会社の前で立ち止まって奈都美(なつみ)、
「ふ~~。ただいまっ。オシっと。」
会社の中に入って、声を掛けてくれる社員たち、
「おはよう~~。」
「おぅ~~。帰ったか~~。お疲れ~~。」
「はいナッちゃん、おかえり~~。」
そんな声に奈都美、
「ふふ。ただいま~~。」
「おぅ、七瀬(ななせ)~~。無事、ご帰還か。」
髭面の男性。
「はい、郷池(さといけ)課長、戻りました~~。」
郷池、
「あ~~???なんだお前、日焼け…してねぇじゃねぇか。」
「な~~に言ってます~~。しっかりと…日焼け対策、してましたから~~。常識ですよ~~。」
目を真ん丸く奈都美。
「かかかか。そうか~~。おじさん、そう言う事には…、疎くてな~~。かかかか。」
そう言いながら廊下を行く郷池。
そしてまた廊下を歩いて角を曲がった途端、バン。
「わっ!!!」
奈都美、持っていたカバンや荷物の入った紙袋を床に。
ぶつかった相手、
「あ~~。ご、ごめんなさい。…すみません。慌ててて。あ~~。トイレ、トイレ~~。」
走り去っていく男性。
奈都美、
「びっくりした~~。」
そして後ろを向いて、
「…ん…???今の…誰…???」
首を傾げながら…。
開け放たれたドアから、
「おはようございま~~す。」
一斉に入口に視線が集まる。
「おはよう~~。おかえり~ナッちゃ~~ん。」
「なっちゃん、おかえり~~。帰ったんだ~~。」
「よ~~七瀬~~。日焼けしてねぇな~~。」
様々な声。
奈都美、歩いて、男性の机の前に、
「内海(うつみ)課長、ただいま、戻りました。」
内海と言われる男性、
「かかかか。おかえり~~。お土産、ちゃ~~んと、買ってきたか~~はははは。」
奈都美、
「はい。しっかりと。」
内海、右後ろに顔を向けて、
「ほぃ。」
奈都美、
「はい。」
今度は中央の机に向かって歩み寄って。
「瀧澤部長、ただいま、戻りました。」
「おかえり~~。ふふ…、楽しかった???」
瀧澤(たきざわ)と呼ばれる女性、奈都美の顔を見て、にっこりと。
「10日間…、いいよね~~。バカンスだよ。」
奈都美、
「いえいえ。」
そして両手に持った紙袋の中から…、
「え…っと…。…あ、あった、これこれ。部長に、お土産。」
瀧澤、
「まぁ…。いいのに、そんな~~。」
「それからっと~~。」
振り返って、
「はい。これ…課長。」
「え~~???」
そして、ひとりひとりに…。
「なんだ、おま…。みんな…ひとりひとりにあんのか…???」
そんな内海の声に、奈都美、
「うん。当然。なんでか…、みんなから…餞別、もらっちゃったから。」
内海、
「はぁ~~。何と、何と…。出来てるわ~~。」
そして、ひとりひとりにお土産を渡す奈都美、そして、それぞれが、
「私も…???」
「おやおや。」
「そんな…いいのに~~。」
そして奈都美、
「はい、これ、ユッコ。そしてカンちゃん。」
ユッコと呼ばれた女性、そしてカンちゃんと呼ばれた女性も、
「キッャハハハ、ありがと。」
「サ~~ンキュ~~。」
「そして…、これが~~。翔(かける)~~。」
翔と呼ばれた男性、
「おっと~~。ゲット~~。サ~ンキュッ。」
奈都美、
「ふふ…。」
そして、
「…と、これで…全部…で…。」
その時、
「へっ…???」
翔の隣にいる男性を見て奈都美、
「あ…、あのぉ~~。…ん…???」
頭の中で、
「…さっき…廊下でぶつかった人…。」
その時、内海、
「あ~~。七瀬、ははは、スマン、スマン。彼な、新入りだ。」
奈都美、
「へっ…???…新入…社員…???」
内海、椅子から立ち上がって、
「おまえが、鹿児島に行った、次の、次にここに配属された。…尾田伸永(おだのぶなが)君だ。」
その瞬間、奈都美、
「え゛っ!!!おだのぶながっ!!!…あの…、おだのぶなが…???」
内海、
「かかかかか。はは。や~~っぱり、言うと思った。」
その瞬間、他のスタッフも…、
「ほ~~れみろ~~。かかかか。」
内海、
「七瀬~~。よ~く見てみろ、ネームプレート~~。」
その声に奈都美、
「へっ…???ネームプレート…。」
その男性まで近づいて。
男性、奈都美にペコリと、
「おだ、のぶながと言います。よろしくお願いします。」
奈都美、
「尾田…伸永…。へぇ~~~~。」

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