そして凛久、椅子上、腕組みをして、
「それに…、初めて会ったばかり…、電話番号なんて…。」
そこに、編集長の添川、
「霧島君~~。」
凛久、
「あ~~、はい。」
「3番、外線、入ってるよ~~。」
「あ~~。ありがとうございます。」
そして3番のボタンを…。
「はい、ナターシャ編集部、霧島です。」
すると、
「はい、凛久~~。お疲れ~~。」
その声に凛久、いきなり、
「い゛っ!!!…しゃ…。」
一気に、周囲を見回して…。そして編集長の添川を…。
添川、そんな凛久を見て、からかうような笑顔で…。
凛久、びっくりしたような顔で、真ん丸の目を右左に…。
その瞬間、顔をグシャリと…。右手で頭を掻いて…。
受話器の向こう、
「凛久、ちょっと待ってね~~。」
の声が…。
そのすぐ次に、また別の声。
「もしもし…。…あっ、すみません。元木です。…あの…。」
その声を聞いた瞬間、凛久、一気に背中に感じる冷や汗。頭の中で、
「…う、うそだろ…???」
受話器を通して、
「あ…、あの…。霧島さん。先日は…どうも…、ありがとうございました。」
その声に凛久、右目を瞑って顔をグシャリと…。
「あっ。…いいえ…。あ、はい。…いえ…、こちらこそ。」
受話器を左手で押さえるように…。また凛久、頭の中で、
「…マ…、マジ…???…この電話に…、掛けてくるって…。おぃおぃおぃ。」
美祢、机の前で自分のスマホで電話をしている七星ににっこりと。
凛久、慌てて、
「あ…、あ…、あの…。元木さん…???」
すると、受話器の向こうから、
「ま…、また…、お会いして、しょ…、食事でもって…、お願い…したいんですけど…。よろしいでしょうか…。」
凛久、咄嗟に、顔をグシャリと…、頭の中で、
「…い~~~。…いやいやいや。なんで…???」
しかも…、七星の傍には美祢がいるという。
「…ま~~じぃ~~。」
凛久、思わず左手で頭を撫でて、
「す…、すみません…。今…、仕事中で…。」
「あっ、あ~~。そう…ですよね。」
自分の腕時計をチラリと見て七星、時計の針は、確かに、午後1時30分を数分過ぎた時間。
「ご、ごめんなさい。今、社長のスマホから電話で…。す…、すみません。良かったら、今から言う電話番号に…、霧島さん、時間があるときに、電話いただければ…ありがたいんですけど…。」
凛久、
「あ…、あぁ~~。」
その頃、総務のドアを開けた侑里、
「お疲れ様で~~す。ナターシャの羽田で~~す。」
すると総務のひとりの社員、
「あら、侑里ちゃん、お疲れ~~。」
侑里、総務の中、端から端を見て、
「あ~~。西蔵(にしくら)さん。お疲れ様~~。元木さん…いるぅ~~???」
西蔵と言われた女性、西蔵綾女(にしくらあやめ)。どっぷりとした風貌の55歳。
総務部にとっては、一番の最年長株であり、一番の情報通。
「あぁ~~七星ちゃんなら、今…、多分…、社長室。」
侑里、
「社長室…???」
「ふん。さっき、古野上部長から社長室に行くようにって…呼ばれてたみたいだから…。」
瞬間、侑里、目を真ん丸に、そして口は真一文字。そして頭の中で、
「…あっちゃ~~。先…越されちゃったか~~。」
西蔵、そんな侑里を見て、
「ふん…???どしたの…侑里ちゃん。七星ちゃんに用事~~???」
侑里、
「あぁ…。うん。ちょっと…お願いしたい事…あったんだけ…どぉ~~。」
辺りを見回しながら、
「ん~~。ん…じゃ…。また…出直すわ。ちょい…。プライベートな事だから…。ふふん。」
凛久、既に電話が終了して。左肘を机の上に…、そして、
「参ったね~~。こりゃ。…って言うか、叔母貴も叔母貴だぜ…。…ったくもぅ~~。」
「霧島君~~。」
編集長の添川、机の上で、右人差し指をクィクィと…。
凛久、ゆっくりと机から身を起こして椅子から立ち上がり、添川の下に…。
「何かしら…、料理番組、新しい展開に…。嬉しいことだけど…、霧島君にとっちゃあ~~。何かしら…心…浮かない感じだけど…???ん~~???…何か…、別件かな~~。ふふふ。…もしかして…、社長から、何やら…???…ふふん。」
凛久、そんな添川に、
「編集長…???」

薫子と茉祐子~その愛~ vol.109 編集長の添川、「3番、外線、入ってるよ~~。」
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