ドアをコンコン。「私~~。愛実~~。入るよ~~。」 | THMIS mama “お洒落の小部屋”

ドキドキ その声に藪岡、
「あぁ~~。多分…。柚香さんのおばあさんの事だ、報せないはずは、ないだろう。僕に、電話をくれたくらいだから…。」

ルシアと肇、藪岡の声を聞きながら、
「な~るほどね~~。」

幸乃と陽織は午後3時過ぎには帰宅。
その途中で幸乃がいつものスーパーとは別のところで買い物。
陽織はただとにかく祖母の行く場所、行く場所にそのまま着いて回っていた。


そして、6時を回ったところで愛実が汀家に顔を出した。

「こんにちは~~。おばあちゃ~~ん。」

幸乃、台所から玄関に。

幸乃を見てすぐさま愛実、
「2階…???」

幸乃、
「うん。部屋にいる。」

「分かった。ありがと。」
靴を脱いで、靴の向きを逆に。
「おっ邪魔しま~~す。」

そして、ドアをコンコン。
「私~~。愛実~~。入るよ~~。」

ドアを開けて、中に入った瞬間、陽織は…。
ベッドに仰向けになって天井を…。

愛実、そんな陽織に近づいて、
「ひ・お・り…ちゃん…」

陽織、その声が聞こえたのか…、体はそのままで顔だけ声のする方に、
「あっ。」

愛実ニッコリと、
「ふふ~~ん。」

陽織、目をパチクリとさせて、
「ども。」

愛実もそんな陽織に、ニッコリと、
「ど~~も~~。」

陽織、
「何…???…まさか…、柚香…、お姉ちゃんに戻ってないかって…、気になって…来てみた…。とか…???」

愛実、その声に、
「あん。」
そして、顔を左右に振り、
「そうじゃない。そうじゃな~~い。」
そこまで言って…、けれども今度は顔を傾げて、
「…でも、半分は…。…やっぱり…、そうかな~~。自分の一番の親友がよ、いきなり別人格になって…。全く違う人。」
と、また、そこまで言って愛実、
「あっ。」

陽織は顔を戻してまた天井を見ている。

愛実、少し顔を歪めて…。
「全く違う人って言うのは…。」
僅かに顔をチョコンと、
「ゴメン。陽織ちゃん、柚香の妹…。」
ゆっくりと柚香の机の椅子に座って…。

「別にいいよ。」
いきなり陽織。
「私だって、何でこんな風になったのか、全く分かんないし。…とにかく、何をどうしようか…。それすら分かんない。見るもの、やる事、全て初めての事ば~~っかり。…けど…。初めて外に出て、柚香の…、お姉ちゃんの大学に行って。」

愛実、
「うん。」

「そして、真輝と亮輔と阿須賀に会って。」

「うん。おばあちゃん、電話で言ってた。」
と、そこまで言って愛実、小さな声で…、
「…って、呼び捨て…???」
顔を傾げて、けれども、妙に納得した風に、変に頷いて、
「まっ、いっか。」

「3人に会って…。…でも、何か、ホッとしたって言うか。」
「うん。」

「ひとりじゃない。…って感じ、したんだよね。」

その声に愛実、
「えっ…???」

「普通ならさ。いきなり自分が…。私がだよ。」
陽織、左手人差し指で自分を差して、
「いきなり柚香、お姉ちゃんの体で、2歳で死んじゃったはずなのにさ、こうして…。あんたの事も、他の誰の事も知らないんだよ。…って…言うか…、もぅ…、知ってるけどさ…。…でも…。いきなりこんな状態になって。…普通ならさ…。恐くって…。何も…。」
そこまで言って陽織、いきなり声のトーンを落として、
「恐くって外になんて、出られないよ。…けど…。おばあちゃん、朝、ちょいと、出掛けようかね~~って…。」

その話を聞いて愛実、
「うそ。」

陽織、愛実の、その、「うそ。」の声に、
「うん…???…どした…???」

目をパチクリと愛実、
「あ、いや…。いやいやいやいや。…その…、何て言うか…。」

また陽織、
「うん…???」

愛実、一旦口を噤んで…、目をキョロキョロと。そして、
「陽織ちゃん…。その…、今の話って…。陽織ちゃん、自身、そぅ思って…???」

その声に陽織、今度はしっかりと愛実の顔を見て、
「何言ってんの…???…当たり前じゃん。私が自分の事、自分でそぅ思ってるんだから…。」

愛実、
「……。」

「…普通なら、誰かに会うなんて、とてもじゃないけど恐過ぎるよ。何がどうなっているのかも分かんない。ま。確かに。おばあちゃんが傍にいてくれるって分かってはいるけど…。」
一拍置いて陽織、また顔を戻して天井を見て、
「まっ。…でも、楽しかった。はは。」

そんな陽織を見て愛実、目を真ん丸にして、
「凄~~い。」
そして、何故か思わず顔の前で両手をパチパチと。
「凄~~い、陽織ちゃ~~ん。そんな風に感じてるんだ~~。」

陽織、その声に、また愛実に顔を…、
「えっ…???…何…???…どういう事…???…そんな風に感じてるんだって…???」

愛実、
「あ。…って言うか、実はね。」

陽織、今度はベッドから体を起こして、愛実に、
「ふん。」

「ユズもさ、私に、今の陽織ちゃんの言っている事と、同じような事。このまんまにしておきたくないって。なんでこうなったのか…。調べてみたい。探してみたいって…。」

その話に今度は陽織が、目をパチクリと、
「はっ…???」








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