仕事をしながら千晶、
「…って言うかさ。道理で勇吾、あの時、サービス精神旺盛だったじゃ~~ん。その訳が…。」
その声に茉祐子も、首をコクリと、
「うん。納得。」
「いやいやいや。…でもさ…。なんで経理の…文歌と…勇吾…???その接点が…分かんない。…そもそも…、なんで…、その…合コン…???」
その声に千晶も茉祐子も、首を横に振り、
「ふん。」
千晶、茉祐子に、
「勇吾に追い越された~~。」
茉祐子、困ったように顔を歪めて…、
「あはははははは。」
TBAテレビ局、アメニティスタジオのドアを開いて一颯の肩をトントンと。
「ヨッ、一颯ちゃん。」
その声に一颯、
「おっと、局次長~~。」
TBAテレビ局次長の後田国明(うしろだくにあき)である。
一颯、
「お疲れ様です。」
そんな一颯に後田、
「うんうん。お疲れ様~~。」
「どうしたんです~~???…なんだか…、にこにこしてますけど…。」
後田、
「そりゃ、にこにこしたくなっちゃうでしょう~~。あれだけ宣伝効果されちゃあ~~。成宮薫子~~。」
その声に一颯、腕組みして、綻んだ顔で、
「ふふふふ。うん。まぁ~~。はははは。はい。嬉しい限りです。」
「うん、もぅ~~。成宮薫子、さまさまだよ~~。なんかさ…、15分と30分じゃ…、物足りなくなってきてるんですけど~~。こちらとしては~~。」
一颯、その声に、
「あっ。いやいやいや。無理言わんでくださいよ、局次長~~。彼女は、彼女なりに…。これで…精一杯なんです。料理教室もあるし~~。」
そして、
「まっ、その料理教室も…今や好評で…。その上に、彼女、書籍も…あるんですから…。」
後田、
「そのようで…。でね。そんな成宮薫子の特集した、月刊ナターシャ。やたらと売れ行きも好調で、発売して既に5万本突破…。いきなりド~~ンと、右肩上がり。」
一颯、
「へぇ~~~。」
「…って、事で、今日、これからそのナターシャの鳳出版の社長と僕と、エクレール。ほら。成宮薫子の特集と一緒に、別のページなんだけど、エクレ―ルの化粧品のページもあったでしょ。そのエクレールの本部長と会食~~。」
一颯、
「これは、これは…。是非、楽しんで…。」
「はいはい。」
そして後田、
「今度、成宮薫子、僕にも紹介してよ。」
一颯、
「あれ…???局次長、彼女…、会った事なかったっけ…???」
後田、
「ごめんごめん。」
自分の頭を撫でながら、
「僕…、てんで…料理は…、はははは。カミさんまかせ…だから…。」
「おやおや。はいはい。では…、機会がございましたら…。」
後田、踵を返して、一颯に右手の平を…。
「ではでは…。」
一颯、にこやかにも口を一文字に。そして後田に一礼をして、頭を上げて、
「やれやれ…。…けど…。あれ~~。局次長、成宮ちゃん…、会った事なかったっけかな~~。」
頭を傾げて…。
「六条さ~~ん。OKで~~す。」
姫乃。
一颯、
「あ~~い、んじゃ、行くよ~~。」
茉祐子、いつものデパート、その2階を歩きながら、
「あっ。はははは~~。」
その声に、手摺から体を起こして、
「ヨ~~。また会った~~。」
凛久である。
「霧島さん、何見てるんですか~~。」
同じように手摺から下を…。
凛久、
「ん~~。かかかか。あれ~~。」
下のベンチで小さな女の子と男の子、なにやら…お菓子で喧嘩しているような…。
けれども、その喧嘩も収まってはまたぶり返し、また収まってはぶり返し。
傍のベンチで座っている母親らしき女性は、ただふたりを見ているだけで、笑顔のままで…。
茉祐子、その景色を見ながら、
「あ~~。はははは。かっわいい~~。」
凛久、
「うん。子供が喧嘩しても、全然怒らないで、ただ見ている。ふ~~ん。」
茉祐子、
「あはっ、霧島さんて、子供…好きなんだ。」
「えへ~~。そりゃ、うん。好きですよ~~。」
「へぇ~~~。そんな風に見えないですけど~~。」
「そりゃ、ないよ~~。茉祐子ちゃ~~ん。」
その声に茉祐子、
「えっ…???」
いきなり顔を赤くして…。
凛久も、
「あっ。いや…。ごめん…。ははは。ごめん…。気安…過ぎた。」

薫子と茉祐子~その愛~ vol.49. 千晶、茉祐子に、「勇吾に追い越された~~。」
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庄司紗千 「雫音〜shizukune〜」
※ご本人の承認の下、紹介させて戴いております。