そして阿須賀、椅子から立ち上がり、柚香に左手をサラリと。
そしてふたりにも…。その場を立ち去る。
柚香、そんな阿須賀に、
「阿須賀さん。わざわざありがとうね。」
阿須賀、立ち去り際にまた柚香にニッコリと、
「うん。」
阿須賀、小走りに…。
絢美、柚香に、
「そういう事~~。な~~るほど~~。納得~~。」
心都も、口を尖らせて、
「うんうんうん。納~~っ得~~。」
柚香、思い掛けない展開に、僅かに頭を傾げて、自分も納得したような顔で、
「ま。まぁ~~ね。うん。うんうんうん。」
そして頭の中で、
「…なんとも、ナイスタイミング。ヤバかった~~。」
けれども右後ろを見て、
「…それにしても…、阿須賀さん…。…何、今の話…???…うそ。何か…、機転…???…それにしても…。凄っ。」
阿須賀、自分の教室の席に就いて、スマホに、ササササッと、
「柚香さんには会って話した~~。送信。」
すると、ライン。
「おぅ。サンキュ~~。」
そのメッセージに阿須賀、
「それにしても亮輔、良くあんな事、思い付いたね~~。」
「まぁな~~。…って言うか~。まっ、俺も、藪さん同様、何とかね~~。成り行き上。…俺らが柚香さんと陽織ちゃんの事、みんなより早く、知っちゃったからな~~。行き掛り上~~。」
そのメッセージに阿須賀、口を捻じ曲げて、
「ふ~~ん~~。」
けれども、
「まっ。私も、どっちかって言うと~~。柚香さんより、陽織ちゃん側だけど~~。陽織ちゃん。ふふ。面白いもんね~~。」
そして、阿須賀もエンカントで撮った陽織との爆発的に笑顔の写真を見ながら、
「めっちゃくちゃいい顏。ふふん。」
柚香とは到底、こういう顔で抱き合いながら撮れる事はないであろう…。
しかも、ふたり共にジョッキとグラスを持ちながら。10数枚のエンカントでの写真。
「はは。」
教室内が静まる。
「おっと。」
アパートで亮輔、
「まっ。これで何とか…。…確かに。陽織ちゃんに、あんな事は、言われたら、何とかするしか、ないし…。」
そして、
「さて。俺も、出掛けるか。」
凡そ7時間前。エンカント。
ただ、藪岡は当直で店には来ていなかった。
賑やかに阿須賀と陽織、スマホで写真を撮って、ようやく椅子に落ち着いた時、陽織、
「わっ!!!やっば~~。」
すぐさま阿須賀、
「うん…???どうしたの…???」
肇も、そんな陽織を見て、
「うん…???」
陽織、
「お姉ちゃん、ヤバいよ。」
亮輔も阿須賀も、そんな陽織に、
「うん…???…どういう事…???」
「だってさ~~。私、もし仮に、朝、お姉ちゃんに…。仮に、戻ったとして、お姉ちゃん、大学に行って、お姉ちゃんの友達に…。なんて…。」
瞬間、阿須賀も、
「あっ。」
そして、両眉の先端を吊り上げて、
「確かに。」
いきなり自分の口を両手で塞いで、
「あの時は…。何かしら、すぐさまって…。」
すると、今度は阿須賀も、
「あ~~ん、どうしよ~~。」
亮輔、
「何々、どういう事よ…???」
ルシアも、
「う~~ん~~???」
阿須賀、
「つまりは~~。私、今日、陽織ちゃん、教室から連れ出したんだけど~~。」
肇、コクリと、
「うんうん。」
「その時、陽織ちゃんの隣に…。柚香さんの…、あれ…、友達…???」
陽織を見て…。
陽織も、顔を傾げて、
「…なんだと…、思う。私は全然分かんない。けど、確かに、柚香~~って、呼んでたから。」
阿須賀、
「何か、怪しまれたかな~~???いきなり私、柚香さん、借りるねって、言って連れ出したから。」
肇もルシアも、亮輔も、
「あ~~~。そういう事…。」
陽織、顔をクシャリとさせて、
「かぁ~~。どうするよ~~。こういう時~~。お姉ちゃん。」
亮輔、
「ん~~~。まっ。何とか…、誤魔化すしか…、方法…。」
間髪入れずに阿須賀、
「だから~~。その…、誤魔化す方法…、何…???」
肇、口を搾って、
「ん~~。何とか、誤魔化す方法…。ん~~。」
今度は腕組みして、
「ん~~~。」
そして、
「ママ。」
ルシア、いきなり振られて、
「いやいやいや。私にも分かんないよ。しかも…。柚香さんのその、大学の友達って、顔も知らないし。どんな感じなんかも…。」
阿須賀、
「ねぇ~~。亮輔~~???」
亮輔も顔をクシャリとさせて、
「ん~~~???…いや…。どうしろ…って、言われても~~。」
そして腕時計を見て、
「この時間…。真輝だって、寝てんだろうし…。藪さんは…。今日、当直だって…。」
けれども…。そんな話もどこへやら。
また陽織と阿須賀は楽しくお喋り。
そんな中で亮輔、ラインでメッセージを。
そして、送信。
明け方、藪岡からの電話。
「おぅ。起きてたか…???」
頭を掻きながら亮輔、顔をクシャリとさせて、
「…んな訳ねぇじゃん。起こされたよ。」
その声に藪岡、
「かかかか。…だろうな。…で、本題。」
「おっと。待ってました。」

LIBRA~リブラ~ vol,155. 「阿須賀さん。わざわざありがとうね。」
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