池辺、いきなりの事に、口を噤んで目を真ん丸に、そして戻して…。顔を左右に。
そんな池辺を見ての悠里、優維香の顔に自分の顔を寄せて、
「課長も知らないところを見ると。」
優維香、自分の顔に寄せる悠里に、顔はそのままで、小さな声で、
「私だって、今聞いて初めて。…びっくりだよ。」
けれどもそんなふたりの凡そ2メートル前の小埜瀬は軽く頭を上に、
そして僅かに後ろに。また戻る。
そんな小埜瀬を見つめる4人。
阿寿沙、瑛子に寄り添うように、
「ねね、リーダー、何か、知ってんのかな…???…ただ、黙って聞いているだけのようにも、見える…、けど…。」
瑛子に横目で…。
そんな阿寿沙の声に瑛子、顔を傾げて、
「ん~~~。」
そして、斜め右後ろを向いて優維香に、
周りからは気付かれないように右肘をガッシリと曲げて右手人差し指を小埜瀬に。
「知ってる…???」
のゼスチャー。
そんな瑛子に優維香と悠里は顔を左右に振る。
瑛子、顔を元に戻して、
「ふ~~ん。優維香たちも分かんないっかぁ。」
真宮、
「まっ。そういう、後ろ盾があっての…。今回の話。…と、言うのも、何やら噂で、耳に入ってくる。」
池辺、その話にゆっくりと顔を頷かせる。
悠里、話を聞きながらも優維香に、
「なんか…。…でも、私たちには、全く場違いな話では…、あるけどさ。何だか、いろんなところで、いろんな事、起きているような…。」
優維香、コクリと頷いて、
「確かに。まっ。でも、あの社長の事だからねぇ~~~。…けど…。今聞いて思ったんだけど~~。経済産業省…。何とかの…、局長が…、従兄って…。…まぁ…。うんうんうん。旦那様が、参議院の義務職員だから…。別に…、分からない…では、ないよね~~~。…それにしても…、リーダー、何だか、全く動じないって、私には見れるんだけど…。」
悠里も優維香のその声に、
「うんうんうん。」
そして悠里、
「ねね、リーダー、あそこ、帰りに誘ってみる…???」
優維香、
「アネモッサ…???」
真宮、
「そんな訳だ。みんな~~。よろしく頼む~~。」
メンバーたちの声。
「は~~い。」
「分かりました~~」
「了解で~~す。」
真宮、池辺に右手で合図をして、
「よろしく。」
のゼスチャー。
小埜瀬、店の手前で、
「へぇ~~~。こういう店、あったんですね~~~。ははは。確かに。会社からは、ちょっと分かんないっか。」
店の外観を見て。そして、看板を見て、
「アネモッサ。ロゴだけでも可愛いネーミングですね~~。」
悠里と瑛子、
「うん。」
阿寿沙、
「ちょっとした…、隠家的、存在かな~~。ウチラ、4人の…ってぇ~訳じゃないけど…。良く利用してる~~。」
小埜瀬、何度も頷きながら、
「うんうんうん。」
そして、優維香がドアを。
「こんにちは~~。」
店に入った途端に、
「いらっしゃいませ~~。あら、いらっしゃ~~い。」
赤いエプロンと赤いバンダナ。店員が入って来た客を見て、
「お帰り~~、優維香、悠里。瑛子に阿寿沙~~。」
と、ニッコリ。
そしてカウンターの中の方からも、
「おぅ、お帰り~~。」
4人全員、店員とカウンターの中に、
「只今、帰りました~~。」
店員、ニッコリと、
「はいな~~。」
カウンターの中からは右こめかみに敬礼するように右手をクイッと。そしてニッコリ。
客は他に3組ほど。いつも見る顔ぶれである。
年齢は…、40代のOLの二人連れ。
そして50代風の男女と、明らかに60を超えていそうな男女。
いずれもカジュアルな感じ。
瑛子、小野瀬に、
「リーダー、どぉ…???ここ…???」
店員、空いているテーブル2つをひとつにして。椅子を。
優維香、
「あ~~。美智子さん、私やるぅ~~。」
50代風の女性が、
「みっちゃん、お願~~い。」
悠里も、
「はは。うんうん。私たちやるから。」
そんなふたりに、店員、
「ごめんね~~。んじゃ、お願い。」
瑛子と阿寿沙も、
「あいよ。」
店員、客に、
「はいはいはい。」
カウンターから、
「はは。忙しいだろう~~。スタッフコレクションにリッツカルバン。ますます繁盛この上なし。ってね~~。」
その声に悠里、ニッコリと。
「はは。そういう訳で~~。」
するとまたカウンターから、
「悠里も、優維香も、瑛子も阿寿沙も、いつものでいい…???」
その声にそれぞれが、
「お願いしま~~す。」
「はは。OK~~。喜んで。」
そしてカウンターから、
「…で…???…そちら様は…???」
瑛子、
「あ、ははははは。うん。ホラ、こちらが、前々から話していた新しいリーダー。小埜瀬隆英新リーダー。」
カウンターから、
「おやおや。何と。」
そして直立して丁寧にお辞儀を、
「お初にお目に掛かります。アネモッサ店長の、隠岐田絃爾、と、申します。」
いきなり丁寧にお辞儀をされ小埜瀬、
「あ、ははははは。」
そしてこちらも丁寧にお辞儀をして、
「初めまして。」

好きになれない。 vol,200. 小さな声で、「私だって、今聞いて初めて。…びっくりだよ。」
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