帰宅して茉祐子、
「ただいま~~。…って、あれ…???おかあさん…。」
すると茉祐子のスマホにラインの着信音。
「おっと…。」
そしてメッセージを見て…。
「茉祐子ちゃん、ごめんごめん。急にスケジュール組み直さなきゃならなくなって、なんだかんだ、連絡事項もあるから…、1時間程、遅れちゃう~~。」
実は、成宮料理教室、入会者が増え、今まで午後には組んでいなかったのが、
組むことになってしまったのだった。
帰宅した薫子、
「ごめんね~~。お腹…空いたでしょ。」
茉祐子、
「ううん…、平気。…でも、おかあさん、大変。それじゃ、今まで午後から行っていたフィットネス、どうなるの…???」
そんな茉祐子に薫子、
「うん。局の料理番組もあるから、今後、夕方のフィットネスになっちゃうな~~。」
「そっか~~。」
「…とは言え、我が家の…夕食の準備までには…間に合うけどね~~。」
その声に茉祐子、思わず、
「ラッキー。かかかか。」
けれど茉祐子、薫子に、
「でも…、あんまり無理しないでね~~。私だって、料理…やっちゃうよ~~。」
そんな茉祐子に、
「かかかか。確かに、茉祐子ちゃんの料理も…美味しいもんね~~。さすがは、母親譲り。」
薫子、エプロンをしながら、
「さて。始めますか~~。」
茉祐子、椅子から立ち上がり、
「あ~~。私も手伝うよ。」
「サンキュ~~。」
そして…。
薫子、
「あ~~。そういえば、その後、どう…???ナターシャの茉祐子ちゃんの記事…???」
その声に、
「あ~~。霧島さん…、来週には、校了になるって…。」
「へぇ~~。じゃ…いよいよ印刷…。」
「うん。」
「楽しみだね~~。」
その時、テーブルに置いた薫子のスマホに着メロ。
「あ~~。はいはいはい。」
スマホを手に、
「おほ。恭弥。」
茉祐子、その声に、
「わっ。」
薫子、
「はいはい、私~~。」
スマホの向こう、
「あ~~、姉さん。」
「あんた、今、どこいるの~~???」
「今は…ここ~~。中国~~。九寨溝」
薫子、
「きゅうさいこう…。」
目を上に…、
「…って、どこ…???」
薫子、後ろを向いて、
「茉祐子ちゃん、知ってる…???中国のきゅうさいこう…って…???」
茉祐子、
「きゅう…さい…こう…。」
首を横に振り、
「ううん…。分かんない。」
薫子、
「どういうとこよ~~。」
スマホの向こうで恭弥、
「えっ…???…なに…???」
薫子も、
「もしもし~~。」
言葉が途切れて聞こえる。
茉祐子が自分のスマホで九寨溝を検索。
「あ~~。あった、あった。ねね、おかあさん。」
薫子、
「電波状態…悪いね~~。」
こちら、中国の恭弥も、
「案の定、電波状態、悪ぃや。まっ、繋がっただけでも、御の字か…。」
するとスマホから、「もしもし~~。」
「お~~っと、姉さん…???」
薫子、茉祐子のスマホの画像を見て、
「あんた…、凄いとこ、いるのね~~。中国の秘境だって。ユネスコの世界遺産。」
「そうそう。何とか…声…、聞こえる。」
薫子、
「もしもし~~。」
恭弥、
「明後日には…そっち、帰るから。」
また言葉が途切れ途切れで聞こえてくる。薫子、スマホを耳に、
「え~~???なんて言ったの~~???…あ、て、そ、るら。…何がなんだか…、さっぱり分かんない。」
茉祐子、クスクスと笑いながら、
「電波…悪いんだ。かかかか。」
スマホからまた聞こえてくる。
「あさって…。あぁ…、明後日か…。」
「聞こえた~~???」
そしてようやく、
「あぁ、明後日には、そっち、帰る。ふんふんふん。や~~っと、ちゃんと聞こえた~~。」
その瞬間、茉祐子、
「わっ、やった。」
そして茉祐子に薫子、
「恭弥、明後日にはこっち、帰ってくるって。」
茉祐子、
「うんうんうん。しっかりと聞こえた。キャハ。明後日帰ってくる。恭弥さん。くくくく。」
両手で口を押えて。
薫子、そんな茉祐子を見て、スマホ越しに、
「茉祐子ちゃん、物凄い楽しみな顔してるぞ~~。恭弥~~。」
その声にスマホの向こう、
「え~~、なに~~???」
薫子、顔をくしゃりとさせて、
「また聞こえてない~~。もぅ~~。」

薫子と茉祐子~その愛~ vol.29. 成宮料理教室、入会者が増え…。
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庄司紗千 花笠音頭
※ご本人の承認の下、紹介させて戴いております。