それからまた1時間。
じっくりと画面に齧り付きになっている勇喜雄と内海のふたり。
内海、
「ムラ~~。ほぃ、コーヒー。休憩しようや。」
勇喜雄、
「あざ~~す。」
すると、画面上、
「あれ…???」
勇喜雄、
「確…か…。数秒前に…、この女の子…たち…。」
内海、
「ん~~。」
「いや…、一度、このコーナーに来て、別の…。」
すると、勇喜雄、
「あ~~~。」
内海、
「何々…???」
「課長~~。ここ、ここ、ここ。一度ケース手に持って…。戻してますよ~~。」
「…ん…???待て待て。もう一度…。今のとこ。」
「はい。」
3人の女子大生…風。それぞれが、ケースを持ち、そしてひとつのケースを元に戻して。
ふたつのケースを籠に入れた。
「えっ???えぇぇぇぇ…???なんでひとつ…元に戻して…???」
勇喜雄。
内海、
「ムラ、そのケース…覚えとけ。」
「あ~~、はい。」
そして、更にそこから2時間…。
「わっ。」
勇喜雄。
「こ、これ…!!!…例の母親と女の子っ!!!…じゃ…、ないっすか~。」
内海、
「おぉ、おぉ。おし。」
「はいはい。はいはいはい。女子大生風。戻したケースです。これ~~。」
「おし。出た~~。確かに。」
けれども、
「けどな~~。確かに…、これで分かったが~~。これだけじゃ…。証拠のホッチキス…、どこだ…???」
勇喜雄、
「ん~~~。弱いっすか~~。」
内海、
「ん~~。それに…3人が、これだけ密着して…。何がどうなっているのか…。」
「あ~~。んもぅ~~。」
頭を掻きながら…。
内海も腕組みをして部屋を出る。
「一体…、どっから…。」
左手で口を覆いながら、
「ん~~。」
店内をあちこちらと…。そしてそれぞれのカメラ位置を確認しながら…も、天井を見ながら、
「あ~~。…ったく、分からん。」
すると、部屋の中から、
「何やってんですか、課長~~。天井向いて~~。」
勇喜雄の声。
内海、
「ん~~???」
「ズームすると、面白いっすよ。これ…。」
「えっ…???ズームなんて、出来るのか…???」
部屋に入りながら…。
勇喜雄、
「え~~。ほら。」
すると内海、
「チョイ待ち、ムラ。」
ズームしているカメラのモニターを見て内海、部屋を出て、コーナーへ駆け足で。
そんな自分が写っていそうな監視カメラを指差して。
勇喜雄、
「はいはい。これ、今見てますよ~~。」
そして内海、今度はまた別の監視カメラに指差して。
「はいはい。そのカメラもありますけど…。それじゃ、遠すぎ…。」
その時、勇喜雄、
「へっ…???遠すぎ…???おっと~~。」
今まで見ていたカメラモニターとはまた違ってモニターを見て勇喜雄、
時間を思いっきり巻き戻し。そして再生して、ズームアップ。
「出たっ!!!これっ!!!」
いきなり部屋から出て、
「課長――――――っ!!!!」
周囲の客たち、その声に、
「!!!」
一斉に声のする方を。
内海、客たちに笑顔で手を振り、「すみません。」のゼスチャー。
部屋に入り、
「出たかっ。」
勇喜雄、
「えぇ…。遠くに写っている3人の女子大生風がほら。」
遠くから写っている3人の女子大生。ズームでその動きが分かる。
「3人…横にピッタリ…。」
勇喜雄。
内海、
「うん。」
すると、両側のふたりがケースを持ちながら、いろいろと動かしている。
そんな中で真ん中のひとりが、ケースを上手に開けて…。
「うそ。この真ん中の…。」
勇喜雄。
「あぁ…。」
何と真ん中の女性、準備していたのだろう、上着のポケットから一本の注射器。
両隣の女性がケースをあれこれと動かして見ている内に、
ケースの中に注射器を入れて、何かしら、注射を打っている。
勇喜雄、
「マジで…???」
内海、
「なんと…大胆。」

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庄司紗千 海をこえて
※ご本人の承認の下、紹介させて戴いております。