「ゲラ刷り、見たんですけど、さすがに。なかなかどうして~~。永瀬絢美。そ~~んな感じ。」
笑顔で凛久。
その声に薫子、
「へぇ~~。うんうん。じゃ、次の号が…楽しみ。」
「えぇ…。期待して、よろしいかと…。」
「うん。」
「あっ、先生。」
薫子、
「はい。」
「昨日は…どうも…。」
薫子、そんな凛久の声に、顔をクシャリとさせて、
「もぅ~~。こっちもよ~~。心臓に悪かった~~。かかかか。」
「まさか…、六条プロデューサーのお宅で、お会いするなんて…。」
「完璧に…やられちゃったね~~。はははは。」
凛久、頷いて、
「はい。こちらもです。…けど…。さすがに美味しかったですね~~。」
薫子、
「うんうんうん。」
少し間を開けて…。すると薫子、
「ぷっ。」
凛久、
「どうしました…???」
薫子、
「かかかか。昨日の事…、思い出したら、急に、お腹が…空いてきちゃった。」
「あっ。かかかかか。」
「さてと。帰ってご飯…、作らなくっちゃ。」
凛久、
「あっ。」
薫子、
「ふん…???」
「先生…、これから…ご自宅に…???」
「えぇ…。」
「それじゃ~~。ちょっと、僕に…付き合って…いただけません…???」
薫子、
「へっ…???」
「ほら。次は僕が先生にご馳走する約束で…。」
薫子、目をキョロキョロと、そして前回の事を思い出して、
「あっ。あ~~。そっか~~。」
まっすぐ前を見ながら…。
凛久、
「もし…先生…が、よろしければ…。」
にっこりと…。
「いえね。あれから、この辺の飲食店、あれこれ調べたんですよ。」
その声に薫子、
「あらあらあら。」
凛久、
「先生の…好きな…のは…???」
「私が…好き~~。ん~~。なんでも好きなんだ…けど~~。得てして言えば、やっぱり…和風~~。」
その時、一瞬頭に過ったのが…。薫子、
「くく…。」
凛久、その顔に、
「へっ…???」
「今、すんごい、意地悪な事…考えちゃった…。」
顔をくしゃりと…。
凛久、
「えへ…???」
「お寿司なんて…、どお…???」
凛久、目を真ん丸く、口を開けて、
「いいですね~~。うんうん。お寿司、僕も好きです。」
けれども薫子、少し顔を顰めて、
「じゃ。少し…。いや…。結構…高いかな~~って、思うんだけど~~。」
凛久、
「えぇ…。」
「場所は…この周辺じゃ…ないんだけど…。車で、30分…くらい…掛かるかな~~。」
「はいはい。」
「お寿司屋さん…行く…???」
凛久、にっこりと、
「えぇ、えぇ…。」
薫子、
「じゃ、ちょっと、お店に電話入れなきゃ。予約じゃないと…、入れないかも…。」
「へぇ~~。」
通路を歩きながら凛久。
薫子、
「じゃあ~~。ジムのエントランスで…待っててくださる。」
「はい。」
数分後、ジムのエントランスで外を見ている凛久に、
「お待たせ~~。」
薫子、にっこりと。
凛久、
「はいはい。」
「OKだって。お待ちしておりますって…。」
「へぇ~~。」
薫子、凛久に意地悪そうに顔を傾げて、
「でも…、高いわよ~~。あそこのお寿司~~。…けど…、とにかく絶品。」
その声に凛久、
「おぅ、おぅ。でも…、逆に、期待できますね~~。はははは。」
「うん。」
そして…、30分後に到着した店が…、寿司屋「仁(じん)」
凛久、
「へぇ~~。寿司屋、仁。」
薫子、
「うん。以前に茉祐子ちゃんと一緒に来て、もぅふたりともに、納得。」
「へぇ~~。」
薫子、
「はいはい、降りた、降りた。」
凛久、
「あっ、先生、タクシー代。」
「いいから、いいから。」
そして、薫子、運転手に、
「運転手さん、はい、これ…。」
運転手、
「毎度~~。」
タクシーから降りて、凛久、
「先生…すみません。」
「女に恥をかかせない。」
その声に凛久、
「えっ。え~~~。」
そして、店の玄関までの通路を歩くと一組の男女。
女性が目の前を歩くふたり連れを見て、目を真ん丸く。
そして軽くお辞儀を…。
すれ違う…。
凛久、
「先生…、知ってる人…???」
薫子、わずかに首を左右に、
「…いえ…。」
そして顔を傾げて…。

薫子と茉祐子~その愛~ vol.81. 薫子、「心臓に悪かった~~。かかかか。」
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