「将輝君、今頃、バスケ、部活かな〜〜。」
杏美、ベッドに腰掛けながら…。
そんな声にそれぞれが、
「ん〜〜〜???」
そして理沙を見る。
そんな視線に理沙、
「へっ…???なんで…???…私…???…って、言うかさ〜〜。」
理沙、みんなに、自分の思いの丈を…。
そして、瑞樹家の玄関でみんな。丁寧にお辞儀をして、
「お邪魔しました〜〜。」
杏美、
「じゃね、理沙〜〜。」
麻理絵、
「ばいば〜〜い。」
みなにこやかに。
車椅子を押しながら和奏、
「な〜〜んとも、楽しい時間。」
蒼介、
「だ〜〜ねぇ〜〜。」
理沙、
「ねぇ、おとうさん、おかあさん。」
和奏、蒼介、
「ん〜〜〜???」
「私、学校、行きたい。部活、見たい。」
蒼介、
「えっ…???」
そして和奏を見て…。
和奏、蒼介を見て…。
そして3日後…。名城高校、正面玄関。
蒼介、事務員に、
「あのぉ〜〜。すみません。瑞樹ですけど〜〜。」
「あっ、はい。お待ちください。」
その後…。玄関にぞろぞろと…。
そして、体育館から廊下を軽やかに走る音。
教師陣に丁寧にお辞儀をする蒼介と和奏。
車椅子の理沙、
「校長先生、教頭先生。」
理沙、薄っすらと目を潤ませ…。
坂崎、ニッコリと、
「瑞樹さん、おかえり。」
室越、
「うんうんうん。退院、おめでとう。…いや、しかし、大変でした。うん。」
和奏、
「先生方には、本当に、ご心配、お掛けしました。」
蒼介、
「いろいろとお見舞い、ありがとうございました。」
室越、
「いえいえ。とんでもない。えぇ、教師陣、みんなの気持ちですから。」
一樹、
「瑞樹〜〜。おかえり。かかか、みんなに聞いて、うん。待ってた。」
理沙、笑顔で、
「はい。」
室越、
「おっと。」
パシンと手を打って、そろそろと…。玄関の壁に立て掛けておいた道具。
その道具を持ち抱えて、
「これなんですがね。急遽、学校側で用意しまして…。」
蒼介、
「おぅ〜〜。」
和奏、
「凄〜〜い。」
室越、
「これね。意外と、便利もので…。…何と、高さが調節できるって…。」
室越、玄関に置いて、
「まずは…、どうぞ。」
和奏、車椅子を押して、室越が置いたスロープの上を…。
理沙、
「わは。」
教師陣、
「おぅ〜〜。」
「わぁ〜〜。」
何処かから、
「教頭、やるもんですなぁ〜〜。」
坂崎、
「これ、作るのに、2日、掛かってましたから…。」
室越、
「校長先生…。」
「あら、ごめんなさい。」
車椅子毎、廊下に…。
蒼介、車椅子のタイヤを一周、ウエスで拭いて。
理沙、それぞれの教師から言葉を…。その都度、
「ありがとうございます。」
一樹、教師陣それぞれに頭を下げて。
「じゃ、行きましょうか。」
一樹。
理沙、
「うん。」
和奏、蒼介、
「お願いします。」
坂崎と室越も伴って。
廊下を歩きながら一樹、
「久々に、制服、着たな〜〜。」
理沙に。
理沙、
「うん。かか。」
そんな理沙を見て微笑む一樹。
聞こえてくる体育館からの部員たちの声。そしてボールの音。
そして、体育館のドアが開く。その瞬間、
「キャ――――――ッ!!!!理沙――――――っ!!!!」
一樹、
「かかかか、みんな、お待ちかねだ。」
バレー部員たち、しかも全員。
「理沙。」
「理沙。」
「理沙。」
「先輩。」
「先輩。」
「先輩。」
「理沙。」
中には涙を流している部員も…。
理沙、涙を流して、
「うんうんうん。ただいま。ただいま。」
和奏も思わず零れた涙を左手で。
「先輩、車椅子。」
理沙、
「うん。脚、動かないから…。」
杏美や麻理絵たち、
「理沙〜〜〜。」
理沙、
「摩季〜〜。麻都香〜〜、亮子〜〜。」
3人とそれぞれ、ハグ。
3人それぞれが、
「ごめんね〜〜。一度も見舞い…いけなくって〜〜。」
理沙、
「ううん。だって、3人共に、忙しいんだもん。うん。」
ネットの向こうは男子バレー部。男子たちも理沙を見て…。同じクラスの男子もいる。
「瑞樹、負けんな。」
「頑張れよ。」
「おかえり。」
そんな声に理沙、
「うん。ありがと。ただいま。」
男子バレー部顧問、萩島永治(はぎしまながはる)、
「よ〜〜し、練習再開〜〜。」
そして、
「うんうん。瑞樹、おかえりだ〜〜。」
一樹、
「よ〜〜し、ほぃ、こっちも練習再開〜〜。」
それぞれ、
「はい。」
その声が体育館に響く。

信じて…良かった。 vol.054. 「私、学校、行きたい。部活、見たい。」
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庄司紗千 花笠音頭
※ご本人の承認の下、紹介させて戴いております。
