幸乃、陽織を見て、顔を綻ばせながら、
「陽織には、スマホ。殆ど、興味は…。」
真輝、テーブルの新聞を見て、
「…けど…。凄いね、陽織ちゃん、新聞…???」
陽織、そんな真輝に、頭をコクリと、
「うん。朝から見てる。…で、昨夜はテレビ…。面白いよ。いろんなのがあって。」
「…って言うか…、陽織ちゃん、新聞…。漢字なんかは…???」
幸乃、
「それが…。全部…、理解できるって…。」
その声に真輝、驚いた顔で、
「えぇ~~~え…???」
陽織、また座椅子に、胡坐を掻いて、腕組みをして、
「ふん。」
そしてまた両肘をテーブルに、
「続き、見よ。」
真輝、頭の中で、
「…凄ぇや。」
幸乃、真輝に、
「真輝君、ゆっくりしてってね~~~。私は、お掃除、済ませちゃう。」
「あ、はい。ありがとうございます。」
陽織は黙って新聞を…。そのまま真輝も腰を落として。
真剣に新聞を見ている陽織。
真輝、頭の中で、
「…凄いや。真剣そのもの。」
ふと陽織、真輝を見て、
「真輝は、今日、大学。」
その声に真輝、
「あぁ。大学は休み。…まぁ…。その大学によっては様々。休みの日でも講義、ある大学はあるけど…。祝日、関係なくね。慶稜は…、基本、土日、祝日も休み。」
陽織、また新聞に目を。そして、
「ふ~~~ん。そっか。」
「…ってか。」
ふと気付いた真輝、
「うそ。」
陽織の右腕、既に新聞紙が何枚も…。そして陽織、右手で左の一枚をひらりと。
そして、
「な~~るほど。ここ、テレビ欄。ふんふんふん。そういう事か~~。」
そして上から目を…。そして真ん中、下。
「はい。終わり~~。」
真輝、
「えっ…???」
そんな真輝を見て陽織、口を噤んで、
「うん…???」
「終わりって…???」
陽織、頭をコクリと、
「うん。全部読んだ。」
瞬間、真輝、
「うそ―――――――っ!!!」
その声が座敷で掃除していた幸乃、
「どうした~~~。真輝く~~???」
真輝、咄嗟に、
「あ、あ~~。なんでもありませ~~ん。」
陽織、胡坐を掻いた格好から、
「ヨッと。」
立ち上がり、
「真輝、どっか連れてけ。」
その声に真輝、目をパチクリ、
「えっ…???…へっ…???」
「昨夜、テレビ見てたら、面白いとこ、いっぱいあってさ。行きたくなった。どっか、連れてけ。」
またしても真輝、目をパチクリと。そして、
「あ、あ~~~。」
僅かに顔を傾げて、そして、
「うん。そぅだな。」
そして真輝、
「おばあさ~~ん。」
幸乃、座敷から、
「はいはい。」
茶の間に、
「どうした…???」
陽織、
「おばあちゃん、これから真輝と出掛ける。」
「うん…???」
幸乃、目をパチクリと。けれどもすぐに、
「うんうんうん。そぅかい。いいよ。行っといで。」
そして幸乃、
「あっ。…それなら…。」
幸乃、引き出しから…。けれども、
「あ。…どうせなら…。」
そして陽織に、
「おいで。」
陽織、
「うん…???」
幸乃、陽織の手を引いて、
「真輝君、ちょっと、待ってて。」
真輝、目を丸く、
「うん…???あ~~、はい。」
ふたりで2階に。
幸乃、柚香の部屋に。そして、柚香のバッグを。
「これ、持っといで。柚香のバッグ。…そして~~。着替えなきゃ。」
ふと陽織、
「あ~~。うん。…でも、おばあちゃん。自分で出来る。」
幸乃すぐさま、
「おや。」
「昨夜、テレビでも見たし、それに…、広告でも見たから大体。」
そして陽織、箪笥とファンシーケースから、
「これ…かな…。」
そして祖母の前で着替え。
幸乃、その一連の動きを見て、
「おや。なんとも…、物事…、分かり、早いね~~。」
陽織、
「こんなもんでしょ。」
そして、バッグの中から、
「これ、柚香、お姉ちゃんの財布。」
そして、中身を見て、
「うん。」
そして、ふたり、共に下に。
幸乃、自分の財布から、
「これ、持っといで。柚香のお金、使う訳にはいかないよ。」
その声に陽織、ニッコリと、
「だよね。もし、途中、柚香、お姉ちゃんになったら…。」
瞬間、幸乃、優しい顏で、
「陽織…。」
真輝も、
「陽織…ちゃん。」
そして真輝、陽織を連れて…。
「へぇ~~。じゃ、夜、ず~~っと、テレビ…???」
陽織、
「うん。リモコンってヤツ。あれであっちこっち。…気づいたら、寝てた。…で、おばあちゃんに起こされた。かかかか。」
真輝、
「さ~~て。どこ行くか~~???」
陽織、腰で両手を組んで、
「どこでもいいよ。」
「んじゃ、まず、駅に。」
「おぅ。」
ふたり、共に、改札を…。

LIBRA~リブラ~ vol,129. 陽織、また座椅子に、胡坐を掻いて、腕組みをして…。
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