「もしもし、勝巳です。」
「あ、真輝く~~ん。朝からゴメン。…結局、陽織ちゃん、柚香には…???…多分…、まだ…、スマホの使い方、分かんないと思って、真輝君に…。」
愛実。
その声に真輝、思わず目をキョロキョロとさせて、
「あっ。そっか。」
そして、自分で少し可笑しがり、
「…あっ。そっか。はは。」
自分で頭を掻きながら、
「僕、うっかり。そこまで考えないで、今、電話しちゃってた。」
愛実、思わず目をパチクリと。
「へっ…???」
そして、
「あ、あ~~。はは。うん。なるほど…。」
「そしたら…。結局…、陽織ちゃんだったから…。」
「あん。…そっか~~~。…と、言う事は…。…あれから…、変わらずか~~。」
「うん。…いつ、柚香さんに戻るのか…。」
「全く、見当も付かないよね~~。」
愛実、パジャマのままで冷蔵庫を開けて…。
真輝の声、
「…こぅなったら…。」
「ふん。」
愛実、冷蔵庫の中からパックの牛乳を取り出しながら…。
「今の世の中の事、陽織ちゃんに教えてあげよう。」
その声に愛実、
「はっ…???」
真輝、
「多分、おばあちゃん、そんな風に考えて陽織ちゃんをスマホに。…だから…、おばあちゃんも、いろんなこと、教えようと、してるんじゃないかって。…思ってね~~。明日、大学、休みだし。」
愛実、
「あっ、そっか~~。うんうんうん。だよね~~。」
そこまで言って、
「あ~~ん。私は明日、予定が~~。」
真輝の声、
「うん。僕からいろいろと教えておくよ。」
「うん。ありがと。」
そして、汀家では、朝から幸乃が陽織に様々と…。
まずは家の物をいろいろと教えていた。しかも…。陽織はそれを…。
祖母の幸乃も驚くようにすぐさま頭の中に入れる事が出来たのだった。
幸乃、
「凄いね。もぅ覚えたのかぃ。…しかも、朝から教えたもの、全部…???」
その声に陽織、ぶっきら棒に、
「ん~~~。」
そして、何かしら頭を傾げながら、
「…なんか…。こぅ~~。自然に、頭の中に入って来る。…で…なんか…、こぅ~~、自然に…???…記憶するように…。スマホも覚えた。」
そして、祖母の前で柚香のスマホを指で、ササササと。
その仕草を見て幸乃、
「へぇ~~。凄い~~。まさか…、教えて数時間で、柚香みたいに…。」
陽織、
「うん。テレビも…。」
リモコンで電源を…。
「…、で、これが…音量。そしてこっちがチャンネル。…で~~。これが…TBS、テレビ朝日に、日本テレビ。NHK…、Eテレ。そしてフジテレビにテレビ東京。…で、これが東京MAX。」
チャンネルを次々と…。しかも、録画の方法まで…。
そして…、お風呂場に行けば、今度は洗濯機を…。
「この中に洗濯物。…で、洗剤を入れて、柔軟剤。…で、ここを押して、ここを。…で、ここでスイッチオン。」
幸乃、口を真一文字にして、
「恐れ入りました。」
そして、
「かかかかか。凄いね~~。教えるもの、すぐに覚えちゃうよ~~。この子は~~。はははは。」
陽織も陽織で、そんな祖母に、
「はははは。うん。」
真輝、机の上で…。
その時、
「ヨッ。」
真輝、チラリと…、
「亮輔~~~。…って…???えっ…???」
亮輔、真輝に、
「ふふ~~ん。まぁな。」
「…って言うか…。珍しい。…ってか、昨日も…ま、一緒に午後には受けたけど…。あれは…、たまたま。」
そんな真輝に亮輔、
「まま。まっ。いいじゃない。たまには…。…で…???…その、肝心の…。陽織ちゃん。…まだ…、柚香さんには…???」
「あ、あ~~。今朝も柚香さんのスマホに、電話。」
前を向いて、そして亮輔を見て、
「…けど…。やっぱり…、陽織ちゃんだった。」
その声に亮輔、口をグンニャリとさせて、
「ふ~~ん~~。そっか~~。」
そして亮輔、腕組みをして。そして…。
「…ってか…。おま。真輝、柚香さんの事、好きなの…???」
その声にいきなり真輝、
「えっ!!!」
亮輔を見て。
けれどもそんな真輝を見て亮輔、思わず右目を歪めて、顔をグンニャリと…、そして、
「かかかかか。…ってか、おま…。凄いよな。」
いきなり慌てての真輝、顔を小刻みに揺らしながら、
「いやいやいや。…な、何がだよ。」
亮輔、笑いながら、
「はははは。うん…???…何がって…。凄いよ、真輝、おま。」
真輝、
「いやいやいや。…だから…。」
「分かりやすい。」
亮輔、間髪入れず。
その、「分かりやすい」の声で真輝、思わず、力が抜けて、
「はぁ…。」
そんな真輝に亮輔、前を見て、腕組みしたままで、
「かかかかか。まぁな。」
真輝、頭を揺らしながら…、
「どぅすりゃいいんだよ。このまま…。」
項垂れながらの真輝。
亮輔、
「うん…???」
そして、腕組みしたままで真輝を見て、
「うん…???…陽織ちゃんで…???」
項垂れたままで真輝、頭をコクリと。
すると亮輔、
「…けど…、まぁ~~。俺は…、どっちかっつぅと…。…陽織ちゃんの方が…、好きだけど…。」
すぐさま真輝、顔を上げて、
「はぁ~~ぁあ…???」

LIBRA~リブラ~ vol,126 「うん。…いつ、柚香さんに戻るのか…。」
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庄司紗千 「雫音〜shizukune〜」
※ご本人の承認の下、紹介させて戴いております。
