伸永、
「七瀬…さん…???」
奈都美、続ける、
「ひょろひょろしてて、もぅ~~。勘弁してよ~~って、いいそうな人…。なんだけど~~。」
黙ったままで奈都美を見る伸永。
「でも、そいつね。意外や意外、なんとも他の人も考えつかない事思いついて、それを実際にやっちゃうって…人。しかも、そいつ、映画が大好きで、美術系も凄いの。…なんでだろうね~~。」
奈都美、目を潤ませながら…。
伸永、
「七瀬…さん。」
「しかも…、めちゃくちゃ強い。」
奈都美、空を見上げながら、
「私ね~~。実は、そいつから、2回も…助けられた…。」
そして今度は、クシャクシャした顔で、
「全く、シャキッとはしてなくってっ!!!」
そして、
「なんなんだよ、この男は~~。って…思える人。…なんだけど…。…なんだけど…、私には…、どうしようもなく…、傍にいて欲しい人なんだ。」
一拍置いて、
「そうっ!!!私の傍にいて欲しい人。こんにゃろ。」
伸永のお腹に右パンチを。
伸永、
「痛てっ。」
そして奈都美、自然に、伸永の胸に頭を。
「あんたが…好き。ノブ…。」
伸永、
「なな…せ…さん。」
伸永の胸に頭を…奈都美、動かない。
「七瀬さん…。」
伸永、
「僕…、こんな…だし…。他のみんなよりは…。全然…。」
そんな伸永に奈都美、まだ伸永の胸に頭を…。
「今のままで…いい…。…今のまんまの…ノブでいい。」
奈都美、ようやく伸永の胸から頭を離して、そして伸永の顔を…、
「私の…傍にいて…。」
伸永、
「僕…なんかで…。」
奈都美、体が自然に上に、そして目を閉じて…。
伸永も、そんな奈都美の顔を近づき、唇を重ねる。
数秒。
そして離れる唇。お互いに抱きしめ合い。
奈都美、
「ノブが好き。」
一週間後、優里亜、
「ほぃ、できた~~。おっまたせ~~。」
テーブルに二人分の料理を…。
翔、
「おほほほ~~。うっまそう~~。」
「へへへへ。食べよ、食べよ。」
「いっただっきま~~す。」
「それにしても…。」
翔、そんな優里亜に、
「うん…???」
「ナツ…、どうしてるかな~~???…って思って…。商品企画開発部で…???」
翔、
「あっ。いや…。全く…。今までと変わんない。」
優里亜、
「ふ~~~ん。そっ。」
会社では、一切プライベートの事にはシークレットの奈都美と伸永。
けれどもいつも通りに…。
「尾田君、できた~~???」
伸永、
「あっ、あっと…、もうちょっと…。」
内海、そんな奈都美と伸永を見て、
「…???…どうなってんだ、あいつら…???」
そしてこちらは…、瀧澤…、にっこりと、
「ふん。静かに…見守りましょうか…。」
そして奈都美と伸永、プライベートでは、しょっちゅう伸永の家に奈都美。
梨花から料理も教わって、
「わあ…、うんうんうん。おいしそう~~。」
梨花、
「でっしょう~~。ははは。」
そして…。
「うんうんうん。ナッちゃん、上手、上手~~。」
「ありがとうございま~~す。ノブ~~。できたよ~~。」
伸永、ソファに座ったままで、
「ヨッシャ。」
梨花、瀧澤にだけは、今の伸永と奈都美の事は、話してあった。
「よ~~し、食べよ、食べよ。」
笑顔で梨花。
葉月から、数日前に事の成り行きを聞いていた剛輔、
「道理で、来るのが減ったなぁ~~と、思ってね~~。美玖ちゃん。」
美玖も、
「うんうんうん。…まさか、翔君もナッちゃんも…。」
奈都美と翔、そして伸永が、以前より少しは、店に来る回数が減ったマルシェ。
剛輔、
「ふ~~ん。まっ、予想は的中。…と言うより、美玖ちゃん、俺より、先に、当ててたからね~~、都と尾田ちゃんの事…。」
美玖、
「ふふ~~ん。」
「しっかし…、都と尾田ちゃんがね~~。」
「いいじゃないですか~~。ふたりとも、しあわせなら~~。」
「まっ、そうだな。」
そんなところに、ドアを開けて。
剛輔、
「おやおや。ようやく…、おいでなすった。」
美玖、笑顔で、
「ふふ。おかえり~~。」
奈都美、
「つかれた~~。私、生。」
剛輔、
「おぅ。」
「僕も生でお願いします。」
伸永。
「はいはい。」
葉月、
「私はレモンサワーね。」
美玖、
「は~~い。ふふ。」
朋代、
「私も…レモン。美玖ちゃん。」
「はい。」
そして…、いつもよりピッチの早い伸永、
「うんうん。旨い。」
奈都美、
「ほんと…早い。こら、ほどほどにね~~。ノブ~~。」
剛輔、
「おやおや。ノブってか…。」
伸永、
「あははは。潰れたら、ナツさんに、介抱してもらいますから。」
美玖、
「ナツさん…。」
唇を尖らせて、目を真ん丸に。
奈都美、伸永の頭を左拳で、コツン。
「私が梨花さんに怒られるんじゃん。」
剛輔、
「おやおや。」
葉月、朋代、口をへの字にして、
「ごちそうさま~~。」
病院では木綿子、
「ナツ~~。尾田ちゃ~~。良かったね~~。」そして、
「おし。私も、あと、2週間、頑張んなきゃ。」
剛輔、いきなり、
「お~~い。」
奈都美、目を閉じて、
「ノブ~~。」
伸永に寄り掛かる奈都美。
そんな奈都美を伸永、
「お~~っとっとっとっ。」
けれども、しっかりと抱き支えて。
葉月、朋代、
「はい…???うそでしょ。」
伸永に支えられながら奈都美、目を開けてみんなを見て、
「ニッ。」
Vサイン。
剛輔、苦笑いをしながら、
「…ったく。かかか。」
美玖、
「あはははは。」
葉月、奈都美の右太ももをペン。
「…もぅ~~。」
一同、大笑い。
奈都美、「へへへ。」

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庄司紗千 「雫音〜shizukune〜」
※ご本人の承認の下、紹介させて戴いております。