「先生。…単刀直入に…。なんですけど…。」 | THMIS mama “お洒落の小部屋”

ドキドキ 柚香、熊沢に、
「先生。…単刀直入に…。なんですけど…。」

その声に熊沢、
「はい。」

僅かに柚香、両眉の先を吊り上げて、
「私…、ここに入院している間、何か…。変わった事って…。」

熊沢、その声に、柚香を見て、そして、真輝を見て…。
そして、熊沢、
「何か…、変わった事…と…、言うと…???…つまりは…。柚香さん。汀さん。」
そして熊沢、真輝を見て、
「勝巳君。真輝君も一緒にここに…。…と。言う事は…。…もしかして、汀さん、柚香さんの身に、何かが起きた…。…と、言う事…ですか。」

その話に、柚香。そして真輝も…、頭をコクリと…。

熊沢、口を噤んで…。そして…。静かに、ポツリと。
「そぅ…。ですか〜〜。」

柚香、そんな熊沢を、顔を傾げて覗くように…。
「先生…???」

瞬間、熊沢、息を吸って吐いて…。
「そぅ…。ですか〜〜。」
そして…。
「…ですね〜〜。…では。」

柚香、今度は顔を起して、
「先生。」

熊沢、
「…と、言うのも、実は…、これは…、循環器内科の…、私含め、ナース。つまりは看護師たちも知っている事です。」

瞬間、柚香も真輝も、
「えっ…???」

熊沢、
「もしかしたら…、柚香さん。…あなた…。陽織さんと言う、妹さんに…、変わってしまった。」

柚香、いきなり瞬きを。真輝は思わず口を噤む。

柚香、何かしら、確信したように…。
「…や、やっぱり…。」

熊沢、
「…と、言いますと…。」

柚香、熊沢に面と向かって、
「わ、私、昨日の…、と言うか、昨夜、陽織になってたんです。」

熊沢、その声に、けれども優しい声で、
「そう…ですか〜〜。」

柚香、
「そ…、それも…、何日か…、間隔を置いて。」

「間隔を…、置いて…。」
熊沢、唇を内側に巻くように、
「そぅ…、ですか〜〜。」
僅かに間を置いての熊沢。
「実は…。柚香さん、入院中も、陽織さんに変わった事があります。」

柚香、その声に真輝を見て、
「やっぱり…。」

「それも、突然に。…柚香さんのおばあちゃんからナースコールがありまして。…その時、私たちも慌てて病室に走った。…すると、おばあちゃん、先生…、柚香が…。私は柚香じゃない、陽織だって。」

真輝、すぐさま、
「解離性同一性障害」

その真輝の声に熊沢、頭をコクリと、
「えぇ。」

そして熊沢、ふたりを見て、
「…と、言う事は…、君たち。」

「はい。」
柚香も真輝も。
 

「私たち。」
柚香。

真輝も、
「陽織になって事、体験しているんです。」

けれども柚香、
「ただ…。私は、全く、その感覚。記憶すら、ないんですけど…。いつの間にか、意識が…。」

熊沢、
「そぅ…ですか〜〜。」
そして、
「いえね。病院でも、2回ほど…。柚香さんが陽織さんになった時がありました。」

柚香と真輝、熊沢を見る。
 

「おばあちゃんがとにかく心配して…。…まっ、確かに、そういう症状は医学的にあります。…ですから…。」
手振りをしながら、
「こういう症状で、こういう病名…。つまりは解離性同一性障害。…と、言う病名が…あります。…おばあちゃんに一度、説明しました。」

柚香と真輝、コクリと頷く。

「まっ。…けれども…、最初はおぱあちゃん。」
そして微笑みながら、
「先生、冗談はよしてください。揶揄わないでくださいよ〜〜。柚香が陽織になんて〜〜。…そんな風でしたが…。今度は、おばあちゃん、柚香さんにお見舞いに来た時には、病室にはいなくて…。」

黙って聞いている柚香と真輝。

「今度は病院の屋上に…。こんな景色、初めて見た。…と。陽織さんに変わっていた…と。」

柚香、
「病院の…屋上…。」

熊沢、一度ゆっくりと瞬きをして、
「えぇ。」
そして優しい声で、
「私たちも、実際に、驚きました。まさか…。こういう事になろうとは…。…実際、私にも。初めての経験です。目の前にいる患者さんが、まるで、別人格の人間に変わっている。」

真輝、
「別人格…。つまりは…、多重人格…。」

熊沢、今度は真輝を見て、
「そうです。そしてそれを医学的には…。」

また真輝、熊沢を見て、
「解離性同一性障害。」

熊沢、優しい顏で、僅かに頷いて、
「そうです。」
そして、熊沢、腕組みをして…。
「そして…、その後、陽織さんになってから…。おばあちゃん…。幸乃さん、ショックでね〜〜。……。…けれども…。何とか…、目の前の…。…つまりは柚香さんを、陽織さんだと…、認めざるを得なかった。」

柚香、黙って熊沢の話を…。

話は続く。
「そして…。多分…。その日は。そのまま…過ぎたん…だろう…。私たちも…。まぁ…、変な話。重症患者ではない限り、付きっ切りで柚香さんの病室だけを看る訳にもいかない。そして…。その翌日。私は…非番だったのですが…。連絡が入りました。」

柚香と真輝、熊沢を見つめる。

「陽織さんが…、柚香さんに戻ったと…。…そして…。丁度その時、柚香さんは…。」








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