「お馨から電話、あったのよ~~。多分、この時間までやっていると思うから。帰り、お願いできる…って…。」
運転しながら梨花。
奈都美、
「部長から…???」
「うん。…あなたたち、あんまり寝てないって言うから…。ほら、一昨日は会社に徹夜だったし。夕べは…???ちゃんと…、寝たの…???」
その声に奈都美、
「あ。あははははは。」
梨花、
「…でっしょう~~。それに今日…。とにかく…無理しない、無理しない。あっ。伸永、七瀬さんの家、分かるよね。」
伸永、
「あぁ…。」
「ナビして。七瀬さん、着くまで、寝てていいわよ。少しでも、休みなさ~~い。」
伸永、梨花を見て、
「あ~~。うん。そうだね。」
奈都美、右手を振って、
「あ~~。いやいやいや。そんな…、送ってもらって…、車の中で、眠るなんて…。そんな…図々しい事…。」
梨花、
「かかかか。まっ、だよね~~。…でもさ、窓に凭れていると…、自然に…。」
そう言われて奈都美、後部席に座りながら、辺りは真っ暗。
自然にバッグからスマホを…。
午後から何も記録のない画面。自然に頭が窓に。目を瞑ると…。自然に…。
運転しながら梨花、
「ふふふ。」
伸永、
「姉ちゃん、その信号右。」
「おぅ。」
シャワーを浴びながら翔、姉の泉美の声を思い出していた。
翔、
「マジで…???…姉ちゃんの言うとおりに…。」
そして、今現在の奈都美と伸永を頭に巡らせ…。
「今は…、入って行けねぇもんな~~。」
そして壁に握りこぶしを…。
「なんでだよ、…ったく~~。俺…、なんか悪い事、したか~~。」
頭から離れない、優里亜と奈都美。そして伸永。
「七瀬さん。七瀬さん。」
その声に奈都美、
「あっ。はい。へっ…???」
「着いたわよ。」
運転席側から梨花の声。
奈都美、右左に目を、
「あっ。ほんとだ。あ、ありがとうございます。」
そして頭の中で…、
「…ほんとに私…。寝ちゃってた…。」
伸永、
「お疲れさまでした。」
奈都美、
「うんうんうん。お疲れ様~~。お姉さん、ありがとうございました~~。」
梨花、
「うん。じゃね。しっかりと…休んで~~。」
奈都美、車から降りて丁寧にお辞儀をして…。
車内から手を振る梨花。
伸永、窓を開けて、
「おやすみなさい。」
奈都美、
「うん。おやすみ。」
遠ざかる車。奈都美、玄関に向かいながら、
「うわぁ~~~。」
思い切り欠伸。
そして、いよいよ約束の日。
商品企画開発部の面々から健闘を称えて送られた奈都美と伸永、
ホテル・インスタンベルのエントランスを…。
そして萌咲と龍二。加えてシェフのロナルド。
1時間後、ふたりはガッシリとシェフのロナルドと握手を交わしていた。
そして奈都美とハグ。伸永ともハグ。
美緒、
「良かった~~。」
その知らせはすぐに瀧澤の下に。
瀧澤、スタッフ全員に、
「インスタンベル、OKサイン、出たよ~~。」
感極まる部署内、
「ぃやった~~~。」
湧き上がるスタッフたち。
瀧澤、
「うんうんうん。」
内海、
「っしゃ~~~。」
「やってくれたぜあのふたり~~。」
康。
その報せは出掛け先の葉月、そして翔、靖子にも。
葉月、
「うっひょ~~。かかかか。や~~り~~。」
翔、歩道を歩きながら、思いっきりのガッツポーズ、
「ッシャ‐―――――っ!!!」
靖子、
「やってくれたね~~うんうんうん。」
「か~~んぱ~~い。」
剛輔、
「んふふふふふ~~。」
美玖、
「はは。」
「まっ、忙しくなるのは、これからだけど…。とにかく、今は、美酒を、楽しもう。おめでと、尾田ちゃん、ナッちゃん。」
珍しく伸永の隣には康が…。
伸永、
「ありがとうございます。主任。」
奈都美、生ビールを一気に半分程。
「ん~~~。おいし。最っ高~~。」
葉月と朋代、
「うんうんうん。」
剛輔、
「今日は…、主任の奢りですか~~。」
そんな剛輔に康、右手をヒラヒラとさせながら、
「かかか。勘弁してくださいよ。俺なんか、とても、とても、そこまでは…。日々、食っていくのが…精一杯。」
葉月、
「ま~た、またまたまた~~。ダ~~イさ~ん。」
康、
「いやいやいや、ほんと、ほんと。」

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庄司紗千 海をこえて
※ご本人の承認の下、紹介させて戴いております。