寿永流に右手を差し出して、「これからもよろしく。」 | THMIS mama “お洒落の小部屋”

ドキドキ 思わず理江子、
「えっ…???…佐津香さん、ご存じ…。」

佐津香、可笑しがりながら、
「あ、いえ…。」

小埜瀬、目を真ん丸に、笑顔で、
「へぇ~~~。相羽さんと~~~。へぇ~~。なるほど~~。」
そして、
「うんうんうん。確かに。…彼女なら、ベテラン。しかも…、離さないでしょうから。」

佐津香、
「お酒の事で、みんなで、課長から話、伺ってましたから。」

理江子、
「へぇ~~。そうなんですか~~。」

「まっ。ただ…。名前までは…。」

小埜瀬、頭を掻きながら、
「いやいやいや。あの時の…、雑誌社の~~。」
そして小埜瀬、姿勢を正して、
「その節は、本当に、ありがとうございました。いやいやいや。…とにかく…。あの時は、社長命令で、何かズド~~ンと、何かないかって言われて…。新体制でのプロジェクトチームって、言われて…。とにかく金は出すって言われて…。…だったら、ここで一発。って。…ただ…、広報部長からは、あんまり派手には…、って…。…けど、社長命令って言うだけでバ~~ンと。かかかかか。気持ち良かったって言うのが実感でありました。仙台のローカルテレビ局でしたけど、いきなりドド~~ンと来ましたから~~。…結果。広告にも金、掛かりましたけど万々歳の売り上げ。」

寿永流も、
「えぇ~~。そう聞いてます。…って言うか、こちらこそ~~。弊社の部数も凄かったですから~~。」

小埜瀬、
「お互いに。」

ニコニコと寿永流、
「えぇ。」

理江子、
「逆に…、良かったのかも…。寿永流と、小埜瀬課長が今日会えて。」

その声に寿永流、
「うん。だよな~~。」

小埜瀬、吉竹がいない事を良い事に、寿永流に右手を差し出して、
「これからもよろしく。」

寿永流も、笑顔で、
「こちらこそ。」
そこまで言って、
「あ。え…???…と、言う事は…???…もう…、ウチと…???」

いきなり佐津香、左人差し指を口に、
「くっ。」
そして、
「あっ。いや…。」
顔を傾げて、
「う~~ん。…でも…。」
理江子を見て、寿永流を見て、
「密着でしょ。…それに…、紹介が…、理江子さん。…と、言う事は~~。舞桜も、この事。」

理江子、佐津香を見て、キョトンと。
「え、えぇ~~。話は…。通して…。」

「あん。」
佐津香、
「それならもぅ~~。吉竹に話を通すまでもなく~~。課長で~~。うん。全然OK。」

寿永流、
「えっ…???うそ。」
理江子を見て…。

理江子、ニッコリと。
「…ですよね~~。吉竹部長には、事後報告としても…。」

佐津香、ニンマリとして、
「うんうんうん。全然問題なし。…って、言うか、私が言うから。」

「でぇ~~。…ここで、もうひとつ。」
理江子。寿永流に、
「ねっ。」

佐津香と小埜瀬、キョトンとして、
「えっ…???」
「はっ…???」

理江子、
「実は~~。…オマケがあるの。」

佐津香と小埜瀬、
「オマケ…???」

寿永流、
「その…、オマケ…、なんですけど~~。」
椅子からバッグを。そして、バッグの中から四角いものを。

小埜瀬、
「えっ…???」

佐津香も、
「へっ…???」
そして、
「色紙~~。…なんで…???」

理江子、
「佐津香さんの…、サインが欲しい。」

途端に佐津香、
「え――――――――っ!!!」
そして、
「うそうそうそうそ。なんで~~~~???」

理江子、ニコニコと、
「プロの挿絵家さんのサインが欲しいんですって~~。」

佐津香、目を瞑って、
「うそ~~~~。」

小埜瀬、
「おほほほほほ~~。佐津香さ~~ん。」
自然に佐津香の左肩に右手を、
「うんうんうん。」

佐津香、自分の肩に男性の方から触られた事は…、ここ数年来、ない。
けれども、そんな事は全く…、感触的にはどうでも良く、
寿永流からら差し出された色紙の枚数に、目を丸くして、
「こんなに~~~???」

小埜瀬も、
「凄いや。何と。…5枚…。」
そして小埜瀬、また佐津香の左肩に右手をトントンと。

佐津香、
「いやいやいや。だ~~って、課長~~。そんな…、サインだなんて~~。」

寿永流が色紙を差し出す。そして、
「お願いします。」

小埜瀬、自然に佐津香の背中に今度は右手を当てて、
「ささ。佐津香さん。どうぞ、どうぞ。」

佐津香、恐縮しきりに、
「そうですか~~。」
全く違和感なく。

寿永流、
「ウチの部署と隣の部署の人なんですけど…。どの人も、小さなお子さんがいらっしゃるそうなんです。…で、柿崎佐津香に会うって言ったら、いきなりです。サイン貰ってきてくださいって、せがまれちゃって。」

佐津香、
「えへぇ~~~???…と言う事は~~。寿永流さんのところにも~~。つまりは…、アクトレス出版か、御馬舎(みまや)出版、寳屋敷(たからやしき)出版の絵本のファンがいらっしゃるという事ね~~。」
そして、
「ん~~~~。でも…、それだけでも嬉しい~~。子供たちに喜んでくれてるって事だもの~~。」
佐津香、バッグから眼鏡を取り出して。そしてカウンターに。

小埜瀬、椅子に手を、
「ささ。どうぞ、どうぞ。」








好きになれない。   vol,174.  寿永流に右手を差し出して、「これからもよろしく。」

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