応接ブースに侑里と凛久を茉祐子。
侑里、
「ありがと。」
茉祐子、
「羽田さん、ご無沙汰しております。」
侑里も茉祐子を見て、
「ねぇ~~。」
勇吾は黙って座ったままで…。
侑里、
「こちら、霧島さん。」
茉祐子、
「はい。」
凛久にお辞儀をして…。
「実はフリージャーナリストなの。」
茉祐子、その声に、
「フリー…???」
勇吾も目をキョトンと。
「だったんだけど~~。ウチの編集長から、散々ウチに来るようにって薦められてたのをようやく…。…で、晴れて先月。ナターシャに。…で、私が今取引先を一緒に回ってるって訳。…でもって…、どうせなら、いっそのこと、今の時点で、霧島君自身が目を付けている素材もドッキングさせよう…ってことになって…。」
茉祐子、侑里の話に何度も頷きながら…。
「…で、今回は、ほらほら。エクレールの夏からの…新しいの…。」
茉祐子、
「はいはい。アイリーン。」
「あれは…もぅ…、既に雑誌社…、決まってるでしょ…。」
茉祐子、勇吾を見て、
「えっ…、え~~。まぁ…。」
「だから~~。私たちは…、ひとつ、角度を変えて…。」
茉祐子、
「角度を変えて…???」
侑里、
「うん。」
30分後…。エクレールを出る侑里と凛久。
侑里、エレベーターの中で、
「どぅ…???エクレール…???」
凛久、
「えぇ…、気に入りました。いろんな素材…あるような…。」
「そっ。気に入ってくれてうれしい。」
「ここって…???」
侑里を見ながら凛久。
「うん。本部長の宇治川愛耶乃。彼女、私の大学時代の先輩なの。」
「へぇ~~。」
「凄いよ、彼女。」
その声に凛久、
「ん~~???」
「おとうさんがドクター。」
「ほぅ。」
「…で、小学5年の時に、おとうさんの都合でアメリカのテキサス州…。」
「はい…???」
「そこのヒューストンで、高2まで…、生活してたって…。…で、日本に帰ってきて…高校に編入。…でもって、大学に…。」
その話に凛久、
「なになに、思いっきり帰国子女じゃないっすか~~。」
ピルのエントランスを出て外に…。
侑里、
「ふん。そう。…でも、まっ、お医者さんのおとうさんの後は継がずに、メイクリストを目指したかったんだって。」
凛久、
「へぇ~~。」
そして空を見て、
「うんうんうん。なんだか…分かるような気がする。」
「ふふ。でしょう~~。綺麗だもんね…。」
その侑里の一言に凛久、目をキョロキョロと…。
「あっ、いや…。」
咄嗟に。
「…とは言え、既に、既婚者ですから…。かかかか。」
笑いながら…。
凛久、
「羽田さ~~ん…。なんか…、勘違い…してません…???」
その声に侑里、
「はっ…???」
右目を歪めて…。
すぐさま凛久、思い切り息を吸って、
「ふん。いいえ…。」
侑里、
「よろしぃ。…でも、いざ、メイクリストになる…。専門学校に通って…。いろいろと…。おとうさんとおかあさんにも言われたんだって。おまえほどの成績で…、なんでまた…大学以外の専門学校に…。もう少し、考えたらどうだって…。」
凛久、
「へぇ~~。」
侑里、続ける。
「…で、あれこれ考えて、悩んだ末に…。当時、なんだっけな~~。物すごいバカ売れした化粧水があったの…。テレビでも雑誌でもめちゃくちゃ取り上げられて…。…あれが切っ掛けじゃなかったかな~~。私決めたって…。私にメールよこして。化粧品会社にするって…。」
凛久、
「ほぅ~~。…で、ここ、エクレール…???」
侑里、その途端に頭を右左に振り、左手をひらひらと、
「いやいやいや。」
「へっ…???」
「いやいやいや。そこの化粧品会社…、今…、日本に存在しないわ。」
「はい…???」
「愛耶乃…、半年でその会社…辞めた。…で、次に、いろいろと調べて、ここなら…と、思って入った会社が~~。」
侑里、
「振り返って、エクレール。…ふふん。いい会社だよ~~。さすがは愛耶乃、トントン拍子に本部長。しかも、社員にも愛されてるも~~ん。」
凛久、
「へぇ~~~。」

薫子と茉祐子~その愛~ vol.7. 「ふふ。でしょう~~。綺麗だもんね…。」
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