そして、寿司屋「仁」の玄関の前。
凛久、
「いやいや。趣ありますね~~。」
薫子、
「んふ。」
その時、仁の玄関のドアが開いて。
中から出てきたのが…、
「あ…、あれ…???…えっ、え~~。成宮ちゃん。」
TBAテレビ局次長の後田国明である。
薫子、
「わっ。わわ。後田局次長っ!!!」
そして、後田の次に出てきたのが一人の女性。
「はいはい。後田局次長、お待たせしました~~。」
そして目の前の女性を見て、
「あら、お知り合い…???」
その声に後田、
「えっ…???あれ…???…坪井専務、彼女、ご存じない…???」
その声に坪井と言う女性、
「えぇ…。」
薫子の隣にいる男性を見て…。
後田、
「これは、これは…。」
そして薫子に手を差し伸べて、
「こちら、料理研究家の成宮薫子先生。」
その瞬間、坪井と言う女性、両手をパン。
「あ~~。はいはい。うんうん。思い出した。雑誌で…。はいはい。」
薫子、目の前の女性にお辞儀をして…、
「ありがとうございます。成宮です。」
後田、薫子に坪井を紹介して、
「成宮ちゃん、こちら、ライフトータルヘルス「ユメリアン」専務取締役、坪井千賀(つぼいちか)さん。」
薫子、
「わぁ、ユメリアンの…。ウチ、洗濯洗剤やシャンプーは、ユメリアンなんです~~。」
千賀、成宮と言う女性の声に、
「あら。嬉しい~~。ありがとうございます。」
そして千賀、成宮に右手を差し出して。
薫子もその手を握り、
「こちらこそ、ありがとうございます。」
そして後田、隣の男性を見て、
「…で…、成宮ちゃん、こちらは…???」
薫子、
「あっ。」
凛久の顔を見て…。
凛久、
「初めてお目に掛ります。雑誌、ナターシャの、霧島と申します。」
薫子、
「番組の特集…担当してくれた編集者さん。」
その瞬間、後田、大きく顔を頷いて、
「あ~~~。はいはい。あなたが…あの特集を…。」
凛久、
「はい。その節は…お世話になりました。」
「いえいえ。こちらこそ~~。お陰様で、視聴率…嬉しいことに…。」
後田、にっこりと…。そして千賀の背中の方に右手を回して、
「それ…じゃ~~。専務…。」
千賀、
「あっ、そうね。」
そしてふたりを見て、
「それじゃ、私たちは…。」
薫子と凛久、自分たちから離れるふたりの背中に丁寧にお辞儀をして…。
玄関の中に…。
ドアを閉めて、ふたり同時に、
「びっくりした~~~。」
そしてお互いを見ながら、
「ぷっ。くくくくく…。」
薫子、
「いやいやいや。なんで、TBAテレビの局次長と会うかな~~。」
首を傾げて。
凛久、
「ねぇ~~~。かかかか。」
そして薫子の顔に近づいて、
「お仕事の話…でしょうかね…???」
その声に薫子、可笑しがって、
「さ…ぁ…???くくくくく。」
そしてお店の中に…。
カウンターが見えてくる。
いきなり、
「いらっしゃいませ~~っ!!!」
声高らかに。
薫子、
「大将、こんにちは~~。」
カウンターの中の仁に笑顔で…。
仁、
「いえいえ。こちらこそ~~。先生からお電話がありやして、しっかりと…席、取っておきました~~。」
「すみません。ご無理お願いして。」
「とんでもない。ご贔屓してくださいまして、ありがとうごぜぇやす。…今日は…、娘さんでは…???」
その声に薫子、
「さっすが~~。良く覚えてる~~。」
「けけけけ。美人さんのお顔、この目と頭に、しっかりと…へぇってますから…。けけけけ。」
薫子、凛久に右手を、
「こちら、雑誌社の方。」
凛久、
「雑誌、ナターシャの、霧島と申します。」
仁、
「おやおや。雑誌社の編集者さん。これは、これは。」
そして、
「さすが、先生、お忙しくされてなさる。いいねぇ~~。」
薫子、
「ありがとう~~。」
「けけけけ。さて。なんしぁしょう~???」
仁、凛久の顔を見て…。
「この前、ここに来たときは、おまかせ…したの…。」
凛久、
「へぇ~~。そうなんですか~~。」
少し口を尖らせて、
「ふ~~ん。じゃ、僕も…それ…お願いしようかな~~。」
薫子、
「そっ。じゃ、私も…。大将、お願いできる…???」
「へぃ。頂戴いたしぁした。但し、前回とは、ちと、違いまっせ~~。」
にっこりと…。
薫子、
「わお。楽しみ。」

薫子と茉祐子~その愛~ vol.82. そして、寿司屋「仁」の玄関の前。
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