病室で巽、料理の本を見ながら…、
「ふんふんふん。おっ、これって…良さそう~~。」
ドアがガラリと…。
静かな声で翠、
「おっ邪魔っしま~~す。」
その声に巽、
「おっ。はい、みど。おつかれ。」
その声に廊下にいる万美と尋音、思わず顔を見合わせて、
「ぷっ。みどだって…。」
病室に入る翠。
巽、
「あれ…???誰か…???ふん…???」
翠、後ろを見て、
「へっ…???」
そのまま閉まりそうなドアを見て、
「あ~~ん、もぅ…。」
そしてドアを開けて、
「もぅ!!!」
巽、
「えっ…???」
くすくすと笑いながら翠に引っ張られて入ってくる万美と尋音。
巽、
「あ~~。うん。いらっしゃい。」
そう言って、
「あっ。やぱっ。俺…、みどって…。」
「はいはいはいはい。みどの初恋のユウマく~~ん。」
万美。
巽、
「えっ!!!うそ…。へっ…???なんで…???」
翠、
「もぅ…、ふたりには…バレてた。」
その声に巽、
「え~~~。」
顔を顰めて、
「えぇぇぇぇぇ…、なんで…???…どういう事…???」
尋音、
「むふふふふ~~ん。」
万美、
「ちょっとした…女の…勘…って、ヤツかな~~。…前に、高校の時、ユウマって言われてたって…言ったじゃん、遊馬君。」
巽、少し考えて、目をキョロキョロと…。
「…ん…???言ったか…???」
尋音、
「もぅ~~~。と~ぼけちゃって~~。」
顔を思いっきり鬼のような顔で…。
巽、
「かかかか。分かった、分かった。ごめん。降参。かかかか。覚えてる、覚えてる。…けど。それが…???」
「私も…尋もね。みどの初恋の人の…、ユウマってみんなから呼ばれてたって…、知ってるの。」
万美。
巽、
「うそっ!!!」
「ほんと。」
翠。
「高校の時、病院で命…救われた人…。ユウマって…男子~~。」
そんな話に巽、
「あ…。いや~~。え~~???そんなことまで知ってんの~~???」
「当然じゃん。今や私たちの相棒的存在だもん。」
尋音。
「いやいやいや…。…そうだったんだ…。」
「まっ、ゆずには…悪いけどさ…。」
「えっ…。」
「かかかか。赤くなった~~。」
翠、
「あっ、ユウマ…、お母さんは…???」
万美、
「くくくく…。ユウマだって…。」
口に右拳を当てて…。
翠、いきなり、
「もう!!!万っ、怒るよ!!!」
万美、
「はいはいはいはい。すみません、お姉さま。」
巽、
「お姉さま…???」
「みど…、とにかく…人望、厚いからね~~。」
「かかかか。そっか…。それは…言える。うん。」
途端に尋音、目を見開き、口を尖らせて、
「うほ~~~。かかかか。」
そして、
「どう…???10年後の逢坂翠…???素敵女子でっしょ。」
「こら、尋っ、調子に乗んな。」
左手を振りかざして翠。
「やばやば。今度はこっちきた~~。」
巽、
「かかかかか。…うん。素敵な女性になってる。俺も…あの頃は、みどといて、楽しかったから…。」
「好きだったんでしょう~~」
万美。
そんな万美の声に巽、
「いやいや…、ダイレクトだよね、泉水江さん。」
「わお。苗字で呼ばれたの…久しぶり。良く覚えてる~~。」
「うん…。まぁ…、商売柄…、人の名前は…出来るだけ…。」
尋音、
「ねね…???」
ベッドの足の方に両手を付いて。
巽、
「うん~~。ずっと…一緒にいたかった、女の子って…。」
万美、
「お~~。ひゅ~~。」
翠、
「ユウマ…。」

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