その声に愛実、
「へっ…???…またかって…???」
「思い出しちゃったんだよ、陽織ちゃん。おとうさんとお母さんが死んでしまってたって事。…そして、自分も。…2歳の時にね~~。」
その声に愛実、
「あ、あ~~~。」
「つい。この間、その事、知ったから。茶の間にある仏壇の写真。」
「そっか~~~。」
「ある意味…。まだ、何も解決してない。」
前屈みになり、顔に両手を当てて泣く陽織。
愛実、そんな陽織の背中を優しく摩って、
「陽織ちゃん。うんうんうん。そうだよね~~。悲しいよね~~。」
そして愛実、小さな声で、
「2歳の時に亡くなって…。それで、何かの拍子にユズの身体に戻ってきて。…けど、何が何だか…。」
そして愛実、真輝を見て、
「何が何だか…。…と、言うより、この…、意識で、生きているのが…。怖い。」
真輝もその声に頷いて、
「…だよね~~。」
愛実と真輝は既に飲み物は空になって…。
ベンチから…。
愛実、
「陽織ちゃん、立てる…???」
愛実、また優しく陽織の背中に左手を。そして右手を自分の右手で。
ゆっくりと陽織の体を起こしながら…。
けれども陽織、下を向いたままで、
「止めて。ほっといて。」
いきなり掴まれていた右手を引っ込める。
すると、今度は両膝をガッシリと曲げてのベンチに体育座り。
口は尖らせたままで、ムッツリとした顔。
そのまま頭を起して空を見つめて、ゆっくりと後ろに。
…かと、思えば、そのままの顏で、真っすぐ前を向いて、今度は前に。
両膝に両腕を回して。その瞬間、踵がベンチから下に外れてしまった。
いきなり体が地面に向かって。
真輝、そんな陽織を見ていきなり、
「危ない。」
愛実も瞬発的に、
「ちょっと、ユズッ!!!」
叫ぶような愛実の声。そして両手で陽織を…。
けれども間に合わない…かに、見えたが…。
その声に陽織、いきなり両手を解き、両足を地面に。
屈んだ体は地面スレスレに。
愛実が…、
「ちょ~~~っと~~~。何して…。」
「や~~~ば、やばやば。何~~???…転ぶかと思ったじゃ~~ん。び~~っくり~~。何なのよ~~。もぅ~~~。」
右足でタッタッタと。そしていきなり後ろを向いて…。
「いやいやいや。」
そこまで言って、
「えっ…???…私…、なんでここ…???」
そして愛実と真輝を見て、
「えっ…???…メグ…。…で…???真輝君…???」
すぐさま愛実、そして真輝、
「あっ。」
ポカ~~ンと。
愛実、
「もしかして…、ユズ…???」
真輝も、
「柚香…さん…???」
目をパチクリと。
今まで、陽織だったはずの…。
「うん。」
コクリと。そして…、目を右斜めに、
「…と、言う事は~~。」
そして、今度は、いきなりガッカリとしたように…。そして、顔をグシャリと、
「ふ~~~ん。陽織になってたか…。」
愛実も真輝も思わず肩から力が抜けて…。そして、お互いを見ながら、
「ふ~~~~。」
柚香、顔をグシャリとさせて、
「もぅ~~~。全然、覚えてないから~~。」
そんな柚香を見て愛実も真輝も、顔を見合わせて柚香を見て、
「まっ。確かに。」
柚香、ふたりに…。
「…って言うかぁ~~。」
思わずニッタリの柚香。
「今度は…、メグと、真輝君…かぁ~~。」
その声に愛実と真輝、同時に、
「ハッ…???」
「いやいやいや。」
目をパチクリと柚香、
「…と、言うのは…。ほら…。昨日…と言うか…。昨夜…???…なの…???…何だか、頭の中がゴチャゴチャと。」
真輝、その声に、
「うんうん。そうなっちゃうよね~~。こぅ…何度も…。」
柚香、コクリと。
「タクシーの中で、藪岡先生と真輝君。」
「うん。その話、さっき、ユズの部屋で聞いた。」
愛実。
「へっ…???…私の部屋で…???」
「だから~~。」
愛実。
「思いがけずあんた。家に帰った途端に、陽織になってたって。おばあちゃん、心配してたよ。」
そこまで話して愛実、下唇をビロンと。
「まぁ…あ…。私がユズのスマホに電話して。…そしたらな~~んか変な感じしたから~。ユズのスマホにおばあちゃんが出てきて。」
その声に柚香、
「…なんで…、私のスマホがおばあちゃんに…???」
「だから~~。その時点で陽織になってたって~~。それも…。」
愛実、目をパチクリと、そして口を尖らせて、
「たったの…、今まで…。私と真輝君の間に入って。」
柚香、瞬間、頭を下げて、お凸に右手を…。
「あ、そっか~~。」
真輝、
「まっ。…でも、これで、家に帰っても、おばあちゃんは…。安心すると思うけど…。」
愛実、真輝を見て、納得したように、
「うん。まっ。確かに。それは言える。」
「けど…。」
真輝、柚香を見て、
「今回の事は…。藪岡先生にも、電話で、話した。」
柚香、瞬間、目を右斜めに。そして瞬き。口を尖らせて、
「ふん。ふんふんふん。」
「だから…。」
真輝、
「もしかしたら…、先生…。もぅ…おばあちゃんには…。おばあちゃんの電話番号教えてくれって、言ってたくらい。」
柚香、2度程頷いて。

LIBRA~リブラ~ vol,092. 「ある意味…。まだ、何も解決してない。」
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庄司紗千 「雫音〜shizukune〜」
※ご本人の承認の下、紹介させて戴いております。
