「…で。」
伊寿美、佐津香を見ながら…。
佐津香、
「うんうんうん。」
「岳燈のおとうさん、最初っから、おかあさんに言われたみたい。警察だからと言って、無理はしないでください。って。」
佐津香、いきなり両手をペン。
「良く言った、そのおかあさん。その通り。」
佐津香、ニコニコ顔で…。
「へぇ~~~。…そういうおとうさん、そういうおかあさん。おとうさん、警部で優しい。なんとも凄いね~~。」
「但し。」
伊寿美、
「優しいなりに厳しかったらしい…。ま、厳しいと言っても、礼儀や勉強に関してだけらしいけど…。人の道を外れるな。これだけは子供の頃から口酸~~っぱく。」
佐津香、
「へ~~~~。な~~るほどねぇ~~~。」
1拍置いて佐津香、
「あ、でも、お姉さんたちって、弟さんがこの秋に結婚。」
伊寿美と優維香を交互に見ながら…。
「お姉さんたち…、その…、結婚って…???」
伊寿美、
「あん。そっちは~~。一番上のお姉さんと~~、一番下のお姉さんは~~、結婚してる。…んだけど~~~。真ん中のお姉さんだけは~~まだみたい。」
佐津香、
「へぇ~~~え~~~。」
「さて、ここで問題です。」
いきなり優維香。
「どうして真ん中のお姉さんだけは、未だに未婚のまま。なのか~~~、な???」
チョコンと顔を傾げて優維香。母親の顔に、何かしら試すような目で…。
いきなり佐津香、
「え~~ぇえ~~~???…そんなの、いきなり言われても、全然…。見当も付かない~~~。」
そして佐津香、腕組みしながら。顔を傾げて、目は空を…。そして、
「ん~~~~。」
腕組みから右手を離して中指を右こめかみに。そしてまた、
「ん~~~。」
そして…。
「ちょっと、ひとつ質問。」
優維香と伊寿美、
「ふん。」
「その…。一番上のお姉さんと、一番下のお姉さんの職業は…???」
その瞬間、優維香、
「おっと~~~、鋭い質問。…と、言う事は、もしかして…。感の鋭いおかあさんの事だから、ある程度…。」
「ん~~~。確かに。おばさん、鋭いからねぇ~~。…って言うか、ちょっとした、何て言うの…???…その、閃きがねぇ~~~。」
ニタリとしながらの伊寿美。
佐津香、そんな声に思わず顔を綻ばせて、
「ふふ~~~ん。まっ、たま~~にねぇ~~。ピーンと来る時が…、あんのよ~~~。」
そして佐津香。今度は、また腕組みをして、テーブルに僅かに身を乗り出すように。
「ねね。お姉さんたち。」
目の前の優維香を見て、隣りに座っている伊寿美を見て。
優維香、伊寿美を見て、
「伊寿美~~。」
その声に伊寿美も、
「ふん、オッケ~~。」
そして、
「一番上のお姉さん。」
右肘を曲げて人差し指を上に。
「職業~~。弁護士さ~~ん。」
瞬間、佐津香、顔を上げて、目を真ん丸に、
「うっそ~~~。凄~~~い~~。」
優維香も目を真ん丸に、そして、顔を小刻みに揺らしながら…。
「…でぇ~~~。…一番下の~~。」
今度は伊寿美、その手を、今度は指先を伸ばしたまま、手首を曲げて指先を下に。
「お姉さんのお仕事。こちらは…、看護婦さん。歯科医の看護婦さんねぇ~~。」
またまた目を真ん丸に佐津香、
「凄~~い。何ともエリート職業じゃな~~い~~。」
伊寿美、両眉を上下に。
「う~~~ん。姉弟がいて、それぞれが羨ましいお仕事~~。」
佐津香、伊寿美を見て、
「ねぇ~~~え~~~。」
「…と、言う訳で~~、おかあさん。」
またまた佐津香、腕組みしながら、今度は上体を起こして、
「ふ~~~ん。一番上のお姉さんが~~、結婚してて~~~、職業が~~、弁護士さん。…でぇ~~~。…一番下のお姉さんも~~、結婚してて~~~、こちらは歯科医の看護師さん。ん~~~~。…でぇ~~~、何々~~~。…真ん中のお姉さんだけは~~、まだ…、結婚はしていない。…でぇ、何のお仕事。」
優維香、母を見て、
「ふふん。」
佐津香、
「つまりは、弁護士も看護師も、エリート的な職業~~。当然、男性からすれば~~~。高嶺の花…的な…???」
けれども佐津香、ニタリとして、
「けど、今の時代…。そんな…。高嶺の花だろうと、何らかの切っ掛けで出会いさえあれば、結婚、出来るもんねぇ~~。…まっ。…どっちも国家資格かぁ~~。」
優維香、
「あぁ~~、うん。確かに。」
「…でも…、そんな姉妹の中で唯一、まだ未婚。…ある意味、出会いがない。…と、言うか…。」
佐津香、頭を傾げて…。
「…はたまた、これと言って、結婚願望がない…???…その特徴的な職種…かぁ~~~???」
伊寿美、ニコリと、
「オホ…???」
優維香はニタリと、
「ん~~~~ん~~。…さて。」

好きになれない。 vol,003. 「警察だからと言って、無理はしないでください。って。」
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
《PR》
庄司紗千 「雫音〜shizukune〜」
※ご本人の承認の下、紹介させて戴いております。
