真っ赤な顔で葉月、そのままドアの外に。
伸永、
「えっ…???えぇぇぇぇ…???」
そして、靴を脱いで、
「お邪魔…。」
そしてリビングに…。
壁にただ茫然と立ち尽くしている優里亜。青ざめた顔をして…。
伸永、その顔を見て、目をパチクリさせて…、
「加…瀬さん…???…え…っ。なんで…???」
口を噤んでいる優里亜。立ったままで、体を縮こまらせて…。
伸永、
「か…翔さん…???」
翔、ゆっくりとリビングに…。
「尾田…ちゃん。」
伸永、また、
「か…け…る…さん。」
そして優里亜を見て、
「加瀬…さん…。」
その瞬間そのままベッタリと床に腰を落とす優里亜。
翔、
「優里亜…。」
伸永、茫然としている優里亜を見て、
「加瀬さん…。」
伸永、翔に振り返って、
「どうして…加瀬さんが…ここに…???」
優里亜、黙ったままで床に目を…。そして、小さくポツリと…。
「ご…、ごめん…なさい。」
伸永、
「加瀬…さん。」
そして、また振り返って、翔を見て、
「翔…さん。」
そして、
「…七瀬さん…。悲しませないでください。」
そして翔にコクリと頭を…。
「お願いします。」
そのままその場を離れる伸永。
バタンと玄関のドアが閉まる。
部屋の外。
下を見下ろすと電柱に奈都美と葉月。奈都美が電柱に頭を…。
そんな奈都美を抱きかかえるように葉月。
そんなふたりに近づいて伸永、
「七瀬さん。カンちゃん。」
葉月、顔だけ伸永に振り返って、涙を流しながら、
「尾田…ちゃん…。」
伸永、
「帰りましょ。」
葉月、奈都美の右肩を撫でながら、伸永の顔を見て、
「うん。ナツ〜〜。」
伸永、奈都美の背中に近づいて、
「七瀬さん…。」
その瞬間、奈都美、いきなり後ろに振り返って、伸永に、
「ノブ――――――っ!!!!」
抱き付く。
葉月、そんな奈都美の行動に、
「!!!!」
伸永、
「おっと〜〜。」
奈都美、伸永に抱き付きながら、
「あ〜〜〜ん。」
目をパチクリとさせながら葉月、
「ナツ…、あんた…???」
わずか1分足らず。伸永を抱しめながら奈都美。
少しずつ気持ちが落ち着いて…。
奈都美、伸永から体を離して…、
「ご…、ごめん…。」
葉月、伸永と奈都美をただ茫然と見ながら…、
「ナ…、ナツ…???」
そして奈都美、今度は葉月の左肩に、凭れるように…。
葉月、そんな奈都美を抱きかかえるように、
「ナツ〜〜。」
伸永、
「帰りましょ。」
葉月、
「う…、うん。」
歩き始める3人。葉月の左肩に凭れるように奈都美。
そしてそんな奈都美を支えるように葉月。
葉月、少し、いじわるそうな声で、
「ナツ~~。もしかして、あんた…。尾田ちゃんの事…。」
その声が奈都美には聞こえなかったのか、
ただ下を見て歩いている奈都美、無反応。
葉月、今度は奈都美の左肩をトントン。
その時奈都美、
「へっ…???…何…???」
ふいと葉月を見て、虚ろな眼差しで…。
そんな奈都美を見て葉月、思わず、
「ふっ。いいやもぅ~~。」
空を見ながら…。
「尾田ちゃ~~ん。帰るよ~~。」
ふたりの後ろで伸永、
「はい。だから…歩いてますけど…。」
その声にも葉月、
「ぷっ。だよね~~。」
そのまま…、3人共に、それほど話す事もなく駅に…。
そして改札を通り、ホームに…。数秒で電車が…。
電車に乗り込めば、丁度空いたシートに奈都美と葉月。
伸永はふたりの前でつり革に捕まって。
電車が動く。
葉月、奈都美をしっかり自分の右肩に寄せ付けて。
そして奈都美と葉月の最寄り駅。
ホームに降り、そして階段を…。そして改札を通り…。
葉月、
「ナツ~~。帰ろ。」
そして後ろを向いて、
「尾田ちゃん…、ありがと。もぅ…いいよ。」
そんな葉月に伸永、口を尖らせて。
「…とは…言え…。かかかか、ここまで来て、ありがと。もぅ…いいよ。…は、ないよね~~。」
そして葉月、伸永に向かって右手で招き。
ゆっくりと歩きながら…。
そして奈都美の家。
伸永、
「ここですか~~。」
葉月、
「うん。ナツの家~~。七瀬家。」
そして奈都美の体を…。
葉月、奈都美を前に、両肩に手を、そして押して、
「ほぃ。」
奈都美、グラリと体を前に。
そして止まって、葉月に振り返り、葉月の左肩に頭をポン。
「ありがと。」

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庄司紗千 つつじヶ丘の坂道で…。
※ご本人の承認の下、紹介させて頂いております。