次の日曜日、電車の中で葉子、隣に座っている爽太に、
「…ったくもぅ〜〜。」
そして電車を降りてホームに。そして葉子、歩きながらまた爽太に、
「なんで私があんたの買い物に付き合わなくっちゃなんないのよ〜〜。」
そして、某デパートに入ってすぐに…。また葉子、口を尖らせて、
「だから〜〜。なんで…。」
「姉ちゃん。帰るまでそれ、言うつもりかよ。」
その声に葉子、口をへの字に、
「だ〜〜って〜〜。」
葉子より5つ違いの爽太、この春に遂に彼女が出来た。
なんと、彼女の方からの爽太にアプローチ。
そんな彼女、この5月の末に25歳を迎える。爽太と同い年のなるのだ。
「旅行会社に女性の人っているんじゃないの。」
そんな姉に爽太、
「あのね~~。俺の会社の女性。既婚者と既に彼がいる女性だけって、俺、姉ちゃんに何度も言ってるんだけど…。」
フロアを歩きながら…。
「…ってか、何で扶桑じゃねぇんだよ。姉ちゃん、詳しいだろ。」
そんな爽太に葉子、
「バカね~~。自分の勤務しているトコで買い物したってしょうがないじゃない。当然、リサーチもしなきゃ。…それに…。」
「それに何…???」
「会社の誰かに会ったらどうすんのよ。」
その声に爽太、
「い゛っ???…それって…、どういう意味…???」
「後々、一緒にいた人って誰…???…って聞いてくるに決まってんでしょ。」
エスカレーターに乗って。
爽太、
「ふ~~ん。…でも、その方が、良くない…???…姉ちゃん、もぅ…、30。俗にいう、三十路。まっ、彼氏がいても、全然OKな歳…、ではあるよな~~。」
葉子、途端に爽太を睨みつけるように、
「はぁ~~あ~~???」
ツンとして葉子、
「私、帰る。」
瞬間、爽太、いきなり両手を顔の前で合わせて、頭を下げる。
「ごめん。申し訳ない。分かりましたよ、分かりました~~。」
そして、小さな声で、
「まっ、全然感情を顔に出さないって…。そんな人だからね~~。」
あちらこちらを見ての葉子、爽太に、
「なんか言った~~???」
「いいえ~~。」
そして爽太の前になって、タンタンと歩く葉子。
「ふんふん。ふんふんふん。」
背筋を伸ばして、あちらこちらを…。
そんな姉を見て爽太、
「さっすが、見る気満々。…って、どこ行くんだよ。」
そんな爽太に葉子、
「まずはどんなのがあるのかチェック。」
「ヘイヘイ。」
そして最上階まで…。すると今度は、
「下、行くよ。」
爽太、
「はっ…???」
そして今度はエレベーターで1階まで…。
化粧品売り場をサササササと見回して葉子、
「はい、次行くよ~~。」
そんな姉に爽太、
「えっ…???…ここじゃないの…???…てっきり…。」
「ばかね~~。あんた、初めてできた彼女さんに、いきなり化粧品を誕生日のプレゼントなんて、何考えてんのよ。もらう方の身にもなってみなさいよ。」
腕組みしながら葉子。
爽太、
「あっ、いや…。でも…。」
「化粧品って、単価が高いでしょ。そんな高いの貰ったって、嬉しくもなんともないでしょ。」
そして、化粧品エリアから出て、今度は同じフロアのアクセサリーのエリアに…。
葉子、
「ふ~~ん。ここなら…いいかも…。」
爽太は、顔を傾げて、
「そんなもんですかね~~。」
爽太、まだ化粧品に思いが残っている風に、化粧品エリアを見ながら後ろ向きで歩き…。
その時、小さな女の子だろう、いきなり振り向いて爽太のお尻の辺りにぶつかり…。
爽太はその弾みでバランスを崩し…、かと思いきや、
「わ~わわわわ~。」
丁度左腕を伸ばしたところに左手が何かに触った。その瞬間、何とか体勢を立て直し…。
…が、何かから強く押された拍子で、前のめりになった者。
それが葉子だった。
葉子、思いがけず、
「えっ…???」
体が前のめりに…。完璧に体勢が崩れて身体が倒れる。目を真ん丸に。
その瞬間、いきなり身体の動きが止まった。しかも、強い力で…。
誰かの両手が右の肩、そして左の肩を支えた。
いきなり、息が出来なくなった葉子、口を窄ませて、
「ウッ!!!」
そして聞こえてきた声、
「大丈夫ですか…???」
その声に目を見開いて、その声の元に目を。目を真ん丸に、そして目をパチクリと…。
口を窄ませたままの状態で…。腰を下ろしたままで葉子、息が出来ない。
瞬間、左手を喉に。すると、また同じ声の人。男性の声、
「大丈夫ですか???大丈夫ですか…???」
懸命に左手で喉に。そして右手は何かにつかまっていたい風に。
そしてその右手を…。声の主が自分の左肩に…。
数秒後…。葉子、遂に目を閉じて、体がダラリと…。

こんな私です。~選葉子(すぐりようこ)~ vol,009. 電車の中で葉子、隣に座っている爽太に…。
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庄司紗千 つつじヶ丘の坂道で…。
※ご本人の承認の下、紹介させて頂いております。
