病院に着いてすぐさま、
「こっち。行きましょ。」
朋代、
「さっすが。早い。」
緊急救命センター、ナーステーション。
梨花、
「お疲れ様、池辺です。」
看護師の森村絵美(もりむらえみ)、
「あら…、奥様…。こちらへ…???」
「こっちに救急で搬送されてきた…。」
伸永の隣の女性を…。
奈都美、梨花に軽く会釈をして、
「あの…、すみません。菱川木綿子と言う女性が…。」
看護師の森村、
「あぁ…、2時間ほど前に、緊急で…。あぁ、はい。ご案内します。どうぞ。」
ナーステーションから出て4人を案内する看護師。
梨花、3人に、
「ここの主任、森村さん。」
3人、頷く。
「先に、2名様、お出ででしたけど…。」
森村。
奈都美、
「部長と、課長…。」
朋代、
「うん。」
伸永、
「姉ちゃん。」
梨花、
「あっ。主任、他にもまた、来ると思いますから、お願いします。」
森村、
「はい。分かりました。」
そして、
「こちらです。」
「ありがとう。」
奈都美、ドアを開けて。
すぐさま顔を向けた瀧澤、
「お疲れ。」
内海、
「おぅ。」
奈都美、朋代、
「ユッコ。」
伸永、
「お疲れ様です。」
瀧澤、
「のぶな…、梨花さん。」
3人と一緒に病室に入ってきた女性に内海、
「…???」
そして、
「お馨…さん…???」
梨花、
「お馨…。」
そして、軽く頷いて。奈都美を見て、
「こちらが、伸永に電話くれて…。」
瀧澤、
「そうでしたか…。」
梨花、
「ご家族の方は…???」
「実家が…奈良なの…。だから…。明日の…朝にでも…。」
「そぅ…。」
奈都美、
「部長、課長…、ユッコ…。」
内海、
「左手首断裂。左足骨折。全治3か月…だ…そうだ。はぁぁぁ…。」
朋代、
「どうして…。こんな事に…???」
「今、警察で、事情聴取。大学生の女性、ひとりが…。」
腕組みをしながら、内海。
「大学生の女性…???」
奈都美。伸永を見て。
伸永、唇を絞ってきつい表情。
瀧澤、
「ユッコ…。」
木綿子の右手を握り絞めて。
「許せない…。」
梨花、
「お馨…。」
「代わりになってあげたい。」
眠っている木綿子。頭や頬にも包帯。
木綿子の顔の近くまで来て奈都美、
「ユッコ…。誰がこんな…。」
そして、
「いくら男気質でも、暴行なんて…。太刀打ちできないよ。」
内海、壁に凭れながら、
「お馨さんとは…違うから…。」
そんな内海に瀧澤、
「庸ちゃん。」
「はい。すみません。」
奈都美、
「かわいそ…。」
「ふたり組の男性だって…。警察が言ってた。」
木綿子の手を握りながら瀧澤。
「私がここに着いた時には、まだ警察とその女性、いたのよ。」
「俺は、その…警察と女性が病院を出ていくのと同時に…。」
内海。
「女子大生。まっ、確かに、その子、ぼんやりと歩いていた…らしい。そして男性の肩にぶつかって…。何かしら、因縁…付けられた。」
瀧澤。
「そして裏の方に引っ張られて…、そして悲鳴。その悲鳴が聞こえてユッコ、その場所に。暴行されているのを見て、そして止めに掛かった。その子を守ろうと自分が盾に。…けれども…。」
内海、奈都美、朋代、伸永、
「……。」
「女子大生の身体には、特に問題は…なかったって…。けど…ユッコは、この通り。」
「酷い。酷すぎる。」
奈都美、涙を流しながら、
「女子大生を守りながらって…、ここまでするわけ…???左手…、それに…足首まで…折れる…なんて…。」
奈都美、鼻水を啜りながら、
「信じらんないよ。」
そして奈都美、伸永を見る。
「尾田君…。」
険しい表情が変わらない伸永。
そんな奈都美の声に、瀧澤、内海、そして朋代、
「えっ…???」
瀧澤、
「伸永が…???ナッちゃん…???」
そこにドアが開いて。
「失礼します。」
と言って入ってきた葉月と翔。そして康に勇喜雄。

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庄司紗千 「雫音〜shizukune〜」
※ご本人の承認の下、紹介させて戴いております。