表参道も、途中まで歩いてまた引き返し、交差点から歩いて…。
「はい、ここも~~。有名な竹下通り~~~。」
今来た通りから徐々に人が集まって来ている路地に陽織、
「凄っ。」
7月の初めの土曜日。しかも、天気も好天。
人々がごった返ししていた。
真輝、今まで陽織から右腕にしがみついていられたが、
今回ばかりは、その腕を外して、自分の右腕で陽織を抱き締めるように。
そうでないと、陽織が自分から離れてしまいそうで気が気でないのだった。
陽織、ニコニコと、
「かかかか。凄~~いね~~。人、人、人~~。」
そして、この竹下通りも、凡そ、30分程…。
真輝、
「ふ~~~。抜けた~~~。」
陽織、
「かかかかか。うんうんうん。抜けた~~。かかか。面白かった~~。」
そして陽織、真輝に、
「真輝~~。抱き締めてくれてありがとうな~~。」
真輝にニッコリと。すると陽織、真輝にいきなり抱き付いて、
「キャハ~~。私、真輝を好きになっちゃうかも~~~。かかかかか。」
真輝、いきなり真っ赤になって、陽織に抱き付かれたままで、
「いやいやいやいや。いやいや。陽織ちゃん。…人が、見てるって。見てる、見てる。」
けれども…。確かに。人の中には、クスッと、笑うも人も…、いるのだが…。
その殆どは、全く気付かぬように…。
陽織、真輝の体から離れて、ニコニコと。
「ふふ~~ん。へぇ~~~。」
そして…。陽織、目の前の駅に、
「原宿駅…かぁ~~。」
真輝、
「前まではね。隣の建物。あそこが駅だった。」
陽織、隣の建物を見て、
「へぇ~~。古~~い。」
「うん。まぁ…。昔の建物。…確か…、大正時代…???…老朽化でね~~。」
そして、原宿駅から新宿へと…。
電車の中で陽織、何度も後ろ向きになって窓の外を…。
その度に真輝も笑顔で…。
陽織、
「昨日も、おばあちゃんと一緒の時に、電車の中、窓をこうやって。」
真輝、
「うんうんうん。陽織ちゃんにとっては、初めての経験だもんな~~。」
数分後…。
真輝、
「さて。着いた~~。降りよう。」
陽織、
「おぅ。」
朝のラッシュ時とは異なり、少しは、人の通りも…。
けれども案の定、陽織はもぅすっかり真輝の右腕を占領している。
真輝も、数時間前からのこの状態に、既に慣れてきたというか…。
ふたり、歩きながらも…。
真輝、
「疲れない…???」
その声に陽織、真輝に顔を、そして、少し体勢を崩しながらも、
「ううん。全然。」
そして、どこからか吹いてくる風に髪を撫でられ、
「う~~ん。」
右手で後ろ髪を…。
その時、いきなり背中からドン。男性の声、
「おっと。ごめんよ~。」
その瞬間、陽織の体は拍子抜かれたように前に。頭もカクンと。
そして必然的に左腕も真輝の右手から離れて。
真輝、
「危ないっ!!!」
けれどもその時、1歩、2歩。陽織、腰が曲がり、倒れそうになる寸前に顔を。
そしてポケットに手を入れている男性5、6人に、
「おぃ。何すんだよ。」
その瞬間、頭に激痛が。陽織、一気に頭をガクンと、
「痛った!!!」
両膝を突いて。左手は床に。右手は額に。
真輝、
「おぃ。陽織ちゃんっ!!!」
背の低い男もいるが、その多くはプロレスラーのようなガタイのデカイ男たちの中のひとり、
「ふん。何やってんだか。」
そのまま、歩き去り…。
陽織、蹲ったままで…。
さすがに真輝も、そんな男たちに、
「おぃ。謝れ。」
けれども男たちは、
「ふん。つまんねぇガキ。」
別の男性も、
「けけけけけ。」
そんな男たちを睨みつけながらも真輝、陽織を見て、
「陽織ちゃん…。」
…けれども…、陽織、
「えっ…???…えっ…???…私…。へっ…???…ここって…???」
蹲った状態で目の前を見て、そして辺りを見て、
「うん…???…もしかして…、ここって駅…???…しかも…。」
今度は立ち上がり、
「はっ…???…新宿じゃん。」
そして、真輝を見て、
「真輝く~~ん…???」
その光景に茫然としている真輝、
「……。」
そして真輝、
「あっ。…柚香…さん…???」
その声に柚香、目をパチパチとさせながら顔をコクリと2回。そして柚香、
「…と、言う事は~~~。もしかして…。私…、今まで…陽織に…???」
真輝、途端に口を尖らせて、こちらも顔を2回、コクリ。
柚香、口を真一文字にして、そして、
「そっか~~~。…って言うか、今、何時…???」
瞬間、真輝、
「あっ。今日は土曜日。そして…、そろそろ、お昼。」
柚香、その声に頷き、左腕を、
「わっ。…ってか、時計、してないし。」
瞬間、
「…ん…???」
今度は着ている服を。そしてバッグの中…。
「おっと。あった、あった。ふ~~。スマホと財布。」
そして財布を持って中を…。そして真輝を見てニッコリと、
「うん。バッチリ。」
そして、着ている服を見て、
「ふんふんふん。な~~るほどね~~。これで…来たか。」

LIBRA~リブラ~ vol,131. 自分の右腕で陽織を抱き締めるように。
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