佐津香、
「入社式、確かに社長は顔出すけど、由利塚さんは影だからねぇ~~~。」
菜帆子、
「それでも彼女は社長秘書。」
燈子と千優、
「へぇ~~~え。」
「そして。ハーフ。」
千優、頷いて、
「うん、うん。」
吉竹が席を移動して、手を差し伸べる。
社長の伊縫舞桜。そして、由利塚理江子。
小埜瀬も、立ち上がり、2人にお辞儀を。そして、愛結美に、小さな声で、
「びっくりした~~~。ふたりって、社長と由利塚さん…???」
その声に、愛結美、ニッコリと。そして頷く。
そして、またふたりに何度も頭を下げる小埜瀬。
愛結美、伊縫に笑顔で、
「社長。ひと言。よろしいでしょうか。」
吉竹、由利塚に座るように手を差し伸べて。
由利塚もニッコリと。
伊縫、笑顔でニッコリ、
「えぇ。」
そして、メンバー全員を見回ながら…。佐津香と新入社員を見て。
「私が一番嬉しいのは、こうして皆さんが、ひとりも欠席する事なくこういう場に参加してくれるという事。これは幹事としても、ありがたい事だと思います。ねぇ~~~、愛結美さん。」
その声に愛結美、思わず恐縮して一礼を。口パクで、
「ありがとうございます。」
「そして。」
伊縫。
「そういう社員を育ててくれた吉竹部長。ありがとうございます。」
吉竹にコクリと頭を下げて。
そんな伊縫に、頭を下げながら、右手を振る吉竹。
一瞬、可笑しがるメンバーたち。
菜帆子、小さな声で、口に手をやり、
「まぁ~~、そう言わないと。部長の立場、ないもんねぇ~~。ねっ、佐津香さん。」
佐津香、
「まぁ~~、でも…。吉竹みたいな部長も、他にいるかな~~、と思っても…。…これがいないんだから。そういう意味では、吉竹のお株だよね~~~。」
菜帆子、
「ふ~~~ん~~。…さすがは佐津香さん。この会社、網羅してるよね~~。」
伊縫の話しは終わっていた。
愛結美、
「じゃあ、社長。すみませんけど、社長から、本番の乾杯と言う事で、お願いします。」
すぐさま伊縫、笑顔で、
「分かりました。それでは……。」
伊縫の音頭で、今一度、メンバーたちも、
「乾杯~~~ぃ。」
共にグラスを合わせる。
伊縫の隣で始終恐縮しまくりの小埜瀬。
そんな姿を見ての菜帆子、クスリと、
「課長、可哀想~~~。」
佐津香、
「まぁねぇ~~。誰もが、通る道ではあるけど。…でも、ものの10分。我慢、我慢。」
その声に、菜帆子も、両眉を上下に。
そんな佐津香の言葉通りに。グラスの中、半分ほどを残して伊縫、
「それじゃあ~~、愛結美さん、吉竹部長。」
愛結美、一礼して、
「ありがとうございます。」
そして伊縫、
「最後に。」
愛結美、伊縫を見て、
「はい。」
「吉竹部長。」
吉竹、
「はい。」
小埜瀬、僅かに両眉を歪めて。
伊縫、理江子に顔コクリと。
理江子も舞桜にコクリと。理江子、
「では。」
その途端に吉竹、姿勢をキリッとして。
そしてメンバーたちは、いきなりの由利塚の声に注目して顔を…。
吉竹、
「ちょっと、みんな。聞いてくれ。」
メンバーたち、それぞれが顔を見合わせる。
愛結美、神妙な顔をして…。
小埜瀬も同様に。そして愛結美に、目を丸く、そして口を尖らせて。
そんな小埜瀬を見て愛結美、笑顔で…。
理江子、
「先ほど、吉竹部長から触り程度の話が出て、私がそれに便乗した形になりましたが…。…我がエレガンサ化粧品、マーケティング事業部が、イギリスのコルフス・デレーニョのコンペに参加するという事。これは既に事実です。」
その声に、メンバーたち、またまた顔を見合わせて…。そして口々に、
「コルフス・デレーニョ」
「イギリス」
「…で、コンペ…。」
「どういう事…???」
「さっき、部長、シェアがどうとか、こうとか…。」
佐津香は理江子に視線を…。そして、頭の中で、
「…もしかして…。合併…???…確か…、理江子の父親って…、イギリス人…。」
菜帆子も、
「佐津香さん、どういう事…???」
そんな菜帆子をチラリと見て、佐津香、
「ふ~~ん。とにかく、聞きましょ。」
「えぇ。」
理江子、
「そして、この事実は、取締役会議に於いても、決定事項です。…そして…、そのコンペの日程ですが、1ヶ月後。」
メンバーたち、いきなりの宣告に、
「うそ。」
「噓でしょ。」
「今、聞いて、いきなり1ヶ月後にコンペ。」
「…そんな…。」
「…って、言うか、全く、詳細が…。」
「何が、何だか…。」
理江子、
「説明します。」
その一言でまたメンバーたち、静かに。
「実は、ある筋から今、イギリスのコルフス・デレーニョがコンペに参加できる企業を探している。との情報を得ました。皆様の中にもご存じの方、いらっしゃるかと思うのですが…。」
佐津香、
「コルフス・デレーニョ、化粧品、世界ランキング12位。」
菜帆子、
「佐津香さん。それ…。」
「うん。一応、世界ランキング10位くらいは頭に入ってる。」
燈子、目を丸くして、
「凄っ。」

好きになれない。 vol,082. 佐津香、「入社式、確かに社長は顔出すけど…。」
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