「もぬけの殻。」 | THMIS mama “お洒落の小部屋”

ドキドキ 「…って、誰…???」
陽織。目をパチクリと…。

阿須賀、
「私~~。私だよ~~。阿須賀だよ~~。」

そんな阿須賀の左肩に右手を、
「おぃ。ちょっと、阿須賀。」

そんな亮輔に振り返って、
「何よ、亮輔~~。」

「おま。分かってるだろ、この時間に…。」
チラリと陽織を見ての亮輔。

瞬間、阿須賀、目を見開いて、そして左手で口を。
「あっ。わっ。」
すぐさま困った顔をして、
「えっ…???…って、事は…。」
そんな亮輔を見て阿須賀、何とも泣きそうな…、
「うぇ~~ん。…やだ、私…。」

そんな亮輔と阿須賀を見てのルシアと肇。ふたり、顔を見合わせて、何気に顔を凹ませる。
…けれども、当の陽織は、全く蚊帳の外のように、ニコニコとしながらビールとお摘まみを。

その時に肇、
「おっと、そうだ。陽織ちゃん。」

その声に陽織、思わず目をパチクリと、
「あ、はい。」

「今度、新しいドリンク、出そうと思ってるんだけど…。…まだ、試作なんだけど、飲んでみる…???」

いきなり陽織、
「いいんですか~~???」
ニコニコと。

「あぁ~~。」

陽織と2つ程席を開けて座っている阿須賀、
「あっ。マスター、私も飲みたい~~。」

そんな阿須賀を見て肇も、
「おぅ。ありがとう。」

阿須賀の隣で亮輔、口を尖らせて、小さな声で、
「やれやれ…。…って事は…。…もぬけの殻って訳か。ふ~~~。」
口を尖らせて。

「店…、始まる前に、今日、柚香さん、店に来たの。」
亮輔の隣でルシア。

その声に亮輔、ルシアを見て、
「おっと。マジ…???」

ルシア、顔をコクリと。
「うん。藪さんも一緒。」

亮輔、早速、
「じゃっ。この事、藪さんに電話。」
ポケットからスマホを…。

…けれども、その仕草をルシアが…、首を振り、
「ううん。…私も…、そうしようかと…、思ったら、肇が…。…いつものままでって…。」

亮輔、一瞬肇を見るが…。何事もないように振舞っている肇を見て、小さな声で、
「マスター。」

「とにかく、そのまま、見守るしか…。…当然だけど、今、汀家には、柚香さんは…。」

小さな声で亮輔、
「あぁ。柚香さんの部屋の…、もぬけの殻。…あ。…でも…。」
やはり亮輔、スマホを出して、画面に…。

そんな亮輔を見てルシア、顔を傾げて…。すると、優しく微笑むように…。
「うん。」

4回のコールで相手が出る。
「あ、はい。もしもし、俺だけど…。何…???…亮輔。」
スマホから聞こえてくる真輝の声。

時計の針は既に午前1時前。

「俺だけど、亮輔。遅い時間に悪りぃな。今、すぐそばに、陽織ちゃんが。」

その声に真輝、思わず目をキョロキョロと。そして、
「うそ。…えっ…???…マジで…???」
少し考える風な…。…けれども、
「あ。いや…。そんな…???…だって…。」

亮輔、そんな真輝に、
「あぁ。今、ルシアから聞いたけど…。柚香さんとおま、今日。」

「あぁ。丁度…、今から4時間前…。…ってか。店、始まる前に、柚香さんと一緒に。…どんな店かって…。」
「隣に、ルシアもいるんだけど…。」

瞬間、真輝、ベッドから…そして端坐位になって、頭をガクッと、
「あぃや~~~。…柚香さん…。」
「今、マスターが、新しいドリンク、試作っての作ってるの、陽織ちゃんも、阿須賀も、待ってる。」

「いやいや。大丈夫かな~~。」

その声に亮輔、
「ん~~~。何とも…。」

真輝、
「あっ。すぐ、藪岡さんに。」

亮輔、
「あぁ。…と、思ったんだけど…。ルシアが…。」

「はっ???」
「このまま、様子を見るって…。」

思わず真輝、
「あ。…そう…いえば…。…確かに…。いつも通りに…って。」

「多分な。」


僅かに沈黙。


そして真輝、スマホ越しに…。
「…で…???…陽織ちゃん、どんな感じ…???」

「ふん。何とも、ニコニコしてる。」

その時、奥のボックス席から、
「陽織ちゃ~~ん。」
女性客の声。

亮輔、
「おっと。」

真輝、
「あ、お客さんの声。」

亮輔も、右斜め後ろに顔を…。
「うん。」

女性客、
「同じの、お代わりくれる~~???」

「どっかの、店の女性かな~~。…それとも、ОL…???…まっ。そんな事は別に。…陽織ちゃん、その女性の相手、してる。グラス、預かってマスターに。」

声を聞きながら真輝、
「ふ~~ん。」

「あんな感じだよ。」
耳に届くルシアの声。

真輝、
「あっ、ルシアさん。」

亮輔、スマホをルシアに。

ルシア、受け取って、
「あ、もしもし、彼氏~~。」

その、「彼氏」と言う言葉に、思わず照れ臭そうに反応する真輝、
「あ、あ~~。先ほどは…、どうも…。」

ルシア、
「亮輔の言う通り、今、店に、陽織ちゃんが…。」

その声に真輝、
「あ、あ~~。えぇ。」

「とにかく…、成り行き…、見守るしか…ないかね。…あれこれと聞いても…。とにかく、記憶がないんだから…。話の展開は、期待できるとは…。」

真輝、肩の力を落として、
「ですよね~~。」

「まっ。幸い、今、亮輔もいるから。」
スマホを亮輔に。








LIBRA~リブラ~   vol,107.  「もぬけの殻。」

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


《PR》
庄司紗千 つつじヶ丘の坂道で…。

※ご本人の承認の下、紹介させて頂いております。

アメーバ