そして、その蝶の一列はゆっくりと上空を飛びながら、やがて地上へと。
…そこは…。何やらお花畑の真ん中の草原のようなところ…。
葉子を始め、輪湖、秀美、海江田、そして匡子と佐武郎、
丁度バーベキューが始まったところ。
「おし。俺も仲間に…。」
そう思って蝶から下に降りようとするが…。
体の自由は利くのだが、降りようとすると、蝶からその下が…、足が消えていく。
「あれ…???…うそ…???」
何度も何度も繰り返すが、足も手も、消えていく。
そんな虎一郎を見兼ねた輪湖が、虎一郎の手を…。
虎一郎、
「わ―――――っ。輪湖、引っ張るなっ!!!」
そこで夢はパタリと消える。
ただ…、闇の中…。そして遠くからは葉子たちの楽しいお喋りが…。
…けれども、そこで虎一郎、ふと…、
「…ん…???…確かに、葉子の声…。何で、あんなに楽しそうに…???…はっ…???」
そして…、また、再び深い眠りに…。
夜8時。遠くで電話のコール。
掠れた声で虎一郎、
「もしもし…。」
自分のスマホを葉子に、海江田。
葉子、そのスマホに、
「もしもし。」
虎一郎、何かしら、安心したような声で、
「おぅ。葉子か…。」
「起きてた…???」
「起こされた…。」
「もしも~~し。」
いきなり輪湖が今度は葉子からスマホを渡されて。
虎一郎、いきなりの大きな声に、
「なんだよ、輪湖かよ。」
その声に、
「なんだよ、輪湖かよ。は~~ないでしょ。人が心配して電話してんのに~~。」
「…って…、コホ。それ…、課長のスマホだろ。俺、海江田って登録してあっから。」
輪湖、
「ビンゴ~~。」
そして、今度は秀美、
「コイチ先輩。早く良くなって~~。」
虎一郎、
「はは、秀美ちゃんか~~。ありがと。」
そしてスマホは葉子に。
「どぅ…???熱は…???」
「いや…。まだ…。アパート帰ってすぐに寝ちまって…。この電話で起こされた…。」
「氷枕…。」
「あ~~~。…でも、何とか…、アイスノンで…。」
輪湖、
「葉子、ちょっと、スマホ。」
葉子、
「あん。はい。」
輪湖、
「いい、薬ちゃんと飲んでよね。それと~~。しっかりと寝て。で、しっかりと熱対策。」
その声に海江田、ニッコリと。
「うんうんうん。」
匡子、
「なんなら…。私…。明日の午前中、行ってみようか~~。それこそ…、完全防備で…。」
その声に獏、
「おっと。匡姉ぇ、お願い出来るか…???」
匡子、
「ふん。OK~~。」
輪湖、
「ねぇ。コイチ~~。明日、匡子さん、あんたんとこ行ってくれるって。完全防備で…。」
スマホから、
「すんませ~~ん。」
匡子、
「サブちゃんから栄養のある料理、作ってもらって届けるよ。」
輪湖、
「ふふ。すみませ~~ん。おぃ。聞こえた…???」
「あぁ…。…いや…、しかし…。まさか…、今度は俺って…。完全に参った。」
「だよね~~。私も…酷かったけど…。」
そして輪湖、
「わっ。これ…、課長のスマホ。」
そしはて海江田に、
「課長…、すみませ~~ん。」
スマホを輪湖から受け取って海江田、
「あ~~。うん。」
そして耳に、
「…と、言う事で…。まっ。サブちゃんから、作り置きしてもらえ。明日、ふたりで行くそうだから。」
匡子、佐武郎を見て二コリと。
佐武郎も笑顔でコクリ。
通話が切れて…。
輪湖、秀美に、
「アパートの方は、不動産屋さん。いつでもOKって。」
その声に匡子も佐武郎も海江田も、
「へっ…???」
輪湖、
「あっ。そっか…。」
そして輪湖、葉子に、
「葉子~~。」
葉子、
「実は~~。秀美ちゃん…、アパートの事、おかあさんに話して…。まっ。凄い剣幕だったけど~~。」
匡子、
「うんうんうん。」
「まっ。何とか、話し、聞いてもらって…。…で、応え…、待っている訳だけど~~。」
匡子、またまた、
「うんうん。…で…???」
「それよりだったらって…。いっそのこと、アパート探しちゃえって、思って…。そしたら、輪湖が調べてくれて…。」
「へっへ~~。」
輪湖。
「私の住んでいるアパート~~。空室、あるのよね~~。」
匡子、
「へぇ~~。良かったじゃない~~。」
海江田も、
「おやおやおや。何とも…うん。同じ勤務先の人とのアパート。これほど心強いのってないな~~。うんうんうん。OK~~。」
葉子、
「そんな訳で~。秀美ちゃんの件は、ひとまず、これにて一件。」
海江田、
「落着と~~。」
匡子、
「それにしても…。あ、秀美ちゃんには、こういう話は、まずいか…。」
葉子、
「おかあさんの事…。」
「うん。」
その声には海江田も、腕組みして、
「う~~~ん。…でも…。」
葉子、前を向いて、
「…うん。でも…。ある意味…、擁護って言うのも…。甘やかすって言う訳じゃないけど…。本人にしてみれば…。」
その声に海江田、口をへの字にして、
「高齢出産ねぇ…。」
いきなり輪湖、
「あの夢。…一体…なんだったんだろ…???」
匡子と海江田、
「夢…???」

こんな私です。〜選葉子(すぐりようこ)〜 vol,194. お花畑の真ん中の草原のようなところ…。
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庄司紗千 「雫音〜shizukune〜」
※ご本人の承認の下、紹介させて戴いております。
