくれました。それから私は、寝ても覚めても、一度会ったらその人の名前を忘れない、その練習をひたすらやった。別にそれが正しい。と、言う保証は何もないわよ。でも、変にその話を侮る事はなかった。…結果、今も同じように、会う人の顔と名前は完璧に覚える事が出来るようになった。ってねぇ。」

4人、その話を聞いて…。
「うんうんうん。凄いよ、そういうのって…。」
悠里。

瑛子、
「うん。私もそう思う。」

「私も~~。」
阿寿沙。
「でも…。」
顔を崩して傾げて、
「でも…、そんなに簡単には…。中々…。」

優維香も、
「私も同感。会った人の顔と名前でしょ…???…しかも、今後二度と会う事もないかも知れない人の顔と名前まで…。」

小埜瀬、4人のそれぞれの声を聞いて、ニコリと笑って、
「ですよね~~~。まずは…、不可能に近い。僕だって、全然。…信じられ…、ませんでした。そんなバカな…。到底無理だと。」

優維香、悠里、瑛子に阿寿沙、それぞれが頷く。
「うんうんうん。」

「でも…。」
小埜瀬、
「僕自身も、それほど気にはしてなかったんですけど、海外に出て、会う人の顔と名前、覚えるように気にし、始めたんです。…で、海外に出て、半年くらいだったかな。」

4人、同じように、口を窄ませて小埜瀬の話を聞いている。

「ある人から電話が掛かって来たんです。電話に出て、その名前に、その人と出会ったときの事、そして名前を憶えてて話をしたら、その人、感激してくれて仕事の依頼がいきなり凄い状態になって入ってきた。」

いきなり優維香、
「うそっ。」

悠里も、
「ほんと…???」

瑛子、
「え…???…えっ…???」

阿寿沙、
「仕事の依頼がいきなり凄い状態…って…。」

小埜瀬、阿寿沙に、
「仕事が半端なく入ってきて。つまりは、飯が食えるようになった。僕が、僕の仕事に自信を持てた瞬間でした。…で、その人と半年ぶりに再会して、その人も喜んでいました。物凄い反響だ、ありがとう。感謝されました。良く私の事を憶えてくれていた。と。」

悠里、
「凄~~~い。」

瑛子、顔をチョコンと傾げて戻して、
「へぇ~~~ぇ~~。」

阿寿沙も、
「そういう事って、あるんだ~~。」

優維香は顔を左右に何度も振りながら、
「ん~~~。」

小埜瀬、可笑しがりながら、
「変な話。結局のところ、僕もその方法を…、取っています。…と、言うか…、ごく自然に…。まっ。それもこれも、七瀬家に半端なくお世話になり、麗子さんから、こんな話を聞いて、軽くは受け止めてましたけど…、面白いから一度やってみようと…。」

悠里、ニコニコと、
「うんうんうん。」

瑛子、
「ありかも…。」

「…で…。」
小埜瀬、
「実に、やってみたら、出来た。単に、顔と名前を後でメモしてその日の内に日記として残すだけですけど…。たったそれだけです。…たった、それだけですけど…。…ですけど、それをやって、今の僕がここにいる。…訳です。」

瑛子、
「なんか…。特に別段、そんな…、難しい事をやっている訳じゃ、ない、はずなんだけど…。」
他の3人を見て…。

悠里、優維香、阿寿沙も頷く、
「うんうんうん。」

阿寿沙、
「敢えて…、やってみようとは…。まっ。確かに、人の名前を覚える。と、言うのは、難しい訳じゃ…、ないけど…。」

優維香、
「うんうんうん。…でも…。」
そして優維香、小埜瀬に、
「でも…。結局は、リーダー、その…。」
忘れたように舌をチロリと出して、
「その…、誰だっけ。産業省の…???」

小埜瀬、
「横井土さんです。横井土正嗣。」

「どういう…漢字…。」

小埜瀬、テーブルに右人差し指でなぞるように…。

4人が、
「ふんふんふん。横に、井戸の井。そして…、土。に~~。正しい…。そして…。嗣。」
それぞれが、
「はいはいはい。嗣。」

小埜瀬、
「そうです。こう書いて、横井土正嗣。」
そして小埜瀬、
「この人が…。」








好きになれない。   vol,208.   「社長のお蔭…???」

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