いきなり爽太、
「姉ちゃんっ!!!」
男性、
「や~~っばっ!!!」
すぐさま女性を抱き上げアクセサリーのエリアから、そして辺りを見回して…、
「あった。取り敢えず、あそこに。」
トイレの傍のダイニングベンチに向かって。
爽太、
「あ、あの…。」
姉を抱き抱えながら大急ぎで早歩きする男性。
爽太、困った顔で、
「どうなって…???…姉ちゃん。」
男性の腕に抱かれて葉子、未だに気を失ったまま。
ようやく壁際のダイニングベンチに。そして男性、腰を下ろしてゆっくりと女性を…。
爽太、
「姉ちゃん。」
男性、女性の右手首に軽く握って。そして今度は首に手を…。
そして後ろを振り向き、
「あっ、君、この人の事、姉ちゃんって…???」
爽太、いきなりの声に、
「あっ、はい。僕の姉です。」
「ちょっと。」
いきなり男性の右手を握って引っ張る。
爽太、
「おっと…。」
前のめりになる爽太。
男性、
「いいかな。」
そして男性の左手と右手を、
「こうして。」
爽太、
「あっ。」
「そして…。」
葉子の胸の部分を…。
「両腕は出来るだけまっすぐ。」
「あっ、はい。」
「腕で押すんじゃなくって、体で押すように、やってみて。」
爽太、
「あっ、はい。」
そして2度程。
いきなり葉子、頭をカクン。
男性、
「ちょっと待って。」
すると葉子、すぐさま口を開けて息を。そして両目を開けて、
「へっ…???」
目をパチクリと。
「えっ…???えぇ…???」
いきなり爽太、しかめっ面をして、
「姉ちゃん。」
男性、ニッコリと、
「なんとか…、大丈夫そう…。」
いきなり体を起こして葉子、また目をパチクリと、
「へっ…???私…、何…???どうしたの…???」
そして、目の前の男性を見て、
「あっ。」
いきなり顔を赤らめて、
「す、すみません。」
左手で頭を…。そして頬を…。そして鼻に、口に。
「私…、どうして…???」
爽太、
「姉ちゃん、弾みで倒れそうになったのを、この人に…。その時、急に息が出来なくなって、気を失っちゃったんだよ。」
瞬間、葉子、アクセサリーエリアに顔を、
「あっ、そういえば…。」
そんな3人にゆっくりと近づいてくる女性と女の子。女性、
「あ、あの…。大丈夫ですか…???」
女の子も、
「お姉ちゃん。」
女性、
「ごめんなさい。この子が急に振り向いて、あなたにぶつかって。」
爽太、その声に、頭を掻いて、
「あ~~。いえ…。」
女性、目の前の女性に…、
「あのぉ…。」
男性、
「もぅ、大丈夫みたいですよ。急に、呼吸困難になっただけのようです。」
女性、
「そうですか~~。」
男性、ニッコリと、
「えぇ。お気になさらず…。」
その声に女性、深々と頭を下げて、子供を連れてその場を…。
男性も、
「まずは良かった。じゃあ、僕も…。」
右手を上げて。
葉子、
「あ、ありがとう…ございました。」
男性ニッコリと。そして、その場を離れる。
爽太、姉を見て、
「姉ちゃん。」
葉子、そんな爽太を見て、
「ふん…???」
爽太、顔をふぃと男性の方に。
ツンとして葉子、
「何よ…???」
「いいのかよ、あの人、名前、聞かなくても…。」
その声に、
「へっ…???…あっ。」
けれども葉子、
「ばか、何言ってんの、迷惑でしょ。そんな…。」
「…いや…、迷惑なんて…、そんな…。だって…。」
「だってもへちまもない。…ふん。」
葉子、いきなりの出来事に、
「まさか、こんな事に…。何がどうなっちゃったのか…。」
そしてゆっくりと立ち上がり、爽太に、
「行くよ。」
爽太、そんな姉に、
「行くよって、何処に…???」
「決まってんでしょ、アクセサリーよ。手頃なの見つけて、ゲットしなさい~~。」
爽太、
「アクセサリーかぁ。な~~るほど~~。」
葉子と爽太、アクセサリーコーナーで気に入ったものを見つけて購入。
帰宅して…。
稜平、
「呼吸困難…。」
爽太、
「うん。」
キッチンでは由佳理も葉子から聞いて、
「呼吸困難…。」
葉子、
「うん。」
「へぇ~~え~。…で、大丈夫だったの~~???」
「ふん。何とかね~~。」
稜平、
「へぇ~~。男性の人~~。」
「俺の手を引っ張ってさ。」
爽太。
「うんうんうん。それ、人工呼吸の…。」
「うん。そぅ~~。」
そして稜平、
「…で、その人、名前…???」
その時、爽太、
「ほ~~ら、姉ちゃん、とうさんだって。」
リビングのソファから聞こえるその声に葉子、
「え~~、何か言った~~???」
こちらはこちらで料理の音でふたりの声が聞こえていない。
由佳理、ぐつぐつと煮えてる鍋に、
「OK、いいみたいね。…で、葉子~~。その人、名前は…???」
トレイに食器を置きながら、葉子、
「へっ…???…ううん。聞いてないけど。」
その声に由佳理、
「うそっ。勿体な~~い。」

こんな私です。~選葉子(すぐりようこ)~ vol,010. いきなり爽太、「姉ちゃんっ!!!」
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