そして、幼なじみの賀寿恵の友達。…と、言う事になるのだが…。
…こちらは…。めでたくその男子と付き合う事が出来、高校も大学も共に一緒。
そして、大学卒業と同時に結婚。今は沖縄でしあわせに暮らしている。
既に男児をひとり授かっている。
車の中で七瀬、
「店にもトロフィーやカップ、盾や賞状、飾ってあるんでしょ…???」
運転しながら話しを聞いている賀寿恵、バックミラーを見ながら、
「はい。えぇ~~。…でも、ただ…。店に飾ってあるものはレプリカなんです。似たようなものを父が探して来て、プレートをコピーして貼り付けて、それを鍵付きのケースの中に飾っているんです。賞状なんかも全部中味はコピーです。しかも、私が見ても、本物とそっくり。驚くべき根性。」
「さすがに、徹底してるね~~。元大工さん。それが、いきなり鞍替えして料理人だから。…んまぁ…。その辺の詳しい事は結賀(ゆか)から聞いてるけど。それにしても、さすがだよ、あなたの父親は。愛する娘の事ならトコトンて事だろうねぇ~~。そんな空手の醍醐味が、あの時の、あのレストラン。」
男性も、ある程度のインテリアを見終えて駐車場で待機していたタクシーに乗り込み、
行き先を告げて。
運転手、
「あいよ。」
そして、男性、深々とシートに、
「なるほどね~、こちらで実現されてましたか。…トータルインテリア伊玖伊那。ふふ。」
そして、右親指と人差し指で顎を撫でながら、
「ふ~~~ん~。」
少し考えた風に…。けれども、すぐにニコリとして、
「ふん。…2ヶ月振りですかねぇ~。七瀬社長。そして弓賀寿恵さん。…それにしても…。あの、レストランで…。」
そして、頭を右に傾げて、右手で額の右側に…。思い出すかのように…、
「…かかかかか。」
車の窓の外を見ながらの七瀬。
そして、こちらの男性はタクシーの中で…。
ふたり、同時に、
「まさかねぇ~~。」
アメリカはジョージア州、アトランタのホテルのレストラン。
遅めの昼食。その前に、コーヒーを…。飲んでいた時。
「あら。隆英(たかひで)じゃない…???」
いきなり声を掛けられたのである。
名前を呼ばれてその方向へと顔。いきなり目を見張る。そして、
「麗子さんっ!!!…えっ…???…どうしてここに…???」
椅子のアームレストに両手を…。
「それはこっちのセリフよ~~。見れば、何だか、懐かしい顔が…って思って。ふふ。髪、似合ってる。伸ばしたのね。」
七瀬麗子である。
麗子、傍にいる女性に、
「こちら、隆英(たかひで)。小野瀬隆英(おのせたかひで)さん。」
そして目をパチクリと、
「…だよね。…前は、隆英って、呼び捨てしてたけど…。隆英さん。で、いいわよね。あんなに凄いもの。もぅ~~。世界中、巻き込んでんじゃない…???」
キョトンとしながら麗子。
その話に隆英、照れながら、恐縮しまくりで、顔を下げて、右手を振り、
「いえいえいえ。…とんでもない。麗子さんに、そう言って頂けるだけで…、恐縮極まりない。はは。」
麗子、そんな隆英に、賀寿恵を見て、
「こちらは、弓賀寿恵さん。まっ。私の~~~。マネージャー…???…か。秘書…???…か。…付き人…???…的…。存在…???」
顔を左に傾げながら。
その話に隆英、両眉の間に皺を寄せて、
「はっ…???」
麗子、可笑しがりながらも、
「まま。」
賀寿恵の左肩に右手を置いて、
「まま、私の側近、側近。とにかく、頭、キレッキレ。記憶力桁外れ。見たものは忘れない。しかも、酒に強い。」
そして、
「ふふん。私の傍に置くことにしたって訳よ。…って言うかぁ~~。私の…、所謂、姪、なんだけどね。」
隆英、
「あ、はぁ~~。」
賀寿恵、
「麗子社長の下で働いております、弓賀寿恵(ゆみかずえ)と申します。お見知りおきの程を…。」
隆英も、椅子に座ったままで会釈を。
「小野瀬隆英と言います。…初めまして。」
麗子、
「世界を股にかけて活躍している男性。しかも…、フリーで。カメラマンでもあれば、フリーターでもある。けれど、その実力は…、世界でも認められている。」
隆英を見て麗子。
その話に隆英、恐縮しまくりで、
「え…。えぇ~~、ま、あ…。」
「いや。だ~~ってさ~~。ワールドクロッシング(世界横断)で、常にインテリア、取材してるのって、あなたくらいのもんでしょ。」
瞬間、賀寿恵、
「わっ!!!」
その女性に隆英、
「…ん…???」
賀寿恵、麗子に、
「えっ…???…じゃあ…、社長室の、あの…、部屋の…。あの…、飾ってある本。うんうんうん。確かに、ワールドクロッシング。ズラリと。」
隆英、いきなり、
「ズラリと…。」
麗子、
「2年前にねぇ~~、うちの旦那が…。これ、見てみろって。…で、見てみたら、なんと。…かか。それからよ。」
世界各国に出版。しかも、その国の翻訳を経ての出版。出版元は…。
…やはり、アメリカ。

好きになれない。 vol,046. 「そんな空手の醍醐味が、あの時の、あのレストラン。」
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