「忙しかった…かしら…???」
薫子。
事務局には数名の職員。
凛久、編集部のドアを開けると、同じ編集部の女性編集部員。
凛久にニッコリと。そして口パクでありがとう。
その口パクに両眉を上下に。そしてニッコリと。そしてスマホ越しに、
「いえいえいえ。…私の方は…、昨日の夜に、ウチの社長から…。」
その声に薫子、
「あら。そうだったの~~。私は今朝、六条プロデューサーから…。」
「そうでしたか~~。…なにかしら…、また、一緒に仕事出来るようで…。」
「そのようで…。よろしくお願いします。」
廊下で立ち止まり、窓の外を見ながら、
「こちらこそ…。良い仕事、できること…、期待…してますよ。」
凛久。
「あらためて、こちらこそ…、よろしくお願い致します。…あっ。昨日、先生の著書、買わせて頂きました。」
その声に薫子、
「あら、嬉しい。」
「かかかか。先生の著書、買ったと思ったら、いきなり夜に社長から電話で…。」
「あは~~~。…それにしても、小暮社長、お若いですよね~~。それに、凄い貫禄。圧倒されましたけど…。あれで、霧島さんの…叔母様。」
凛久、
「あっ。えぇ…。はは。まぁ…。かかかか。僕なんか、手玉に取られてますよ。思いっきり、上から…ですから…。」
「へぇ~~。…でも、そんな風には見えないけど…。霧島さんも、中々どうして~~。ははは、女性…ほっとかないんじゃなくてぇ~~。」
その声に凛久、
「かかかか、先生…、からかわないでくださいよ。そんなのは…、全然。」
その時、ふと、美弥と食事をした事を思い出して、ひとりの女性を…。
けれども気を取り直して、
「まだ、企画が通っただけで。詳しいことは…これからと言う…。」
「うん。そうみたい。…けど…、鳳出版がスポンサーなんて…、凄いわよね~~。」
「まぁ…。その辺の…詳しいことは…。」
「うん。そうみたい。」
そこに事務局に入ってきた恵津子。
薫子、
「では…、まずは…ご挨拶と言う事で…。」
凛久、そんな薫子の声の調子に…、
「あっ。はい。分かりました~~。」
薫子、
「では、失礼します。」
凛久も納得して通話を切る。
「ふふん。」
そしてまた編集部に戻る。
恵津子、
「昨日…、あの子たち、どうだったのかしら…???」
薫子に。
薫子、
「えへぇ~~???ん~~。そればっかりは…ねぇ~~。」
自分の椅子に戻った凛久に、有里、
「なに、もしかして…。元木七星…だったりして…???今の電話。」
その声に凛久、
「はぁ~~あ~~???…全然…。」
有里、その声に拍子抜けして、
「おっと…。んじゃ、今の電話…???」
そんな有里に凛久、
「あぁ~~。成宮先生。」
「へっ…???」
「昨日の夜、社長から電話あってさ。」
「おや。うん。…で…???」
「なんとも…、成宮先生の料理番組、あるでしょ。」
「うん。」
「その番組、最後の方にひとつ、コーナーを作って、番組自体…、3分だったかな、長くするんだって…。」
「へぇ~~。」
「そのスポンサーが、ウチ、鳳出版。…で、その3分だかのコーナーで、成宮先生の個性的な面をまたまた構成しちゃって~~。その記事を俺が書くって…。…で、エマーブルで全国販売。」
「ふ~~ん。」
「成宮先生も、その話、今朝、聞いたばかりで…。企画成立で、よろしくお願いしますって…。その電話。」
有里、
「おやおやおや。んじゃ。3分は…3分でも、何かしら…新しい何かが、展開って…訳かしら~~。」
凛久、
「ん~~~。」
「…で、ここだけの話。」
有里、凛久の顔に近づいて、
「どうなのよ、元木七星…???」
その名前を聞いた瞬間、凛久、いきなり頭をガックリとさせて…、
「勘弁…して…くんないかなぁ~~。」
そして左手で前髪を掻き上げて。
「全~然っ、その気ないっつうのに…。」
有里、その声に、
「おやおやおや。…でも、彼女の方は~~。」
凛久を見て、にったりと…。
「どっかな~~。」
凛久、
「あっ。それより…、羽田さん、頼んますよ。ほんと。」
「へっ…???なんだっけ…???」
椅子から立ち上がる有里。
その有里に、
「ちょっ、ちょっと~~。」
有里、
「かかか、分かってますよ~~ふふん。」
そして、
「総務…行ってきま~~す。」
凛久、
「おっと~~。」

薫子と茉祐子~その愛~ vol.108 「忙しかった…かしら…???」薫子。
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