真輝と亮輔、
「な~~んだよな~~。」
いきなりふたり、お互いを見つめ合い、同時に、
「えっ…???」
幸乃、
「それに…、なんですけど…。」
柚香、祖母に、
「うそ。まだあるの…???」
そんな柚香に幸乃、コクリと。
熊沢と藪岡、
「おばあさん。」
幸乃、
「そんな…。幻と言うか…。声と言うか…。…その、幻は…、ゆっくりと薄くなって…。」
柚香、
「おばあちゃん、恐いよ。」
そんな柚香に幸乃も、
「うんうん。そうだね~~。…でも…。それから…。私も、おかしいな…とは思って…。その時なんです。いきなり電話が。」
「…と、言うのは、病院の方から…???」
熊沢。その声に幸乃、顔を左右に振り…。
柚香、また、
「おばあちゃん。」
「今度は、柚香の母親の妹から。」
柚香、
「へっ…???流伽おばちゃんから…???」
幸乃、ゆっくりと頭をコクリ。
「いやいやいや。」
柚香。
「夜中の2時…???」
「おばあちゃんもビックリしてスマホの画面を。…珍しく…、流伽さんの名前。」
真輝、
「…と、言う事は…、柚香さんのおかあさんの実家の長野の。」
亮輔と阿須賀も、
「あ、あ。」
亮輔、阿須賀を見て、
「俺たちも、なぁ~~。その長野の…って。藪さんの病院で…。」
そして藪岡を見て、
「藪さん。」
藪岡、
「あ、あ~~。柚香さんが小さい頃に、長野で…。」
熊沢も、
「えぇ。私もその事は柚香さんから…。」
愛実、
「わお。じゃあ、長野の事、みんな…。」
それぞれを見回して。
熊沢、
「おばあさん。幸乃さん。」
幸乃、
「えぇ。柚香の母親の妹から電話がありまして、出るなり、おばあちゃん、柚香に何かあった…???今、私の前に、死んだはずのおにいさんとねえさんがって。」
いきなり目を真ん丸にする柚香。
愛実、
「うそ――――――っ。」
真輝、
「まさか。」
亮輔、
「凄ぇ~~。」
阿須賀は、恐がる顔で、
「うそでしょ~~。」
熊沢と藪岡、同時に、
「虫の知らせ。ですか~~。」
阿須賀、いきなり亮輔の左腕に、
「やだ~~~。」
熊沢、口を真一文字、
「まま、ありそうな…。…と言いますのも…。」
藪岡、
「先生…???」
「えぇ。」
熊沢。
「これは…、当然の事ながら、個人情報、情報漏洩ともなりますから…。家族以外には…。病院外には…。」
藪岡、
「え、え~~。はい。」
「けれども…、これが…事実。」
そして熊沢、
「幸乃さん。おばあさん。そして…、当事者でもある柚香さん。」
幸乃、
「えぇ。」
柚香、
「はい。」
「みなさんに、お話しても。」
幸乃と柚香、
「お願いします。」
「構いません。ここにいる人、みんな、私の事。」
熊沢、コクリと、
「そうですね。」
真輝、そして愛実も、亮輔も阿須賀も。そして、藪岡も。
熊沢、
「事実、心肺停止の陽織さん。その時は…、完璧に、アウト。だったと、言う事です。」
いきなり柚香と幸乃以外の5人、
「!!!」
藪岡、
「どういうことですか???」
熊沢、
「看護師と医師が心肺停止してからの時間、凡そ17分。」
「17分。」
藪岡、
「…って。…それじゃ~~。完璧に…もぅ…。」
「えぇ~。…但し。それは、あくまで、看護師と医師が確認した状態。…では、何故、陽織さんが心肺停止と確認できたのか…。」
藪岡、
「あ、あ~~。そぅ…かぁ~~。時間は深夜。」
「そうです。全ての患者も寝静まり。そして…、時間で巡視する看護師のみ。」
藪岡、考えるように、
「確かに。」
「ここでは、1時間毎に看護師が巡視をすることになっています。その巡視が午前2時。特に変わりは…。モニターもしっかりと…。その後です。看護師がナースステーションに戻ってきた時点で…。まぁ…、患者さんも多いですから…。」
藪岡、熊沢に、
「えぇ。」
「ここの…、ナースコールがなったそうです。」
「えっ…???」
真輝も恵も亮輔も阿須賀も。
真輝、
「…って、誰が、ナースコール…???」
すぐさま熊沢、顔を左右に、
「分かりません。すぐに看護師がここに。…既に呼吸停止。実際、その時点でカウントが始まります。…ですから、おそらく、17分以上は…。実際には…、20分以上だったと言う事も…。」
藪岡、
「そんな…。間違いなく…。蘇生も…。」
熊沢、柚香の顔を見て、
「えぇ。蘇生は…困難。」
「1分…過ぎるほど…、致死率は…、高くなる。」
亮輔、阿須賀、
「そんな…。」
「人は…、心肺停止になってから、10分で、蘇生は困難と…。」
藪岡。
真輝、柚香をじっと見つめる。
亮輔、
「そ、それが…17分。もしかすると、それ以上…。」
熊沢、亮輔を見て、
「えぇ。そうなります。」
「えっ…???…いや…。けど…、それなのに…、陽織ちゃん。」
亮輔、熊沢と柚香を見て、そして、
「え~~~ぇえ…???」
「医師も懸命に蘇生術を…。看護師たちも、諦めたそうです。医師も、とうとう…、遂に。…けれども。その…、3秒後…、と言う事でした。…モニターのサインが…。僅かに。」

LIBRA~リブラ~ vol,180. 「今度は、柚香の母親の妹から。」
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